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INAで公開されている『ギャング』の撮影風景です。
あの伝説的なホールドアップのシーンの撮影現場ですが、リノ・ヴァンチュラレイモン・ペルグランが仲良くタバコを吸う姿、蝶ネクタイ姿の相変わらずダンディーなメルヴィルの姿を見ることができます。
30秒と短いのが残念!

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先月『サムライ』のBlu-rayとDVDが発売され、積年の夢が一つ叶ったという思いでいっぱいなのですが、メルヴィル・ファンにはまだ叶っていない夢があります。
言うまでもなく『ギャング』の国内盤Blu-ray、あるいはDVDの発売です。

ギャング』(66年)は『サムライ』(67年)の前年に撮られた、まさにメルヴィル絶頂期の作品であり(『ギャング』『サムライ』『影の軍隊』『仁義』と続く60年代後半のフィルモグラフィーは圧巻)、御覧になったことのある方はお分かりだと思いますが、『サムライ』に匹敵する、いや、ある意味では凌駕する大傑作です。

『サムライ』とは対照的な2時間半にも及ぶ大作であり、登場人物も多いのですが、内容の密度の濃さ、面白さは全く引けをとりません。
なにより、アラン・ドロン自身が、『ギャング』を観てメルヴィルの映画に出たいと思ったというくらい素晴らしい作品なのです。
キャスティングも、リノ・ヴァンチュラポール・ムーリッスを始め、脇役に至るまで、よくぞ揃えた!と感嘆する他ないほど、メルヴィル映画にピッタリなメンツが揃っています。

もっとも、『ギャング』は世界的にもあまりソフト化に恵まれているとは言いがたく、本国フランスや米クライテリオンからDVDは発売されていますが、いまだにBlu-rayは発売されておりません。
それだけに、日本におけるソフト化はハードルが高そうですが、『サムライ』のBlu-rayとDVDが発売され、ブレッソンの『白夜』が日本だけでBlu-rayが発売される時代ですから、いやが上にも期待が高まります。

現在、日本国内で『ギャング』を観る方法は、amazon等を利用して海外からDVDを取り寄せるか、昔発売されていた国内VHSをamazonやレンタル店等で見つけるか、ヤフオクで手に入れるくらいしかありません。
もちろん、日本語字幕付きで観るにはVHSを探すしかありません。
私がこのブログを始めた頃はまだ入手しやすかったのですが、現在はかなり厳しい状況のようです。

このメルヴィルの真髄を味わえる傑作が観られないのは映画ファンの大損失です。
この状況から一日も早く脱することができますよう、販売元の皆様、どうぞよろしくお願いいたします!

『ギャング』予告編(必見!)



ventura.jpg9月18日に池袋・新文芸坐にてジャン=ピエール・メルヴィル監督の『ギャング』(66年)が上映されます。
上映時間は 13:35/16:25/19:15 の3回。

今回の『魅惑のシネマクラシックス Vol. 12』と題された新文芸坐の特集上映では、他にも『ゲームの規則』『ベラクルスの男』『殺られる』などフランス映画の名作や『白夜』『熊座の淡き星影』のヴィスコンティ作品が上映予定。

9月23日にはメルヴィル監督の『恐るべき子供たち』も上映されます。
特集上映の詳しいスケジュールはこちら

ギャングの予告編です。(英語字幕付き)
言うまでもなくメルヴィルの大傑作ですが、この予告編だけでもしびれますね。

11月22日に東京フィルメックス(会場:有楽町朝日ホール)で上映されたジャン=ピエール・メルヴィル監督の『ギャング』(66)について。

この作品はレンタルビデオはありますが、国内DVD化もされておらず、こうしてスクリーンで観る機会も滅多にないので、今回は実に貴重な機会でした。

作品の素晴らしさは今更言うまでもありませんが…残念なことに今回は字幕にかなり問題がありました
誤字脱字、人名表記の不徹底がところどころに目に付いた上、ポール・リッチとジョー・リッチ兄弟が、時に兄になったり弟になったり…どっちが兄でどっちが弟なんだよ!?とツッコミを入れたくなったのは私だけではないはず。(ちなみに原作ではジョーの方が兄、映画では常識的に考えてポールの方が兄でしょう)

他にも、プラチナ強盗の話をテオから持ちかけられたギュが仕事を受ける決断をするシーンでは字幕が(何度も観ている私にも)意味不明でした。
初めて観た方は何がなんだか分からなかったのではないでしょうか。

フィルメックスのパンフによれば、今回上映されたプリントは88年に『フィルム・ノワール映画祭』で『ギャング』が上映された際のプリントだそうで、今回特に手直し等もなく、そのまま上映してしまったものと思われます。

ちなみに、『ギャング』のVHSビデオ(東北新社)の字幕と今回のプリントの字幕はほぼ同一。
ただし、ビデオの方は誤字脱字、人名表記等もキチンと直してあります。
おそらくビデオの方が『フィルム・ノワール映画祭』よりも後に作られたのでしょう。

プリントの状態はまずまず。
これもCriterion盤DVDなどと比較すれば正直なところ、かなり不満はあります。
いつかはもっと状態の良いプリントで観たいものです。

それはそうと、広い客席は『モラン神父』の時以上に満杯に近く、ファンとしては嬉しかったですね。

image139.gif11月には初の国内盤DVDとなる『リスボン特急』、12月には新国内盤DVDとなる『いぬ』の発売と、年末にかけてメルヴィル作品のDVD発売が相次ぎますが、米Amazonに予約注文していたCriterion盤『いぬ』『ギャング』のDVDがようやく届きました。

今回は、主に『ギャング』について。
言うまでもなく、『ギャング』のCriterion盤発売はメルヴィル・ファンにとって大きなニュースです。
これまで英語圏では『ギャング』のDVDは未発売でしたので、英語字幕の入った『ギャング』のDVDは、今回が初めての発売となると思われるのです。
今回のCriterion盤の発売により、『サムライ』『影の軍隊』『仁義』など後の作品に比しても全く引けを取らない傑作である『ギャング』が、世界的に再評価される可能性も高いのではないでしょうか。
ひいてはメルヴィル監督の再評価にもつながることも大いに期待されます。

ところで、この2枚のCriterion盤DVDは、都内の輸入DVD店では1週間ほど前からすでに発売されていて、某ショップでは価格は4900円ほどでした。
今回私は米Amazonで購入したわけですが、DVD1枚の価格が$27・99、郵送料が$10・97、合計$66・95かかった計算になります。
日本円にして7千円程度でしょうか。
国内で購入していれば、1万円ほどはかかったはずですので、安く収まった方だといえるでしょう。

気になる内容ですが、『ギャング』だけ本編の冒頭10分ほど観ました。
さすがにCriterion、画質は優れています。
気になるのは、『ギャング』のパッケージに、本編の時間が144分と表示されていることです。
国内盤VHSでは150分ほどだったと思います。
あのルイ・ノゲイラ著『サムライ』でも150分となっています。
気になって、私が持っている仏盤DVD(Rene Chateau盤)を調べてみましたら、140分となっています。
Criterion盤DVDのパッケージの裏には、“Under exclusive license from editions Rene Chateau.”と記されていますので、内容はRene Chateau盤と変わらないと思われます。
このあたりの謎に関しては、また改めて確認の必要がありそうです。

もっとDVDの内容を紹介したいところなのですが、このところ、仕事がますます立て込んできまして、なかなかゆっくりと内容を確認する時間もありません。
また、リージョン問題の事情もありまして、映像をパソコンでキャプチャーすることもすぐにはできません。(上の画像はRene Chateau盤をキャプチャーしたもの)
画質、特典内容等につきましては、またきちんと紹介する機会を作りたいと思います。

18364318.jpgINA(フランス国立視聴覚研究所)では10万本に及ぶ大量の映像を無料にてネット公開していますが、メルヴィル関係のものもいろいろ公開されています。(長いものを全部観たり、ダウンロードするのは有料です。)
久々に覗いてみましたら、今まで見たことのない映像もいくつか見受けられました。
これから何回かに分けて、それらを紹介していきたいと思います。
(視聴するにはQuickTimeをダウンロードしてある必要があります)

今回は『ギャング』のメイキング映像を紹介します。
リンクはこちら

4分弱の短い映像ですが、映画のマルセイユにおけるラストシーンの撮影現場のようです。
そして、メルヴィル監督、リノ・ヴァンチュラ、ポール・ムーリッスの3人のインタビューも観られます。
あまり仲のよろしくなかったといわれるメルヴィルとヴァンチュラが、仲良く(?)並んでインタビューを受けている映像は極めて貴重です。
ポール・ムーリッスも加え、3人が並んだ様は映画の一場面のように迫力充分ですが、メルヴィル監督の貫禄は他の二人に全く引けを取っていません(笑)。

先日、『ギャング』の原作『おとしまえをつけろ』(ジョゼ・ジョヴァンニ著 岡村孝一訳
早川書房)を読み終えましたが、小説そのものの面白さはもちろんのこと、小説の役柄のイメージと、メルヴィル版映画の俳優のイメージの違いなど、読んでいてとても興味深く思いました。

この作品はこの度、アラン・コルノー監督、ダニエル・オートゥイユ主演でリメイクされ、フランスでもこの10月に公開になりますが(公式サイト)、1966年に撮られたメルヴィル版は、映画の完成までに紆余曲折あり、最終的に完成した映画は、当初予定だったキャスティングとは大きく異なるものとなったのです。

もともとメルヴィルが1964年に映画化する予定だった際のキャスティングは主に次のようなものでした。

ギュ セルジュ・レジアニ
マヌーシュ シモーヌ・シニョレ
ブロ警部 リノ・ヴァンチュラ
ジョー・リッチ ロジェ・アナン
オルロフ ジョルジュ・マルシャル
ポール・リッチ レイモン・ペルグラン
アントワーヌ ピエール・クレマンティ

俳優との契約も既に結ばれていたにもかかわらず、ある事情によって、この計画は流れてしまいます。
メルヴィルは、一旦この映画の話からは外れることになり、次にこの映画を監督することになったのはドニ・ド・ラ・パテリエールでした。
パテリエール監督版では、主演俳優が代わります。

ギュ ジャン・ギャバン
ブロ警部 リノ・ヴァンチュラ

残念ながら、他のキャスティングは分かりません。
一つ分かっていることでは、ドニ・ド・ラ・パテリエール監督は、アントワーヌ役に、メルヴィル版と同じピエール・クレマンティをキャスティングしようとしましたが、クレマンティに「いえ、私はメルヴィル氏の映画に出るはずでしたので、あなたの映画にはこれっぽちも出ようとは思いません」と断られたというのは有名な話です。
当然のことながら、メルヴィルは、クレマンティの態度を高く買いました。

そんなこんなで、どういう事情があったのかは分かりませんが、パテリエール監督版の話も流れてしまい、再びメルヴィルに監督の話しが廻ってきます。

実際に1966年にメルヴィル監督版で映画化された際のキャスティングです。

ギュ リノ・ヴァンチュラ
マヌーシュ クリスチーヌ・ファブレガ
ブロ警部 ポール・ムーリッス
ジョー・リッチ マルセル・ボズフィ
オルロフ ピエール・ジンメル
ポール・リッチ レイモン・ペルグラン
アントワーヌ ドニ・マニュエル

メルヴィルが再び監督をすることが決まったのは撮影の直前(4日前とか)だったらしく、このキャスティングにどれだけメルヴィルの意向が働いているのかは分かりませんが、当初(1964年)の予定とかなり異なっていることから想像しますに、実際はあまりかかわっていないのかもしれません。
アントワーヌ役がピエール・クレマンティではなく、ドニ・マニュエルになっているのは、クレマンティが他の映画の撮影(おそらくルイス・ブニュエル監督の『昼顔』)で、スケジュールが空いていなかったためとのことです。

面白いのは、ギュ役が、それまでずっとブロ警部の役の予定だったリノ・ヴァンチュラにふられていることです。
実際、小説版を読みますと、ギュは50歳以上というの設定で、周囲から“おやじ”“老いぼれ”呼ばわりされており、当時では、ヴァンチュラよりもセルジュ・レジアニが、そして、レジアニ以上にジャン・ギャバンが一番小説のイメージには近い気もします。
完成した作品を観ますと、メルヴィルはその年齢の設定そのものや、役柄のイメージも原作とはあえて変えて撮ろうとしたようにも思われますが、メルヴィルと組んだジャン・ギャバンというのも一度は観てみたかった気がしますね。
二人の関係は、おそらく上手くいかなかったでしょうが。(笑)

マヌーシュは、原作では超美人のグラマーという設定でして、メルヴィルが64年に予定していたシモーヌ・シニョレは、若かりし頃はともかく、当時ですと、年齢的、ビジュアル的に正直どうかな?という思いもします。(笑)
その時点では、ギュ役はセルジュ・レジアニの予定であり、あのジャック・ベッケル監督の『肉体の冠』を彷彿とさせるコンビ復活という狙いもメルヴィルの頭の中には当然あったことでしょう。

そういう意味では、実際に66年に映画化された際のクリスチーヌ・ファブレガの方がずっと原作の役柄のイメージに近かったといえるでしょう。
原作には色っぽいシーンもふんだんにあるのですが、メルヴィル版映画ではそういったシーンがほとんど描かれていないのはメルヴィルらしいと言えるでしょうね。
それでも、今度のリメイク版では、マヌーシュ役がモニカ・ベルッチと聞いて、原作を読む前は正直違和感があったのですが、原作を読んでみると、なるほどなぁーと納得してしまいました。(笑)
ところで、原作によれば、マヌーシュの本名はシモーヌといい、マヌーシュという名前は渾名で、意味は“ジプシー女”というのだそうです。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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