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ルイ・マル監督の『地下鉄のザジ』と『さよなら子供たち』のBlu-rayが7月27日にKADOKAWAから発売されます。(DVDも同時発売)

どちらも初の国内Blu-ray化。
地下鉄のザジ』は1985年TV版吹替音声を初収録とのこと。
こちらも
Blu-rayDVDの価格差は約3倍です…。

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ジャンヌ・モロー追悼という意味合いもこめてルイ・マル監督の『ビバ!マリア』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

ジャンヌ・モローといえばどこか不機嫌そうな表情が印象深かったりするのだが、実は笑顔が大変チャーミングな女優であったと思う。
この映画は彼女のそんな表情が数多く記録されている貴重な作品。
時期的に30代後半の頃の映画だが、まだまだキレイだ。

それにしても、この映画でブリジット・バルドーとのスター女優同士の共演が実現したことは奇跡と言ってよい気がする。
しかも、映画自体、二人の持ち味を充分に活かした作品に仕上がったのは何より。
フランス映画という枠組みの中でのライバルの共演という意味では、アラン・ドロンジャン=ポール・ベルモンドが共演した『ボルサリーノ』(70)を想起する人も多いかもしれない。

特に中盤以降はかなりのドタバタアクションだが(相当お金もかかっていそう)、二人のまるで姉妹のような容姿も印象的で、痛快娯楽作としての魅力は充分。
撮影アンリ・ドカ、音楽ジョルジュ・ドルリューと当時のフランス映画最高のスタッフを揃えながら、ルイ・マル監督がここまでエンターテインメントを極めた映画を撮っていたことに今更ながら驚かされる。

デジタル・ニューマスターという国内盤DVD(廃盤?)の画質も極めて良好。

ルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』を国内盤ブルーレイで観た感想。

再見。
この映画は、今さら言うまでもない名作ということもあってか、これまで何度もDVDで再販されている。
今回いよいよBlu-rayでの発売となったわけだが、映画を観た感想については、以前書いたものとほとんど変わらないことに我ながら驚いてしまった。
以前書いた感想

もちろん、Blu-rayの画質はすばらしく、その点に関しては何の不足も感じない。
ただ、これまでのDVDでもそれなりの高画質で観てきたせいか、思ったよりBlu-rayの有り難味を感じなかったというのもまた正直なところである。

ルイ・マル監督の『さよなら子供たち』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

AU REVOIR LES ENFANTS』(87年)
監督・脚本:ルイ・マル 
撮影:レナート・ベルタ 
音楽:フランツ・シューベルト、サン=サーンス 
出演:ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット、スタニスタス・カレ・ド・マルベール、フィリップ=モリエ・ジェヌー、フランソワ・ベルレアン、イレーヌ・ジャコブ

初見。
第2次大戦中のナチスドイツ占領下のフランスの寄宿舎が舞台。
ルイ・マル監督の個人的体験を元にした自伝的な映画であり、監督自身、本来は処女作として撮りたかったというくらい思い入れの強い題材だったという。
画面はカラーであるにもかかわらず暗く沈んだ色調で、その時代の怖い空気、雰囲気を観る者にも強く印象付けている。(今回観た紀伊国屋のDVDはHDニューマスターを謳っているわりには画質があまり明瞭でないが、もともとそういう画質なのだろうか?)

内容は抑制された演出の中、ドキュメンタリータッチで淡々と進行してゆく。
無名時代のイレーヌ・ジャコブがちょい役のピアノ教師役で出ているくらいで、華やかなシーンも全くと言ってよいほどない。
全編に渡って、監督が愛情を込めて丁寧に撮っている映画という印象が強いが、内容的には退屈に感じる人も少なくないだろう。

ところどころで使われるシューベルト『楽興の時』第2番が映画の雰囲気にピッタリはまっていて、この音楽が流れるシーンはいずれも感動的。
DVDの解説(インタビュー)によれば、監督が子供時代に習っていたピアノ曲なのだという。
それにしても、ロベール・ブレッソン監督の『バルダザールどこへ行く』といい、フランス映画?にはシューベルト、それもピアノ曲がよく合う気がする。

ルイ・マル監督の『恋人たち』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

LES AMANTS』(58年)
監督:ルイ・マル
脚本:ルイ・マル、ルイ・ド・ヴィルモラン
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ブラームス
出演:ジャンヌ・モロー、アラン・キュニー、ジャン=マルク・ボリー、ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ

再見。
あの『死刑台のエレベーター』といい、この時期のルイ・マルはある種神がかっているといると言えなくもない。
とりわけ音楽の選択が見事で、『死刑台のエレベーター』におけるマイルス・デイヴィスのジャズといい、ここでのブラームス弦楽六重奏第1番の選択といい、そのセンスの良さにただただ驚くばかりである。(『鬼火』におけるサティの使い方も絶妙だった)

そして、ジャンヌ・モローの無二の存在感とアンリ・ドカのいくら絶賛してもし過ぎることのない素晴らしい撮影。
クライマックスの夜のシーンは実際は昼に撮ったなんて話もあるが、そのつもりで観ると確かにそう見えなくもない。
どちらにせよ、ここでの撮影技術が見事であることに変わりない。
出演者の少ない映画だが、ジャンヌ・モローの夫役のアラン・キュニーを初めとする男優陣もいい。

そして、この映画の国内盤DVDについてだが、私が観た紀伊国屋盤はすでに廃盤、現在ではIVCから新たな国内盤が発売されている。
IVC盤はHDリマスターと謳っているが、紀伊国屋盤に比べ画質的にどうなのだろうか。

ルイ・マル監督の『鬼火』を久々に観たので、その簡単な感想。

image133.gifLe Feu follet』 (63年)
監督:ルイ・マル
撮影:ギスラン・クロケ
音楽:エリック・サティ
出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー他

紀伊国屋書店から出ているDVDで観たが、画質はとても良い。
DVDの時間は104分だが、実際は108分のようなので、PALマスターが使われている可能性が高い。
DVDのパッケージにもリーフレットにもその記述はないが。

物語はシンプル極まりない。
アルコール依存症で精神病院に4ヶ月入院していた男の最後の二日間を追った映画。
暗いといえば暗い映画だが、その暗さが魅力となる映画はそう多くないだろう。
メルヴィルの『サムライ』なんかもそういった映画の一つかもしれないが、フランス映画にそういった映画が多いのはなぜなのだろうと考えたりもする。
それらは、ある意味、キザったらしい映画だとも言えるが、決してそこに堕してはいないと思う。

正直言って、眠気を誘うシーンがなくはないのだが(私の体調のせいもあるけど)、作風にはマルの師匠でもあるロベール・ブレッソンの影響が強く窺える作品でもある。

この作品のレビューをキチンと書こうとするならば、主人公の心理だとか、作品の理論的な分析が必要なのかもしれないが、正直そういった側面にはさして興味もないし、そもそも分析能力も持ち合わせていないので、映画の表面的なことばかり書くことにする。

若い頃なら、主人公の心理にもっと共感して観たような気もするのだが、今はそういう意識ではほとんど観ていない。
それでも、この映画は充分に魅力的。
この映画の撮影のために20キロも減量したというモーリス・ロネの演技が、主人公になりきっていて(外見も含め)魅力的だからだが、その友人たちもあまり有名な俳優、女優は出ていないものの、どれも個性的で魅力的に見える。
ジャンヌ・モローはチョイ役ながら印象的。

また、ギスラン・クロケによるモノクロ映像が大変素晴らしい。
なんというか、映像に他の映画ではあまり味わえないような生々しい感触がある。
ほとんどがパリのロケーション撮影で、ゲリラ的に撮影されたシーンもあることが、映像に映っている周囲の人々の反応でも窺える。

そして、エリック・サティの音楽の使い方が絶妙に巧い。
ところ構わず使うのではなく、本当にここだというところに使われているように感じる。
先日取り上げた『死刑台のエレベーター』でのマイルス・デイヴィスの起用、また『恋人たち』におけるブラームスの音楽の使用もそうだが、この頃のルイ・マルの音楽の選択の才能はある種天才的と言えるかもしれない。

あと、この映画の助監督はフォルカー・シュレンドルフ(『モラン神父』『いぬ』の助監督)。

f8509fd4.gifルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』(57)を久々に観直しました。
観たのは先日購入した紀伊国屋書店のDVDです。

このDVDは、ニューマスターを謳っていますが、画質はベストとは言えないまでもまずまずの仕上り。

この作品を観たのは今回で3~4回目ぐらいでしょうか。
当然結末は分かっていますが、それでも充分楽しめました。
キャストの魅力、無駄のない絶妙なまでの展開など、今さら言うまでもないことですが、改めて傑作だと感じました。

今回観て気に入ったシーンをいくつか。

エレベーター内のモーリス・ロネがタバコの箱に火をつけ、エレベーターの高さを調べるために、下に落とすと、火のついたタバコの箱がゆらゆら落ちていくシーン。

高速道路のシーンすべて。

ジャンヌ・モローの独特の歩き方。

殺人事件を描いた映画なのに、殺人シーンをあからさまに描いていないこと。

出番は必ずしも多くないものの、刑事役のリノ・ヴァンチュラの皮肉が効いた存在感。

モーリス・ロネの男前ぶり。

などなど…です。

マイルス・デイヴィスの音楽も有名ですが、彼によるこの映画のサントラは、マイルスの多くの名盤中でもとりわけ好きなものの一つです。
アンリ・ドカによる素晴らしい映像美も堪能しました。

なお、以前このブログでも紹介した、この作品に関連するルイ・マルのインタビュー記事はこちら

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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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