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ロジェ・ヴァディム監督の危険な関係4Kデジタル・リマスター版をスクリーンで観た感想。

私が観たのは名古屋の栄と新栄の間ぐらいにある名演小劇場というところ。
ここで映画を観たのは初めてかもしれない。
本当に小さい映画館で、スクリーンも小さかった。

この映画を観るのは二度目だが、前回はIVCから出ていたDVDで見た。
これが酷い画質で、内容もよく憶えていないほど。
今回ほとんど初めて観たような印象である。

映画本編の前にロジェ・ヴァディム監督による映画の短い紹介がある。
それが終わると、一聴してそれと分かるセロニアス・モンクのピアノ。
続いてチェスのボード上に次々とクレジットが映し出される。
このオープニングが実に素敵である。

以前ロジェ・ヴァディム監督の映画を観て楽しめたことがないというようなことを書いたが、これは前半少々たるいところもあるが、間違いなく面白かったので訂正したい。
それも、主演の二人が実に素晴らしかったからである。

ジャンヌ・モローという人は時にひどく魅力なく撮られていることがあるが、この作品における彼女は本当に美しい。
演技、存在感でも先輩格のジェラール・フィリップに一歩も引かないところはさすが。
ジェラール・フィリップはスマートな物腰といい、気品といい、遺作というのが信じられない。
一見彼らしくない役柄と言えるが、彼でなかったら、この映画はもっとギスギスしたものになっていただろう。
他に、アネック・ヴァディム(当時のロジェ・ヴァディム夫人)、ジャンヌ・ヴァレリージャン=ルイ・トランティニャンといった助演陣も揃っている。

意外なところでは、ジャン=ピエール・メルヴィルも59年のベスト10にこの作品を選んでいる。(リンク

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ロジェ・ヴァディム監督の『危険な関係』と『悪徳の栄え』の国内盤ブルーレイが2月24日に紀伊国屋書店から発売されます。(DVDも発売)

紀伊国屋から久々に往年のフランス映画のソフトが発売されるような気がします。
正直言って、ロジェ・ヴァディムの映画を観て心から楽しめた経験がないのですが、今回の発売はかなりの注目だと思います。

危険な関係』(59年)はジェラール・フィリップジャンヌ・モローの共演作。
危険な関係のブルース』等で知られるジャズ・ナンバーの数々が聴けるジャズ映画でもあります。
この映画は以前IVCから国内盤DVDが出ていましたが、信じられないくらい酷い画質でした。
今回は紀伊国屋書店から出るブルーレイということで全く別の作品のような画質が期待できるでしょう。

一方の『悪徳の栄え』(63年)はマルキ・ド・サドの原作で、私は未見ですが以前から興味のあった作品なので今回の発売は嬉しいです。
カトリーヌ・ドヌーヴアニー・ジラルドの共演も楽しみですが、メルヴィルの『この手紙を読むときは』に主演していたフィリップ・ルメールも重要な役で出ているようです。
 

ロジェ・ヴァディム監督の『素直な悪女』を国内盤DVD(HDニューマスター版)で観た感想。

Et Dieu...Crea La Femme』(56年)
監督:ロジェ・ヴァディム
脚本:ロジェ・ヴァディム、ラウル・レヴィ
撮影:アルマン・ティラール
音楽:ポール・ミスラキ
出演:ブリジット・バルドー、クルト・ユルゲンス、ジャン=ルイ・トランティニャン、クリスチャン・マルカン、ジョルジュ・プージュリー、イザベル・コーレイ

 
再見。
HDニューマスターを謳っている新国内盤DVDで観たわけだが、この映画を高画質で観られたというだけで嬉しくなってしまった。(オリジナルのシネマスコープでないのは疑問だが)
以前出ていた国内盤DVDの画質はホントに酷かったから・・・。

原題の意は、かくて神、女を創り給えり
改めて観直してみて思うが、これはなかなか良い映画だ。
キャスティング(特に男優陣)、脚本、撮影、音楽、どれをとっても魅力的である。
そして、言うまでもなくこの映画はブリジット・バルドーの魅力、これに尽きる。
彼女はこの映画のセンセーショナルな成功がきっかけで大スターへと登り詰めるわけだが、今見ても、それも当然だと思う。
ビジュアル的な魅力は筆舌に尽くしがたく、とりわけ、映画の後半でマンボのリズムに乗って踊りまくる姿は圧巻。

相手役のジャン=ルイ・トランティニャンはまだこの映画では青臭い。
正直、クルト・ユルゲンスクリスチャン・マルカンの方がずっと魅力的である。
ただし、当時実生活で監督のロジェ・ヴァディムと結婚していたバルドーが、この映画で共演したトランティニャンと撮影中に駆け落ちしてしまい、離婚にまで及んでしまったというのは映画を地でいくような凄い話ではある。

ちなみに、クリスチャン・マルカンの実の妹はナディーヌ・トランティニャン
彼女はこの後にジャン=ルイ・トランティニャンと結婚し、あのマリー・トランティニャン(2003年没)を産む。
ナディーヌ・トランティニャンはジャン=ルイと別れた後、監督のアラン・コルノー(2010年没)と再婚(後に離婚)。
先日このブログでも紹介したアラン・コルノー監督の『セリ・ノワール』にはマリー・トランティニャンは娼婦役(!)で出演している。

クリスチャン・マルカンは後にアルツハイマー病を患い(2000年没)、ナディーヌは『兄とアルツハイマー病』という本を上梓している(翻訳本あり)。
クリスチャン・マルカンはなんとドミニク・サンダと同棲していたこともあったという。
ドミニク・サンダとジャン=ルイ・トランティニャンといえばベルトルッチの『暗殺の森』(70)だ!

ということで話が大きくそれてしまったが、忘れてはならないのはメルヴィルの『賭博師ボブ』(55)に出演していたイザベル・コーレイがこの映画にも出演していることである。
ところが、まともに顔が映ったシーンがあったかどうかというくらい目立たず、ちょい役もいいところ。

イザベル・コーレイは当時メルヴィルのプロダクションと契約していたが、この映画に出たために契約は破棄された。
そもそもイザベル・コーレイを映画界にスカウトしたのはメルヴィルであり、そのメルヴィルがこの映画に出ることに猛反対したからだ。
オファーの段階では準主役という肩書きだったようだが、出来上がった映画を観る限りでは、メルヴィルが危惧した通り、彼女はバルドー売出しの影に隠れた形になってしまったという感は否めない。
後にイザベル・コーレイはメルヴィルにまた使ってくれるように頼みにきたそうだが、女優として旬を過ぎたと感じたメルヴィルは断ったという。
バルドーとは違った意味で魅力的な女優だっただけに、つくづく惜しいことだったと思う。


ロジェ・ヴァディム監督の『大運河』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。

SAIT-ON JAMAIS』(56年)
監督・原作・脚本:ロジェ・ヴァディム
撮影:アルマン・ティラール、ルイ・ネエ
音楽:ジョン・ルイス(MJQ)
出演:フランソワーズ・アルヌール、クリスチャン・マルカン、ロベール・オッセン、フランコ・ファブリッツィ、O・E・ハッセ
 
初見。
MJQモダン・ジャズ・カルテット)によるジャズ演奏をサウンドトラックに使ったことでも有名な作品である。
ちょうど同じ年(56年)、ルイ・マル監督が『死刑台のエレベーター』でマイルス・デイヴィスのジャズ演奏をサウンドトラックとして使っているが、これ以降、特にフランス映画においてモダン・ジャズが盛んにサウンドトラックとして使われることになる。

この映画で使れたMJQの音楽は『たそがれのヴェニス』というタイトルで発売されており、世間的にも名盤とされているが、個人的にはMJQのアルバムの中ではそれほど気に入っているというわけではない。
しかし、映画の中での楽曲の使われ方は絶妙で、その音楽の魅力を改めて感じた。

ところで、ロジェ・ヴァディム監督の作品はこれまでほとんど面白いと思ったことがない。
この作品も途中まではかなり退屈であった。
しかし、中盤くらいから面白くなり始め、観終わる頃にはそれなりに気に入った。

主演のフランソワーズ・アルヌールは往年のフランス映画ファンに人気だった女優だが、正直なところ、私はこの人の魅力がよく分からない。
ハッキリ言って美人ではないし…。
確かに持って生まれた人懐っこさはあるかもしれないが、この作品で演じた役柄はあまり共感しにくいキャラクターであった。

あと、クリスチャン・マルカンフランコ・ファブリッツィのスーツとネクタイの色が前半で一緒だったため、二人の区別が付かなかった。
前半あまり面白く感じなかったのはそのせいもあるかもしれない。

男爵役のO・E・ハッセも良かったが、この映画を面白くした立役者はロベール・オッセンであろう。
感情表現が巧みで、さすがに存在感もある。

ただし、国内盤DVDの画質は良くない。
よくもあんな画質で発売するものだとちょっと呆れた。
 

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フランス映画、ジャズ
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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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