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アート・ペッパーの2度目の来日となった78年の日本ツアー最終日、山形でのライヴをCD化したアルバム『ノット・ア・スルー・ストリート~アート・ペッパー・ライブ・イン・ヤマガタ‘78』。
これは選曲も良く、個人的に最高の演奏と評価している77年のヴィレッジ・ヴァンガードのライヴと並んで愛聴しているCDである。

ペッパーの晩年のライヴ盤は演奏は素晴らしいものが多いが、個人的には選曲に問題がある気がしてならない。
例えば、晩年よく取り上げた『マンボ・デ・ラ・ピンタ』や『ベサメ・ムーチョ』のようなラテン風味の曲は個人的にあまり好まない。
このライヴにも『ベサメ・ムーチョ』は収録されているが、『マンボ・デ・ラ・ピンタ』ほど抵抗感はなく、演奏もまずまず。
むしろ、『マイ・ローリー』、『思い出の夏』といったブルージーなバラード・ナンバーが最高である。
ことに『マイ・ローリー』の、徐々に盛り上がっていって後半の怒涛のクライマックスに至る感動は筆舌に尽くしがたい。
極論を言えば、この1曲だけでもこのアルバムを購入する価値がある。

ツアー最終日とあってか、バンドのまとまりも良く、とりわけピアノのミルチュ・レビエフの才気に満ちた演奏は印象的。
 
廃盤であるため、現在入手しずらいアルバムの一つだが、後期ペッパーに関心のある人には是非とも一聴をお勧めしたいアルバムである。

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returnofartpepper.jpg今回は一般的にペッパーの最盛期とされる50年代の録音から。
とりわけペッパーは56~57年ごろに神がかり的な優れた録音を数多く残しているが、今回は56年録音の『ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー』。

1.ペッパー・リターンズ 2.ブロードウェイ 3.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド 4.エンジェル・ウィングス 5.ファニー・ブルース 6.ファイヴ・モア 7.マイノリティ 8.パトリシア 9.マンボ・デ・ラ・ピンタ 10.ウォーキン・アウト・ブルース

アート・ペッパー(as)、ジャック・シェルドン(tp)、ラス・フリ-マン(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)。1956年LA録音。Jazz West Records

ジャック・シェルドンとの二菅によるクインテット編成だが、ウェスト・コースト・ジャズらしい明るく溌剌とした呼吸感がなんとも魅力的な録音だ。
以前からよく聴いているアルバムだが、今回改めて聴き返してみて素晴らしさを実感した。

サポートメンバーもベスト。
とりわけリズム・セクションが素晴らしく、ルロイ・ヴィネガーシェリー・マンはウエスト・コースト・ジャズ最高のリズム・セクションだと思う。
特にこの盤ではルロイ・ヴィネガーの黒人らしい推進力の強いベースランニングがなんとも心地良い。

当然のことながら、ペッパーも快調。
後期の演奏を知っている者としてはその音色とフレージングにどこか甘さを感じてしまうのは確かだが、だからこそ魅力的と感じられる人も多いだろう。
楽曲も、後に何度も録音を重ねるペッパー・クラシックスとでも言いたい粒ぞろいの楽曲がそろっており、『ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド』、『パトリシア』などのバラード曲の魅力も格別。

盟友ジャック・シェルドンのトランペット・ソロは派手さはなく、いかにも地味だが、ペッパーのアルトとの音色の相性が良く、アンサンブルも見事だ。

today.jpgアート・ペッパーは一番好きなジャズ奏者の一人だが、ここ数年あまり聴く機会がなかった。
ところが、最近またよく聴くようになったので、所有CDの中から好きなものそうでないものも含め20枚程度はこれから紹介していけたらと思う。
今回取り上げるのは『トゥデイ』。

ART PEPPERTODAY』(78年)
アート・ペッパー(as)、スタンリー・カウエル(p)、セシル・マクビー(b)、ロイ・ヘインズ(ds)、ケネス・ナッシュ(perc)
1.ミス・フー? 2.マンボ・コヤマ 3.恋人よ我に帰れ 4.パトリシア 5.ジーズ・フーリッシュ・シングス 6.クリスズ・ブルース 7.ジーズ・フーリッシュ・シングス(別テイク)

ギャラクシー・レーベル移籍第一弾であり、70年代のペッパーでは比較的評価の高いアルバムと思われる。
事実、ここでのペッパーのプレイはきわめて快調で、とにかく楽器の鳴りが素晴らしい。

サイドメンの演奏も充実している方だろう。
スタンリー・カウエル(p)との共演は珍しいが、相性もまずまず。
ミス・フー?』『恋人よ我に帰れ』といったアップテンポの曲もいいが、欲を言えば、アルバム全体としてこぎれいにまとまっている感じで、後期ペッパーのアルバムとしては微妙な物足りなさが感じられるのも確かである。
他の楽曲では、バラードの『パトリシア』が格別の出来で、復帰後のペッパーを聴く醍醐味がここにある。

nolimit.jpg好きなジャズCDということで、アート・ペッパーノー・リミット』のご紹介。

1. リタ・サン  2. バラッド・オブ・ザ・サッド・ヤング・メン  3. マイ・ローリー  4. マンボ・デ・ラ・ピンタ  5. ノー・リミット (ボーナス・トラック)
アート・ペッパー(ts,as)ジョージ・ケイブルス(p)トニー・ デュマス(b)カール・バーネット(ds)
1977年3月26日録音 CONTEMPORARY

アート・ペッパーが70年代に復帰した後にコンテンポラリー・レーベルで録音された3部作の最後の作品。
久々に聴き直したら、あまりの良さにビックリ。
それ以来、もう数えきれないほど聴き返している。

オープニングのブルージーな『リタ・サン』もいいが、『バラッド・オブ・ザ・サッド・ヤング・メン』『マイ・ローリー』という2曲のバラード・ナンバーが最高に素晴らしい。
バラードとはいっても、ペッパーの演奏は力強さに溢れ、決して湿っぽくならない。
それにしても、なんという意味深い音の連続だろう。
入魂の、というような言葉は時として陳腐にも響くことがあるが、こういった演奏にこそ相応しい。

ボーナス・トラックの『ノー・リミット』も、どうしてアルバムから外されたのか不思議なほど見事な演奏である。
これだけ聴いていてもこれぞペッパーのベスト・トラックではないかと思ってしまうほど。
ちなみに同年録音の『ヴィレッジ・ヴァンガード』のライヴ盤にも『ノー・リミット』は収録されていたが、胸のすくような快演であった。

やはり、ペッパーは70年代に復帰して以降の演奏が最高だと思う。
綺麗事でない、本当の凄味、心の裏付けを感じる演奏ばかりである。
ダマされたと思って一度聴いてみて欲しい。

ucco9911.jpgアート・ペッパーの77年のNYヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ盤が国内盤CD4枚バラ売りで久々に再発されたので(『ユニバーサルJAZZ THE BEST \1100 バイ・リクエスト50』シリーズ)、まずはその中から『サーズデイ・ナイト・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード+1』と『サタデイ・ナイト・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード+1』の2枚を購入して聴いてみた。

概してアート・ペッパーは50年代の演奏ばかりが人気あり、70年代に復活してからは芸風が変化したこともあり、顧みられることは多いとは言えない。
私個人はどちらの時代のペッパーも好きだが、70年代のペッパーは50年代以上に楽器の鳴りが素晴らしいし、演奏にも深みが増したと高く評価している。
特に、このヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴは、アート・ペッパーとしても、ヴィレッジ・ヴァンガードにおけるジャズのライヴ盤としても、まずは最高の内容である。

もともと、このライヴは、CD初期には輸入盤で今回のように4枚のCDに分けてバラ売りで発売されていたが、国内盤ではまとめて4枚組、それ以降は未発表音源も加え、9枚組のCDボックスにコンプリート化されて発売されていた。
私も以前はボックスを所有していたクチだが、お世辞にもちゃんと聴いていたとは言いがたい。
というのも、これに限らないことだが、ボックスは概して聴かないものなのである。
いや、たとえ聴いても、聴くこと自体が目的化し、音楽そのものにじっくり浸ろうというふうにはなかなかならない。
あまりに分量があるために、枚数を“こなし”、聴いたという事実だけで満足してしまうのである。
それでも、このライヴの印象が強烈だったのは、やはり演奏があまりに素晴らしかったからだ。

今回の発売はCD初期の輸入盤と同じ4枚バラ売りである。
9枚組ボックスに比べ、マスタリングなどの表示がないので、音質的には評価が難しいが、一枚一枚買ってじっくり聴いてみるにはかえって好都合であるし、当然のことながら価格の安さも魅力的である。

そして、このライヴの大きな魅力は、共演者がジョージ・ケイブルス(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)と最高のメンツである点。
実際、彼らの演奏は例えようもないほど見事だ。

特に絶品というべきがジョージ・ケイブルスのピアノで、随所で聴かれるソロはどれも素晴らしいし、ジョージ・ムラーツのベースとの絡みはジャズの醍醐味を堪能させてくれる。
エルヴィン・ジョーンズのドラムは、その二人に比べれば意外と目立たないが、その存在感、スケールの大きさはやはり余人に替えがたいものがある。

そして、なんといっても、ペッパー本人のプレイが実に感動的
特に、『サーズデイ・ナイト・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード+1』においては、1曲目『悲しきワルツ』から2曲目『グッドバイ』、3曲目『ブルース・フォー・レス』という流れが最高に素晴らしい。

ここまでサックスの“音”が哀感をもって聴く側の心に迫ってくる演奏が他にどれだけあるだろうか。
ジャズを通して男の哀愁とか、男のダンディズムとかに触れたかったら、是非ともこれを聴いて欲しい。
これらを聴いていると、これが人生これがジャズだ、とキメぜりふの一つも言いたくなってしまう。

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フランス映画、ジャズ
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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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