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インフル休暇中に観たミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画、最終章は『欲望』(66年)。

アントニオーニ作品の中で特に好きなのは、なんといってもモニカ・ヴィッティが主演した『情事』とか『太陽はひとりぼっち』とか『赤い砂漠』といった作品であるが、これらの作品はこれまでも何度も観ているので、新鮮さという意味では劣る。(『赤い砂漠』だけ国内盤ブルーレイが出ていないが、是非ともブルーレイで観たい作品だ)

それらに比べると、『欲望』はいつ以来か?というくらい久々に観直した。
調べてみると、2004年に国内盤DVDが初めて出た時に観ているはずだから、おそらくは14年ぶりに観たということになる。

前回観た時もそれなりに面白く観た記憶があるが、今回観直して、こんなにもサスペンスフルで面白い映画だったか、とちょっと感動してしまった。
内容的にも退屈なシーンが全くなく、最後まで集中を切らさずに観られたのは自分でもビックリ。
ただ、昔観た印象では、ヴァネッサ・レッドグレイヴサラ・マイルズの出番がもっと多かった気がしたが、今回観て、二人の出番の少なさに驚いた。
それだけ印象が強かったせいだろうか。
主演のデヴィッド・ヘミングスが、いかにもイヤな感じのカメラマン役を好演している。

この映画は、ヤードバーズが出演していることでも有名だが、アントニオーニはもともとはザ・フーに出演して欲しかったらしい。
映画ではジェフ・ベックがギターを破壊するシーンを演じているが、ギター破壊といえば、やはりピート・タウンゼントだろう(笑)。
2004年にザ・フーロック・オデッセイというイベントで初来日した際、私は横浜国際総合競技場大阪ドームの2公演どちらも観に行ったのだが、横浜でピート・タウンゼントがギターを破壊した時の感動は絶対に忘れられないだろう。
しかも、その翌日、新大阪駅でザ・フーと邂逅、ピートと握手まで出来たのだ!(私の数少ない自慢の一つ)

それはともかく、この映画の国内盤DVDにはアントニオーニ研究家による音声解説も入っている。
音声解説付きでもう一度観直してみたくなった映画はこれまた久々である。
確かに訳の分からない映画だが、その分からなさが最高に面白い映画だ。

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インフル休暇に観た映画、第3弾はミケンランジェロ・アントニオーニ監督の砂丘』(70年)。

アントニオーニの主要作品はほとんど観ているが、これは若い頃一度観たきりで内容もよく憶えていない。
一般には、あのピンク・フロイドが音楽を担当していることでも有名な作品である。

もともと私はピンク・フロイドの大ファンということもあり、2009年にこの映画の国内盤DVDが出た時にはすぐさま購入したが、結局それからこれまで一度も観なかった。
理由はなんとなくつまらなそうだから(笑)。
しかし、今回観て、想像以上に面白い映画であることが分かった。

もっともピンク・フロイドの音楽はほとんど使われていない。
しかし、それはそれで気にならない。
出演者のほとんどが無名の俳優だが、彼らが想像以上に好演しているし、そのキャラクターもなかなか魅力的である。
舞台となった砂漠(映画の原題であるザブリスキー・ポイント)も印象的。
主演女優のダリア・ハルプリンはあのデニス・ホッパーと結婚していたことがあったという。

ところで、ピンク・フロイドといえば、メルヴィルの『影の軍隊』『仁義』の音楽を担当したエリック・ド・マルサンがメルヴィルとの会話の中でピンク・フロイドに言及したところ、『君はクレイジーだ!あんなのは音楽ではない!』とメルヴィルが怒ったというエピソードをどこかで読んだことがある。
ジャズ好きで有名であり、とりわけ自作の音楽にうるさかったメルヴィルだが、ロックについてどのような見識を持っていたかはほとんど知られていない。
しかし、ピンク・フロイド、とりわけその初期の音楽(アルバム『狂気』発表後約半年後にメルヴィルは亡くなっているが、おそらく聴いていないだろう)についてのこのような考え方には、メルヴィルの音楽に対するいかにも保守的な姿勢が現れていると言えるだろう。
それはそれでメルヴィルらしくて好きだが(笑)。

インフル休暇に観た映画、第2弾はミケンランジェロ・アントニオーニ監督の『』(61年)。

前回書いた『さすらい』は本当に久々に観たが、『』は折に触れちょくちょく観直している感がある。
しかし、最初から最後まで通して観たのはやはり久々かもしれない。

それにしても、この映画も本当に面白い。
マルチェロ・マストロヤンニジャンヌ・モローの夫婦役とは、今観ても凄いキャスティングだが、その二人にあのモニカ・ヴィッティが絡むという、夢の共演ずくしの映画である。
そのためか、観ていてつまらないシーンが全くなく、最初から最後まですべてが面白いという奇跡の映画である。

マルチェロ・マストロヤンニの出演作も久々に観たが、やはりこの人はカッコ良過ぎる。
ジャンヌ・モローはいかにもジャンヌ・モローといった感じの役柄(笑)。
パーティーのシーンのジャズもいい。

IVCから出ているDVDで観たが、画質はまずまず。
今度国内盤ブルーレイが出るので是非高画質で観たい映画である。

先週インフルエンザで仕事を休んでいる間、前半はさすがに何もせずに寝てばかりいたが、後半になって症状が軽くなると、無性に映画が観たくなってきた。
そこでいくつか観たいDVDをラックから選んだのだが、なぜかミケランジェロ・アントニオーニ監督のものばかりになった。
具体的には『さすらい』『』『砂丘』。
この段階では映画を一本観るのもキツイような気がしていたから、とりあえず、昔観て多大な感銘を与えられた『さすらい』を観ることに決めた。

もともとアントニオーニ監督の映画は大がつくほど好きだが、特に『さすらい』を初めて観た時の衝撃は大きかった。
アントニオーニとしては比較的初期の作品だが(57年)、風景描写の美しさは既に完成の域。
素晴らしい構図のシークエンスが頻発する。
ハリウッド俳優のスティーヴ・コクランが主演で、この人がなかなか味があって良い。
相手役のアリダ・ヴァリはどちらかというと苦手な女優だが、存在感はさすが。

今回久々に観て、昔観た時の衝撃はさすがに感じられなかったものの、それでもこの作品の面白さは充分に楽しむことができたような気がする。

IVCから出ているDVDは思ったより画質も悪くなく、今この映画を楽しむには充分。

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マサヤ
性別:
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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