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アンソニー・マン監督の『高い標的』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。

The Tall Target』(51年)
脚本:ジョージ・ワーシング・イエーツ
撮影:ポール・フォーゲル
出演:ディック・パウエル、アドルフ・マンジュー、ポーラ・レイモンド

傑作
ボルティモアでのリンカーン暗殺計画を未然に防いだ実際の事件を基にした作品で、大統領就任直前のリンカーンの暗殺を防ぐために孤軍奮闘する警官の姿が描かれている。
映画のほとんどがボルティモアに向かう寝台列車の中での出来事が描かれており、ある種の密室劇の様相を呈しているが、それだけに映画全体を貫く緊張感が半端ない。
警官役(名前がケネディ!)のディック・パウエルが渋い存在感を発揮している。

ところで、この映画はもともとジョゼフ・ロージーが監督の予定だったが、なんらかの事情でマンが代理で監督を引き受けたものらしい。
しかし、映画を観る限り、代役といった雰囲気は全く感じられず、ところどころにいかにもマンらしい演出が垣間見えるのが素晴らしい。

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アンソニー・マン監督の『仮面の女』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。

Strange impersonation』(46年)
脚本:ルイス・ハーマン
撮影:ロバート・ピタック
出演:ブレンダ・マーシャル、ウィリアム・ガーガン、ヒラリー・ブルック

面白い。
ありえない展開が積み重なった、かなりぶっ飛んだストーリー展開。
さまざまな要素がごった煮状態で入っており、とても68分とは思えないくらい中身のつまった作品。
さすがアンソニー・マンとしか言いようがない。

アンソニー・マン監督の『国境事件』(49年)を国内盤DVDで観た感想。

大傑作。
メキシコアメリカ国境を舞台にした、あたかも西部劇のような暗黒のフィルム・ノワール。
史実を基にした脚本らしいが、なにより映画として面白く出来ている。
題材からいったらそれほど好みではない気がしたのだが、観たら一気に惹き込まれてしまった。

物語の設定が以前観た『Tメン』そっくりだが(セルフリメイクと書いてる記事もある)、浸入捜査の緊張感、サスペンス感が半端ない。
夜のシーンが多い映画だが、撮影のジョン・オルトンが作り出す“闇”の魅惑がこの作品でも凄まじい。

アンソニー・マン監督の『必死の逃避行』(47年)を国内盤DVDで観た感想。

アンソニー・マンの初期監督作品で、巻き込まれ型フィルム・ノワール。
主人公(スティーヴ・ブロディ)の墓穴を掘るような行動の数々が疑問だらけなのが惜しいが、見ごたえはかなりあった。
なんといっても、敵役のレイモンド・バー(『裏窓』)の悪の凄みが効いているのがいい。
ヒロインのオードリー・ロングが美しく見もの。
彼女の出演映画を観られる機会は多いとは言えないので嬉しかった。

アンソニー・マン監督の『夜のストレンジャー』(44年)を国内盤DVDで観た感想。

アンソニー・マン監督の初期の監督作で、55分ほどの中篇。
しかし、中篇とは思えないほど見ごたえのある作品である。

ヒッチコックの『レベッカ』に似たゴシック・ホラーっぽい雰囲気を感じたが、ホラー的な恐怖こそないものの、なんとも不気味というか恐ろしい映画だ。
なんといっても、老母役のアン・オニールの醸し出す狂気が凄い。
事実上の主人公は彼女で、他の登場人物はほとんどその存在感に喰われてしまっており、主人公の軍人など顔も思い出せない。
女医役のヴァージニア・グレイは華がある。

ちなみに、タイトルはシナトラの曲とは何の関連もない。

アンソニー・マン監督の『サイド・ストリート』を国内盤DVD(ブロードウェイ『フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.1』)で観た感想。

SIDE STREET』(50年)
監督:アンソニー・マン   
脚本:シドニー・ボーム 
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ 
音楽:レニー・ヘイトン 
出演:ファーリー・グレンジャー、キャシー・オドネル、ジェームズ・クレイグ、ポール・ケリー、ジーン・ヘイゲン、ポール・ハーヴェイ、チャールズ・マックグロー
 
初見。
ファーリー・グレンジャーキャシー・オドネルのコンビといえばニコラス・レイ監督の『夜の人々』(48年)だが、アンソニー・マン監督によってこの二人の主演映画が撮られていたとは。
この作品のキャシー・オドネルが異常に可愛く、出演シーンが少なめなのが実にもったいない。
ファーリー・グレンジャーはいかにも彼らしい役柄で、だからこそ好みは分かれるかもしれない。

それにしてもアンソニー・マン監督のフィルム・ノワールが観られるのは嬉しい。
この映画も無駄を省いたスピーディーな展開が心地よい。
映画にどことなく解放的な雰囲気があるのはNYのロケ撮影が多いせいだろうか。
ずいぶん前に見たジュールス・ダッシン監督の『裸の町』(48年)を思い起こした。

アンソニー・マン監督の『T メン』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。

T-MEN』(47年)
監督:アンソニー・マン
脚本:ジョン・C・ヒギンズ
撮影:ジョン・オルトン
音楽:ポール・ソーテル
出演:デニス・オキーフ、アルフレッド・ライダー、メアリー・ミード

初見。
以前から観ることを熱望していたアンソニー・マン監督のフィルム・ノワールだが、期待に違わぬ面白さで2回観た。

Tメン』とは“Treasury Men”、金融がらみの財務省捜査官のことだという。
二人組の捜査官が身分を偽り、マフィアの偽札作りの組織に侵入捜査する過程がセミ・ドキュメンタリー・タッチで描かれている。

それにしても、これほどまでにフィルム・ノワールらしい作品を観たのは久々な気がする。
画面の暗さ(DVDの画質の悪さではない)によって醸し出される緊張感が凄いのだ。
“照明の魔術師”と呼ばれた撮影のジョン・オルトンの作り出す“闇”の魅惑である。
ストーリーもこの手のものとしては分かりやすい方で、無駄のないスピーディーな展開が心地良い。

キャストも皆いい。
有名な人は出ていないが、捜査官側も、マフィア側もいかにもそれらしい雰囲気、面構えなのが何よりである。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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