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ジャック・ドレー監督、ジャン=ポール・ベルモンド主演の『パリ警視J』の国内盤DVDが5月25日に角川から発売されます。
この映画については以前書いたこちらの記事を参照。

ブルーレイの発売はなく、DVDだけの発売のようです。
国内盤DVDは以前東北新社から発売されていましたが、廃盤になって久しいです。
先日ご紹介した『ダンケルク』ともども、ベルモンドの主演作DVDの発売が続くのは嬉しいですし、廉価なのもいいですね。

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ジャック・ドレー監督の『ボルサリーノ』(70年)を国内盤ブルーレイで観た感想。

この映画を観るのは久しぶりである。
人気絶頂にあった頃のアラン・ドロンジャン=ポール・ベルモンドが共演した唯一の映画だが、ご存知の通り、長らく国内盤DVDは発売されなかった。
昨年ようやく待望のDVDとブルーレイが発売、私もすぐさまブルーレイを購入したのだが、
ブルーレイの画質がアマゾンでボロクソに叩かれていた上、私自身映画から離れていた時期ということもあってこれまで観る機会がなかった。

それに正直言うと、私はこれまで『ボルサリーノ』という映画があまり好きでなかった。
理由は我ながらはっきりしないが、おそらく30年代の雰囲気が好みでなかったのと、あまりにもギャング映画然とした内容に深みを感じなかったせいだろうと思う。
クロード・ボランの音楽もさして魅力的と思わなかった。

ところが今回、それらの点はほとんど気にならなかった。
過去に観ていて免疫があったせいだろうか。

タイトルのボルサリーノとは言うまでもなくイタリアの帽子ブランドの名前だが、さすがにこの映画における登場人物たちのファッションは素晴らしく、とりわけドロン、ベルモンドのスーツ姿のカッコ良さには惚れ惚れとさせられる。
なによりも、全盛期の大スター二人が実に楽しげに同じ画面に収まっている・・・これぞ映画の奇跡であり、映画を観る幸福そのものである。

もちろん、二人はその後パトリス・ルコント監督の『ハーフ・ア・チャンス』(98年)でもう一度共演を果たしている。(過去に書いた『ハーフ・ア・チャンス』の記事
しかし、当然のことながら『ボルサリーノ』と『ハーフ・ア・チャンス』の共演は全く意味合いが異なる。
二人がまだ若く、名実ともに最高のスターであったこの時期に『ボルサリーノ』という映画が作られ、こうして今観る事ができるという事実に我々は感謝するべきだ。
この映画を観ていると素直にそう思わされる。

評判の悪いブルーレイの画質については、確かに失望しないと言ったらウソになるだろう。
しかし、これも予め覚悟していたせいか、想像していたよりはマシに感じた。
それどころか、映画が進むにつれ、気にならなくなっていった。
これも映画の魅力のなせる業か。

ジャック・ドレー監督の『太陽が知っている』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

LA PISCINE』(68年)
監督:ジャック・ドレー 
脚本:ジャン=クロード・カリエール、ジャン=エマニュエル・コイル、ジャック・ドレー 
撮影:ジャン=ジャック・キルベス 
音楽:ミシェル・ルグラン、ミシェル・マーニュ 
出演:アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ロネ、ジェーン・バーキン

再見。
以前観たのはレンタルビデオでした。
今回のHDマスター版DVDは画質が本当に綺麗!
ブルーレイと見紛うほどです。

以前観た時は特に前半退屈に感じてしまいました。
今回もその点はあまり印象は変わりませんでしたが、後半の“事件”に至るまでのジリジリとした神経戦が見応えありますね。
特にロミー・シュナイダーの演技がすばらしい。
“事件”のシーンは妙にリアリティがあるというか、静かな狂気が感じられるゾクゾクするような名シーンとなっています。

それと、忘れてはならないのがキャスティングの魅力!
アラン・ドロンロミー・シュナイダーアラン・ドロンモーリス・ロネの“因縁”は今さら言うまでもありませんが、これに絡むジェーン・バーキンが好演。

ところで、原題は『スイミング・プール』の意ということで、フランソワ・オゾン監督の同名映画(2003年)と同じですが、二つの映画に直接関係はないみたいですね。
ちなみにオゾンの映画は公開時に映画館で観ましたが、とても面白かったです。

ジャック・ドレー監督の『フリック・ストーリー』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

FLIC STORY』(75年)
監督:ジャック・ドレー
原作:ロジェ・ボルニッシュ
脚本:アルフォンス・ブーダール、ジャック・ドレー
撮影:ジャン=ジャック・タルベ
音楽:クロード・ボラン
出演:アラン・ドロン、ジャン=ルイ・トランティニャン、クローディーヌ・オージェ、マリオ・ダヴィッド、レナート・サルヴァトーリ、アンリ・ギーベ、アンドレ・プース、モーリス・ビロー、ポール・クローシェ、マルコ・ペラン、モーリス・バリエ
 
再見。
実在の刑事であり、この作品の主人公でもあるロジェ・ボルニッシュが書いた原作を映画化したもので、ここで描かれているエミール・ビュイッソンという犯罪者も実在した人だという。
この作品は近年もテレビでよく放送されるので、内容ももうほとんど覚えているのだが、改めてDVDで観て内容の面白さに惹き込まれた。
70年代のフランス犯罪サスペンス(“フィルム・ノワール”と言いたいところだが、ちょっとニュアンスが違う気がする)の中でも傑作の部類に入る作品だろう。

まず、アラン・ドロンジャン=ルイ・トランティニャンの共演がこの作品の成功の最大の要因。
ことに犯罪者ビュイッソン役のジャン=ルイ・トランティニャンが強烈な印象で、この人の持ち味の一つである“無表情”が、殺しを全く躊躇しないビュイッソンという残忍冷酷なキャラクターに見事に活かされている。
なんというか、普段の無表情が効いているから、一瞬の表情の変化が観る者に劇的な強い印象を与えるのだ。

一方、アラン・ドロンの刑事役といえば、われわれはどうしてもメルヴィルの『リスボン特急』(72)を思い起こしてしまうのだが(双方のレストランのシーン!)、この映画のキャラクターはそれとはかなり異なる。
緊張感が全篇を支配した『リスボン特急』に比べれば、こちらはどこかユーモラスな雰囲気があり、刑事が仕事を楽しんでやっているような余裕が感じられる。
もちろん、これは元の原作がそうなのかもしれないが、トランティニャン演じるビュイッソンとの対比という意味で、これは効果的だったと思う。
ビュイッソンのコワさが引き立っているからだ。

あと、アラン・ドロンが全篇で着用した緑のトレンチコートは刑事のファッションとしては少々派手過ぎるように感じられるが、オールバックヘアーに緑のトレンチ、茶の靴という派手目の出で立ちがこの刑事のキャラクターを決定付けているといえるのかもしれない。
個人的に、ビュイッソンの兄役のアンドレ・プッスを病室で尋問するシーンが、プッスの好演もあって好きだ。

そのプッスを始め、レナート・サルヴァトーリポール・クローシェ等々から、脇役、端役に至るまで“70年代ドロン作品の顔”が軒並み顔を揃えているのはある意味壮観である。
ドロンの愛人役のクロディーヌ・オージェの艶やかさもいい。
見事に再現された40年代のパリの風景、街並みもこの映画の大きな魅力だ。

ジャック・ドレー監督の『友よ静かに死ね』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

9c8883ee.jpegLE GANG』(76年)
監督:ジャック・ドレー
製作:アラン・ドロン
原作:ロジェ・ボルニッシュ
脚本:アルフォンス・ブーダール、ジャン=クロード・カリエール
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
音楽:カルロ・ルスティケリ
出演:アラン・ドロン、ニコール・カルファン、ロラン・ベルタン、アダルベルト・マリア・メルリ、ラウラ・ベッティ

製作・主演アラン・ドロン、監督ジャック・ドレーのコンビによる40年代を舞台にしたギャング映画。
原作のロジェ・ボルニッシュの名前は聞き覚えのある方も多いでしょう。
そう、あの『フリック・ストーリー』(同じくジャック・ドレー監督の75年の作品)でアラン・ドロンが演じた実在の刑事の名前です。
とはいえこの作品の内容は刑事が主役のモノではなく、戦後のフランスに君臨したという実在のギャングとその仲間たちの結びつきを主に描いています。

この邦題はどこか重苦しい題材を想像させるタイトルですが、内容はいたって明るく、アラン・ドロンの子供のように若々しい演技が観られる作品です。
カーリー・ヘアのアラン・ドロンということで当時話題になった作品ですが、今改めて作品を見直してみると、ヘア・スタイルも思ったより違和感がなく、役柄も魅力的です。
ストーリーも面白く、肩肘張らずに楽しめる娯楽作品です。
とりわけ、父親のようにドロンを育てた元大物ギャングとのエピソードが感動的。

仲間のギャングたちも容姿、演技ともに良く、ドロンの相手役のニコール・カルファンもなかなかいいです。
こころなしかあの『ボルサリーノ』を彷彿とさせる軽やかな音楽(カルロ・ルスティケリ)も映画によく合っています。

ジャック・ドレー監督の『ポーカーフェイス』を国内盤DVD(パイオニア)で観た感想です。

bd9ad327.jpegTROIS HOMMES A ABATTRE』(80年)
監督:ジャック・ドレー
製作:アラン・ドロン
原作:ジャン=パトリック・マンシェット
脚本:アラン・ドロン、ジャック・ドレー、クリストファー・フランク
撮影:ジャン・トゥルニエ
音楽:クロード・ボラン
出演:アラン・ドロン、ダリラ・ディ・ラッツァーロ、ミシェル・オークレール

初見。
いわゆる巻き込まれ型サスペンスもので、アラン・ドロンが製作、脚本、主演を兼ね、お馴染みのジャック・ドレー監督と組んだ作品。

ストーリーは、武器産業のスキャンダルの絡んだ殺人事件にたまたま居合わせてしまったために、秘密を知ったと思われたアラン・ドロンが組織から命を狙われてしまうというもの。

観ている間は、正直その設定に少々無理があるような気がしてなりませんでしたが、内容はなかなか面白かったです。
輝かしい作品の数々が並ぶアラン・ドロンの主演作の中では、傑作とまでは言えないまでも、佳作の部類に入る作品と言ってよいのではないでしょうか。

前半はアラン・ドロンの存在感がどこか今一つのように見えましたが、拳銃を手にした後半からは精彩が出てきていかにも彼らしい存在感を発揮しています。
役柄としては、ドロン自身意識していたかどうか分かりませんが、どちらかというとジャン=ポール・ベルモンドが得意とする役柄に近い印象を持ちました。

それと、この映画は、脇役になかなか味のある俳優が揃っています。
ミシェル・オークレールは、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『情婦マノン』(49)に主演していた俳優ですが、風貌がいかにも渋い感じになっていて魅力的でした。
メルヴィル監督の『影の軍隊』(69)に出演していたクリスチャン・バルビエがリエタール役で出演、出番こそ少ないものの、なかなか存在感のある演技を披露しています。
他に、愛人役のダリラ・ディ・ラッツァーロも悪くなかったですし、刑事役の俳優や、武器会社の社長役の俳優(『Z』にも出ていた俳優)など、地味ですが魅力的でした。(こういった俳優の名前がDVDの解説に掲載されていないのは残念です)

また、クロード・ボランの音楽は、この作品ではクラシカルな響きが特徴となっています。

国内盤DVDの画質は、レンタルビデオ並みといえば言い過ぎでしょうが、80年という年代を考えればかなり不満でした。

カテゴリーに“ジャック・ドレー”追加しました。

ジャック・ドレー監督の『ボルサリーノ2』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

image79.jpgBORSALINO AND CO.』(74年)
監督:ジャック・ドレー
製作:アラン・ドロン
脚本:パスカル・ジャルダン
撮影:クロード・ボーゴアン
音楽:クロード・ボラン
出演:アラン・ドロン、リカルド・クッチョーラ、カトリーヌ・ルヴェル、ダニエル・イヴェルネル、アントン・ディフリング 
 
初見。
アラン・ドロンの主演作としてはメジャーな方の作品だと思うのですが、どういうわけか、これまで観る機会がありませんでした。
個人的にはジャン=ポール・ベルモンドと共演した『ボルサリーノ』(70)がもう一つツボにハマらなかったせいもあり、その続編ということもあって敬遠していたのかもしれません。
この度、紀伊国屋書店から国内盤DVD(ニューマスター)が再発されましたので、これを機会に観てみました。

ここに『ボルサリーノ』の明るさはありません。
カペラ(ベルモンド)の葬儀から始まるこの作品は、映画全篇を暗く重い雰囲気が覆っており、内容もギャング同士の復讐をとことん描いています。
その分、ストーリーにどこか奥行きというか深みが無いきらいがありますが、ギャング役のアラン・ドロンがとにかく魅力的で、その表情や佇まいを観るだけでも充分に価値のある作品だと思います。
ストーリーも大変分かりやすく、映画のテンポも良いので、その点でも観る者を惹きつける魅力に溢れています。

image81.jpgドロンに対するギャングは、メルヴィルの『リスボン特急』(72)でもドロンと共演していたリカルド・クッチョーラ
クッチョーラは体格も小柄であり、押し出しのそれほど強い俳優ではないので、ドロン相手ではさすがに分が悪いと思っていたのですが、なかなかどうして表情の演技が絶妙に巧く、ギャング役を見事に演じていました。
これは少々意外でしたが、嬉しい誤算。

ドロンの愛人役のカトリーヌ・ルーヴェルは、ジャン・ルノワール監督の『草の上の昼食』(59)やジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『めんどりの肉』(63)でも知られるグラマー?女優ですが、その頃よりずっと年を取っているはずなのに、かなり若く見えて魅力的でした。
出番は少なめなのが少々残念ですが、ドロンとの再会のシーンでの笑顔がいいですね。

他には、ファンティ警視を演じたダニエル・イヴェルネルが、なかなか魅力的な存在感を発揮していました。

image80.jpgあと、ラストの船のシーンで、バーテンダーに出ている俳優は、クレジットはないようですが、メルヴィル作品の常連だったピエール・ヴォディエだと思います。(ピエール・ヴォディエについてはこちらを参照)

ちなみに、ピエール・ヴォディエは、アラン・ドロンが出演したメルヴィル作品『サムライ』『仁義』『リスボン特急』にはいずれも出演していますが、意外にもドロンと直接絡むシーンはありませんでした。
もしかしたら、この二人が直接絡んだ作品は、この作品が唯一かもしれません。

作品を彩るクロード・ボランの音楽は、『ボルサリーノ』を彷彿とさせるサウンドで、重苦しい映画のトーンからは少々浮いている感もなくはありませんが、やはりこれは理屈抜きで魅力的。

気になるDVDの画質ですが、ニューマスターと謳っている割にはまずまずといったところでしょうか。
特別画質が良いという印象もありませんが、大きな不満があるわけでもありません。

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マサヤ
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フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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