忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ロバート・シオドマク監督の『裏切りの街角』を国内盤DVD(フィルム・ノワール ベストコレクション DVD-BOX2)で観た感想。

再見。
ロバート・シオドマク監督、バート・ランカスター主演のフィルム・ノワールと言えば『殺人者』が大傑作として有名だが、この作品もそれに劣らぬ名作である。
まぁ、どちらを取るかと言われたら『殺人者』の方だが。

全編を貫く緊張感も半端なく、映画のかなりの部分(特に前半)がナイトクラブ(バー)のシーンというのがなんともノワール的。
敵役のダン・デュリエがいかにもな存在感で、主演のバート・ランカスター、ヒロイン(ファム・ファタール)のイヴォンヌ・デ・カーロともにダン・デュリエに食われていると言ったら大袈裟か。
ラテンバンドの演奏の中、バート・ランカスターがイヴォンヌ・デ・カーロに視線を注ぐシーンは印象的。

ミクロス・ローザの音楽は決して派手ではないが、雰囲気があり、映画をしっかり支えている。
フランツ・プラナーのカメラ。

ラストの訳の分からなさに困惑させられるが、後味は決して悪くない。

PR
ルネ・クレール監督の『眠るパリ』を国内盤DVDで観た感想。

紀伊国屋書店版DVD『巴里の屋根の下』の特典映像として収録されており、約35分。

ルネ・クレール監督の処女作で1923年のサイレント映画だが、なかなか面白い。
エッフェル塔の上で撮ったシーンが途中あるが、どうやって撮ったのか不思議なくらいで、高所恐怖症の人には恐ろしいシーンの連続。(スクリーンプロセスか?)
必ずしもそうでない私が観ても怖い。

画質は良好で1923年の映画とは思えないくらい。
音楽も良い。

松田聖子のニューアルバム『Daisy』を聴いた感想。
私が買ったのは初回限定盤A(DVD付)。

聖子さんの51枚目のオリジナルアルバムが発売になりました。
もちろん、セルフプロデュース自作(10曲中9曲が聖子さん自身の作詞作曲)によるアルバムです。

聖子さんといえば、ジャズにチャレンジした『SEIKO JAZZ』が3月下旬に発売になったばかりで、このブログでも何度か書いているように、大絶賛の内容だったわけです。
今後はジャズ歌手に転向するかと思いきや、恒例のポップアルバムをいつもと変らぬツアーの時期に出してくるあたり、聖子さんの変わらぬアグレッシヴな活動ぶりに驚かされますね。(皮肉ではないです)

私自身、ジャズの方を今後きっちりやっていただけるのであれば、ポップアルバムの方はもう封印してもいいのでは?(もしくは数年に1枚)という思いも正直あるのですが、”松田聖子”という存在はそこに押し留めておくにはあまりにも大きい存在であることは確かです。
今回のアルバムも、本業のポップスの方もこれから変らずやっていきますよ、という聖子さんなりの宣言なのでしょうね。
聖子さんがその気であれば我々ファンはついていくだけです(笑)。

ただ、発売前からアルバムの収録曲のタイトルを見て脱力しかかったファンは多いはず。
どこかで見たようなタイトル、悪い意味で55歳とは思えぬ若さ(?)を感じさせるタイトルの数々は失笑モノではあります。

私もそれを知ってからアルバムの出来に非常に不安を覚えましたが、音楽はあくまで聴いてみなくては評価できません。
そんなわけで、amazonから届いたアルバムを聴いてみました。
まず、一度通して聴いてみたところ、さして悪い印象はなく、それから何度も聴き返し、ここ数日の間に20回前後は聴きました。
結論から言うと結構気に入ってます(笑)。

もちろん、傑作とか名盤とか言うつもりはありません。
今さら80年代のアルバムと比べても仕方ありませんし、聖子さんの輝かしい盤歴の中では平均値辺りをうろうろする程度の出来栄えなのは確かでしょうが、少なくとも2000年代のアルバムの中では中の上くらいに位置する内容ではないでしょうか。
これだけでもアルバムを出した意味はあったと思います。

収録曲の中で抜きん出て魅力的なのはCMでも使われていたという『今を愛したい』。
いかにも現在の聖子さんらしい等身大の魅力が伝わってくるような佳曲です。
「ごめんね」なんて言わないで』と『あなた propose tonight☆』もなかなか良いですね。
あまり私の好みではないですが、生ギターをバックに歌われる『Daisyを君に』は新鮮で曲も良いです。

他の曲も明らかに劣るような出来栄えの曲はどうやら見当たりませんし、全体的にメロディがとても自然で(聖子さんはその才能はあると思います)、結構聴かせるなぁという曲が多いように感じますね。
聴いていて悪い意味で歌詞が耳に残ってしまう部分はありますが、聖子さんのヴォーカルは近年ではかなり頑張っている方では?

ただ、クオリティ的には、ラストの『薔薇のように咲いて 桜のように散って』の素晴らしさにすべてを持っていかれてしまうのも事実。
改めて聴いて、やっぱりこれは名曲との思いを強くしました。(以前この曲について書いた感想
アルバム構成としては、やはりラストに外注シングル『永遠のもっと果てまで』を持ってきた昨年のアルバム『Shining Star』の二番煎じのようですが、『Shining Star』ほどのバランスの悪さは感じません。

気になったのはアルバムの音質
私もそれほど良いオーディオ機で聴いているわけではありませんが、あまり音質が良くないような気がしてなりません。

全体的に音がやけにガシャガシャしているといいますか、まるでひと昔前のCCCDで聴いているような感じと言えばよいか・・・。
とりわけアップテンポの曲はアレンジがうるさいと言いますか、音数が多すぎる印象もありますのでなおさら。
なにより聖子さんのヴォーカルの音像がどことなくモヤモヤ気味で、アレンジに埋もれがちなのが惜しいですね。
SEIKO JAZZ』が良かった大きな理由の一つが、聖子さんのヴォーカルがくっきりと浮かび上がり、聖子さんの声の魅力が改めて実感できたことでしたから、なおさらその違いが残念な気がします。
もっとも、これはプロデューサーである聖子さん自身の責任であるわけですが・・・。

ルネ・クレール監督の『巴里祭』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

以前もこの映画について簡単な感想を書いている。(リンク

冒頭のパリの街並みのシーンからして雰囲気抜群。
セットらしいが、いかにもそれらしい風情が感じられるのがいい。
個人的には『巴里の屋根の下』のヒロインだったポーラ・イレリが、ここではファム・ファタール風の悪女を演じているのが興味深い。
ある意味、『巴里の屋根の下』以上に本領発揮といった感じか。
ヒロインのアナベラは、それに比べると色気といい官能性といい子供っぽく見えてしまうが、だからこそ彼女ならではの魅力を発揮していると言えるだろう。

ジャック・タチ監督の『ぼくの伯父さん』を国内盤ブルーレイ(日本コロムビア)で観た感想。

もしかしたらこのブログでジャック・タチの映画を取り上げるのは初めてかもしれない。
私自身は、数年前に出たブルーレイボックスはもちろん、それ以前に出ていたDVDボックスも持っているほどタチの映画は昔から好きなので、これは自分でも意外である。

ただ、ここ10年ほどタチの映画から離れていたことは確かであり、例のブルーレイボックスも買ったまま一枚も観ていないという勿体無さ。
最近になってタチの映画をまた観たいという欲求が強くなってきたところなので、少しずつ観直していこうと思っているところ。

昨今タチの映画といえば、文明批評的側面をことさら強調した論評を多く目にする。
確かにそういった要素はあると思うが、その側面を強調した観方は私はあまり取りたくない。
全編に散りばめられたギャグを素直に味わいつつ、あくまでのほほんとしたコメディ映画として観たいというのが今の気分。

今回観たのは『ぼくの伯父さん』。
言うまでも無くタチの代表作であり個人的にも好きな作品なのだが、『ぼくの伯父さんの休暇』『プレイタイム』『トラフィック』に比べると、意外にも『ぼくの伯父さん』を観る機会はこれまでもそう多くなかった。
今回ブルーレイボックスの中からこれを第一に観たのは、内容をかなり忘れているので、観直して内容を確認したいという思いも強かったため。

実際見た感想としては、昔観た時とそう大きな変化はなかった。
もちろん面白かったし、私自身、本当にユロ氏が好きなのだな、と改めて実感。

ブルーレイはさすがに画質が優れており(以前出ていたDVDも画質は良かったが)、音楽が大きな要素を占める作品だけに、音の良さも印象的だった。

HPのBBSに寄せられた情報です。

7月1日~14日にかけて、東京・渋谷『Bunkamura ル・シネマ』にて『俳優生活60周年記念特集上映 アラン・ドロンに魅せられて』という特集上映が行われます。
リンク

上映作品は『冒険者たち』『山猫』『スワンの恋』『地下室のメロディー』『太陽が知っている』『リスボン特急』。

スワンの恋』と『太陽が知っている』がスクリーンで上映されるのも珍しいですが、メルヴィル・ファンとしては、なんといっても『リスボン特急』の上映に注目!
スクリーンで観られる機会は極めて少ない作品だけに、大変貴重な機会になりそうです。

先ごろ俳優活動の引退を表明されたアラン・ドロン氏ですが、日本とのかかわりが大変深かった人だけに、今後このような催しが増えてくることを期待しています。

ルネ・クレール監督の『巴里の屋根の下』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

ルネ・クレールのトーキー第一作
久々に再見したが、いかにも良き時代のフランス映画といった風情のある映画である。
サイレント期から活動しているルネ・クレールらしく、サイレント映画の手法がまだ色濃く残っているが、今観るとそれが絶妙な味わいを作品にもたらしている。

ヒロインのポーラ・イルリの、どこかルイーズ・ブルックスを思わせるような眼力と容姿、色気が魅力的。
30年代のフランス映画に無くてはならない存在であるガストン・モドが敵役を見事に演じている。

この映画は廉価DVDでも多く出ているが、できることなら是非紀伊国屋盤DVDで観て欲しい。
クライテリオン盤マスターを使用しているとのことで、1930年の映画とは思えないほど画質が鮮明である。

[12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22]
テンプレ作った人:おみそ
今すぐブログ始めるなら:[PR]

PR:忍者ブログ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。
カテゴリー
最新コメント
[04/14 マサヤ@管理人]
[04/10 mon]
[11/07 マサヤ@管理人]
[11/06 mon]
カウンター
忍者AdMax
NINJA TOOLS
アーカイブ