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ジョン・ヒューストン監督の『キー・ラーゴ』を国内盤DVDで観た感想。

KEY LARGO』(48年)
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:リチャード・ブルックス、ジョン・ヒューストン
撮影:カール・フロイント
音楽:マックス・スタイナー
出演:ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール、クレア・トレヴァー、エドワード・G・ロビンソン、ライオネル・バリモア、モンテ・ブルー

再見。
以前一度キリしか観ていない映画だが、なぜか最近無性にこの映画が見直したくなっていた。
ほとんど密室劇に近いが、舞台となったマイアミのホテルの雰囲気が印象的だったせいか。
実際に見直してみて、内容も実に緊張感のある面白い映画であった。
元の原作(マックスウェル・アンダーソン)が面白いせいもあるのだろうが、俳優の演技が皆とても上手いし、映画の進行もテキパキとして無駄がない。
ギャング役のエドワード・G・ロビンソンがさすがの存在感。

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久々にジョン・ヒューストン監督のデビュー作『マルタの鷹』を再見。(以前書いた記事

何度観てもまた観たくなる、言うまでもなくハードボイルド探偵ものの最高峰。
原作はダシール・ハメット
すでに5~6回は観ているはずだが、恥ずかしながら、いまだにストーリーを完全に理解しているとはいいがたい。
が、そういった理解を飛び越えた面白さを含んだ映画であることもまた確かである。

キャストではもちろんハンフリー・ボガートが魅力的だが、ピーター・ローレシドニー・グリーンストリートエリシャ・クック・JRという個性豊かな脇役陣が最高。
とにかくこの3人の味のある一挙手一投足に釘付けになってしまう。
この映画、いくらボギーが良かろうとも、この脇役3人が揃わなかったらここまで面白くならなかっただろう。
類型的なファム・ファタールの役柄にハマり切らないメアリー・アスターの役柄と、ボギーに懇願する時の潤んだ瞳も忘れられない。

ジョン・ヒューストン監督の『勇者の赤いバッヂ』を国内盤DVDで観た感想です。

a0428bb5.jpegTHE RED BADGE OF COURAGE』(50年)
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:ジョン・ヒューストン、アルバート・バンド
撮影:ハロルド・ロッソン
音楽:ブロニスラウ・ケイパー
出演:オーディ・マーフィ、ビル・モールディン、ジョン・ディークス、アーサー・ハニカット、ローヤル・ダーノ、アンディ・ディヴァイン

初見。
南北戦争を描いた原作を映画化した作品。
69分という短めの映画ですが、ジョン・ヒューストン監督の傑作としても有名な作品です。
近年は戦争映画にはさして興味ないのですが、ジョン・ヒューストン監督作品ということでこの作品には以前から興味がありました。

観ますと、確かに厖大な群集を使った戦闘シーンは映像として壮観でしたが、正直言いまして、映画自体かなり退屈に感じました。
もともと南北戦争という題材に興味がないせいでしょうか、どうも私はこの作品とは波長が合わなかったようです。

あけましておめでとうございます。
今年もマイペースでやっていくつもりですが、このブログとHPを是非ともごひいきに。

このところ、このブログはほとんど映画鑑賞日記と化していますが、まだUPしていない鑑賞済みの映画がいくつかまだありますので、もう少しこの流れを続けたいと思います。
今回は、ジョン・ヒューストン監督の『クレムリンレター/密書』を観た感想です。

image28.jpgTHE KREMLIN LETTER』(1969)
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:グラディス・ヒル、ジョン・ヒューストン
撮影:テッド・スケイフ
音楽:ロバート・ドラスニン
出演:ビビ・アンデショーン、リチャード・ブーン、マックス・フォン・シドー、オーソン・ウェルズ、パトリック・オニール、バーバラ・パーキンス、リラ・ケドロヴァ
 
あれは傑作だね。映画館から出た時、私は妻にたったひと言、心に浮かんだ単語を口にしたよ。「お見事!」とね。もちろん、師の見事さだ。『クレムリン・レター 密書』は巨匠の作品だ。映画の講義なんだ。
(引用―『サムライ―ジャン=ピエール・メルヴィルの映画人生』ルイ・ノゲイラ著 井上真希訳 晶文社刊 より)

レンタルビデオにて鑑賞。
今回が初見となるスパイもの。
メルヴィルが絶賛していた作品ですが、公開時、世界的には当たらず、どうやら公開後すぐ打ち切りになってしまった作品とのことで、いまだDVD化もされておりませんし、これといったスターも出演していないことから、あまり知名度も高くないようです。

ジョン ヒューストンの自伝『王になろうとした男』(清流出版)によると、この作品が当たらなかったことは、本人もかなり残念に思っていたようです。
世界中で酷評されたが、唯一の例外がパリだったと…。
関係者の名こそ指摘されていませんが、私は瞬間的にメルヴィルのことを思い起こしました。
実際、私もノゲイラの本でメルヴィルが絶賛していなかったら、この作品を観ようとは思わなかったかもしれません。

実際に観た印象ですが、内容に分かりにくさはありますが、ストーリーがどう展開してゆくのか大変興味深く、決して退屈ではありません。
むしろ、かなり面白いと思います。
ただ、1969年の作品であり、米ソ冷戦構造や、中ソ対立など、当時の世界情勢の理解がないと、完全な理解はなかなか難しいかもしれません。
私も、理解しかねるところがいくつかありましたので、近くまた再見してみたい作品です。

キャストも良いです。
ローン役を演じるパトリック・オニールは渋い存在感の俳優なので派手さこそありませんが、かえってそこがカッコ良かったですね。
その上司役のリチャード・ブーンはそれ以上に印象的で、この二人のやり取りのシーンは、どこもウィットに富んでいて面白かったです。

それに加え、あのオーソン・ウェルズがソ連の高官役で出演していて存在感を発揮しています。
ビビ・アンデショーンバーバラ・パーキンスの二人の女優も良く、ビビ・アンデショーンはちょっとデルフィーグ・セイリグに似ている気が。
二人の肌の色の白さがキレイでした。
リラ・ケドロヴァアンリ・ドコワン監督の『筋金を入れろ』(55年)でジャンキー役で出ている女優です。
不思議なことに、こちらの方が若く見えるかも。

image142.gifジョン・ヒューストン監督の『マルタの鷹』をDVDで久々に観ました。

THE MALTESE FALCON』(41年)
監督・脚本:ジョン・ヒューストン
原作:ダシール・ハメット
撮影:アーサー・エディスン
音楽:アドルフ・ドイッチ
出演:ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、ピーター・ローレ

言うまでもなく、フィルム・ノワールの元祖とも言われる作品で、実際のところ、私も何回も観ている映画ですが、ふとした時に、またその雰囲気を味わいたくなる作品です。
DVDを持っているので、今回もなんとなく観始めたのですが、あまりの面白さに途中で止められなくなりました。

実は何度観ても、相棒の探偵の殺人事件から、鷹の捜索に至るまでのストーリーの展開に付いてゆけないのですが(笑)、ジョン・ヒューストン(これが監督デビュー作!)のスピーディーな演出は観ていて気持ちよく、爽快さを感じるほどです。

キャストの魅力も言うまでもなく、ボギーが良いのは当然として、メアリー・アスターの謎めいた存在感、色っぽさもたまらなくいいですし(男に懇願する時のあの目!)、なんといっても、ピーター・ローレシドニー・グリーンストリートイライシャ・クック・JR、探偵事務所の秘書を演じるリー・パトリックといった一癖も二癖もある助演陣が実に素晴らしい。

とりわけ、シドニー・グリーンストリートの見事なまでの巨漢ぶりと、余裕を扱いたあの独特の笑い、ピーター・ローレのギョロ目とパーマ(異様に痩せている!)、ボギーにとことんコケにされ涙目になるイライシャ・クック・JR…この3人が揃っただけでも、個人的には、この作品が唯一無二の作品となっているのです。
本当に『マルタの鷹』でこの3人を観る度にワクワクする気持ちが抑えられなくなるんですよね。
アドルフ・ドイッチの音楽も素晴らしいですし、とにかく、これは最高の映画としか言いようがないですね。

●『暗殺者の家』(34年、監督:アルフレッド・ヒッチコック、出演:ピーター・ローレ)

後に『知りすぎていた男』としてセルフ・リメイクされる作品で、ジミー・スチュワート、ドリス・デイといったスターを配したリメイク版の方が出来が良くなっているのはさすがにヒッチコックですが、こちらのオリジナルはピーター・ローレのお姿が拝めるというポイントもあります。
リメイク版でのラスト近くの「ケ・セラ・セラ」の部分が、オリジナル版にはありませんが、冒頭の射撃シーンが意味を持つオリジナル版の方がスッキリしていて私は好きかもしれません。

●『アフリカの女王』(51年、監督:ジョン・ヒューストン、出演:ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘップバーン)

第一次大戦中、敵国ドイツの砲艦「ルイザ号」を撃沈するため、アフリカの河を蒸気船「アフリカの女王」号で渡るという冒険物。
いくらヒューストン&ボギーとはいえ、こういった主人公が泥まみれ、垢まみれの“キタナイ”作品は、個人的に苦手。(おまけにヒルまで出てくるし 苦笑)
また、キャサリン・ヘップバーンの容姿が苦手というのも大きいかもしれません…。
ラストの展開はなかなか良かったですが。

d9b1d838.jpeg明けましておめでとうございます。
決して更新も多いとは言えないこのブログですが、今年もよろしくお願いいたします。

さて、新年一回目の更新は、米フィルム・ノワールの古典的名作の一つである『アスファルト・ジャングル』『The Asphalt Jungle』(米 50年)の紹介です。

監督:ジョン・ヒューストン、原作:W・R・バーネット、脚本:ジョン・ヒューストン、ベン・マドー、撮影:ハロルド・ロッソン、出演:スターリング・ヘイドン、ルイス・カルハーン、サム・ジャフェ、マリリン・モンロー他

ルイ・ノゲイラ著「サムライ」には、メルヴィルがこの映画に言及し、「『アスファルト・ジャングル』は間違いなく世界でいちばん申し分のない映画の一つだ」とピエール・グラッセと話し合ったという話が出てきますし、他にも至るところで、この映画の素晴らしさ、自分の映画作りへの影響について語っています。

この映画の、押し入り強盗で宝石を奪うというアイデアが、メルヴィルの『賭博師ボブ』、『仁義』あたりに多大なる影響を与えていることは言うまでもなく、メルヴィル自身、『賭博師ボブ』は『アスファルト・ジャングル』の焼き直しだと言っているくらいです。
ただ、押し入り強盗のシーン自体は『アスファルト・ジャングル』全体の中ではそれほど大きなウエイトを占めているわけではなく、それを実行する登場人物たちの人間性が短い描写の中に見事に描かれている、しかも、実にユーモアに富んでいるのが大きな魅力でしょう。
とりわけ、サム・ジャフェ演じる強盗団のリーダーであるドックの颯爽とした紳士ぶり、サラリと「悪事に大小はない」と語るスマートさが印象的。
それと裏腹に(?)大の女好きなところもまたなんとも面白く、ラストの「2、3分・・・」のくだりなど、もう最高ですね。
ルイス・カルハーン演じる弁護士エメリックも、ふとした表情の移り変わりの演技が見事で、役柄の人間性丸出しの名演。

他にも、競馬好きで荒々しい人間性の用心棒ディックス(スターリング・ヘイドン)、そのディックスに惚れている水商売の女ドール(ジーン・ヘイゲン)、家族思いの金庫破りルイ(アンソニー・カルーソ)、小心者で金を見ると汗を掻くノミ屋コビー(マーク・ローレンス)、運転手役で背中にコンプレックスを持っている小男ガス(ジェームズ・ホイットモア)、ノミ屋に出入りしている悪徳警官、その上司のコミッショナー、エメリックの私設探偵ブラノンなど、誰もが実に個性的かつ印象的なのです。
また、デビュー間もないマリリン・モンローがエメリックの愛人アンジェラ役で出ていますが、彼女らしい個性を既に発揮して好演しています。

『アスファルト・ジャングル』において、メルヴィル作品に影響を与えていると思われるシーンをいくつか挙げてみましょう。

まず、『アスファルト・ジャングル』冒頭の面通しのシーンです。
これが『サムライ』の面通しシーンに影響を与えていることは間違いないでしょう。
そして、宝石店への押し入り強盗の後、警備員をディックスが殴り、その勢いで警備員の拳銃が暴発してルイに当たるというシーンがありますが、『仁義』のビリヤード場の場面(アラン・ドロンがリコの手下に脅されるシーン)にも同じような状況が出てきます。
ラスト近くで、コミッショナーが「警察に悪徳警官がいても何ら不思議ではない 腐敗と戦ううちに自分も腐敗する」と私見を述べるシーンがありますが、これも『仁義』において監査局長が「警官を含めあらゆる人間は有罪なり」という考え方を述べるところにも影響を与えているように思われます。

また、『影の軍隊』において、リノ・ヴァンチュラ演じるフィリップ・ジェルビエが、ロンドンにて空襲を逃れてダンスホールに逃げ込み、そこで、若者たちのダンスを見つめるというシーンがあります。
このシーンではセリフも全くありませんし、一見しただけでは、よく分からない、といいますか、どんな意味のあるシーンなのか理解しがたいシーンだと思うのですが、このシーンを撮った際、メルヴィルの頭の中には、『アスファルト・ジャングル』ラスト近くで、女性のダンスを見つめるドックのシーンのことがあったと個人的には思っています。(もちろん、その二つのシーンは、映画の中での意味合いにおいて全く違いますが…)

ところで、個人的に、『アスファルト・ジャングル』のジュークボックスの音楽に合わせてのダンスのシーンは、映画の中でも、最も印象的なシーンです。
ダンスを踊る女性は特別美人でもないのですが、そのぶっちゃけたような踊りが観る者を惹きつけてやみません。
とりわけ、ダンスをする女性を捉えていたキャメラが徐々に窓の外へと注がれ、そこに警官が二人覗き込んでいる…というシーンはゾクゾクするほど素晴しいですね。
ダンスを見つめるサム・ジャフェの視線の演技も見事です。

もちろん、ルイス・カルハーン演じるエメリックが、強盗に成功したドックとディックスを妾宅に招き入れて、裏切りを図ろうとするシーンも、4人の思惑の様が緊張感を持って捉えられていて印象的なシーンです。

私もこの映画はもうDVDで5回以上は観ていますが、とにかく何度観ても楽しめるサスペンス映画史上の大傑作。
ハロルド・ロッソンによるいかにもノワール的な照明技術、メルヴィルも再現しようとしたという見事な美術(セドリック・ギボンズ)も特筆に価するでしょう。
国内DVDの画質も最高です。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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