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ジョニー・トー監督の『エレクション 死の報復』を国内盤DVDで観た感想。

ELECTION 2 黒社會以和為貴』(06年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ イップ・ティンシン
撮影:チェン・チュウキョン、トー・フンモ
音楽:ロバート・エリス=ガイガー
出演:サイモン・ヤム、ルイス・クー、ウォン・ティンラム、ラム・カートン、ニック・チョン

初見。
以前このブログでも取り上げた『エレクション 黒社会』の続編で、前作から2年後の物語。
前作を観てから今作を観た方が良いのは当然だが、今作だけを観ても十分楽しめるのではないだろうか。

今作はルイス・クーが事実上の主演だが、全編を支配する緊張感がとにかく凄く、その点、前作をはるかに上回る。
また、全編、演出のアイデアに満ち溢れた作品であり(あえて銃撃戦は避けているようだ)、中には思わず目を塞ぎたくなるような強烈なバイオレンスシーンもあるので苦手な人は注意。(正直私もこういうのは苦手です)
一方でジョニー・トー監督作品らしく、笑えるユーモラスなシーンもあるが、この作品ではちょっと控えめかも。

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ジョニー・トー監督の『PTU』を国内盤DVDで観た感想。

PTU』(03)
監督:ジョニー・トー 
脚本:オー・キンイー、ヤウ・ナイホイ 
撮影:チェン・チュウキョン 
音楽:チュン・チーウィン 
出演:サイモン・ヤム、ラム・シュー、マギー・シュー、ルビー・ウォン、レイモンド・ウォン、エディ・コー

初見。
一夜の出来事を描いたシンプルな作品で、大作然とした作品ではないが、香港の夜の街の雰囲気がダイレクトに伝わってくる魅力的な作品だと思う。
スピーディーなストーリー展開やスタイリッシュな映像美も見事。
ジョニー・トー監督らしいユーモアも随所に効いている。
警官の拳銃紛失が重要なファクターになっている点は、監督が敬愛する黒澤明監督の『野良犬』(49)の影響なのだろう。

キャストはサイモン・ヤムラム・シュー他男優陣がいいのは当然として、マギー・シューら女優陣のどこかクールな魅力も素晴らしい。

ジョニー・トー監督の『エレクション~黒社会~』を観た感想。

ELECTION 黒社會』(05年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ、イップ・ティンシン 
撮影:チェン・チュウキョン 
音楽:ルオ・ダー
出演:サイモン・ヤム、レオン・カーファイ、ルイス・クー、ニック・チョン、チョン・シウファイ、ラム・シュー、ラム・カートン、ウォン・ティンラム、タム・ビンマン、マギー・シュー

初見。
あるギャング組織の会長の座を巡る権力争いのお話。
会長の座が選挙で決まるというのが面白いが、一票を巡る縄張り争いが、ちょっと前に日本の政治(某政党)でもあった構図に驚くほどよく似ている。

内容も面白かったけど、これまで観たジョニー・トー作品の中ではもう一つのようにも感じた。
レンゲを食べたりとかヘンなシーンは良かったけど。
いつもながら個々の俳優のオーラは強いです。

ボスであることを証明する?竜頭棍なるトロフィー的なものを巡る争いのところなんかは、ちょっとジョン・ヒューストン監督の『マルタの鷹』(41)っぽかった。
入院しているオッサンが裏切るよう家族の身柄を脅されてるところはメルヴィルの『仁義』(70)のフランソワ・ペリエが元ネタかもしれない。

ラストは映画のラストとしてはかなり重い余韻が残るけど、なかなか魅せました。
続編である『エレクション~死の報復~』も是非観たいなぁ。

336021_001.jpgジョニー・トー監督の『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』をスクリーンで観た感想。

Vengeance 復仇』(09年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ワイ・カーファイ
撮影:チェン・シウキョン
出演:ジョニー・アリディ、アンソニー・ウォン、ラム・シュ、ラム・カートン、サイモン・ヤム

スクリーンで映画を観るのは久々です。
こと新作映画に限れば、アラン・コルノー監督の『マルセイユの決着(おとしまえ)』以来かもしれません。
このところジョニー・トー監督の作品をDVDで観る機会があり、どれも大変面白かったので、今回、最新作をスクリーンで観られるのはとても楽しみでした。
一部情報ではメルヴィルの『サムライ』に影響を受けているとの話もあり、もちろん、その楽しみもありました。

主演はフランス人俳優・歌手のジョニー・アリディ
しかし、私はこの人が出た映画はほとんど観たことがありません。
その中ではパトリス・ルコント監督の『列車に乗った男』(02)は良かったのですが、共演のジョン・ロシュフォールの方が数段魅力的でした。

ともかくも、このこの『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(もうちょっと簡潔なタイトルにできなかったのか?)は、娘婿、孫二人を殺し屋組織に殺された(娘は辛うじて生き残った)ジョニー・アリディが、その復讐を誓うというのが簡単なストーリーです。

336021_004.jpgところが、主役のジョニー・アリディよりも、アンソニー・ウォン、ラム・シュ、ラム・カートン3人の殺し屋たちの方が遥かに魅力的に思えました。
どう贔屓目に見ても、あの3人たちの方が人間味といい、キャラといい、描写のカッコ良さといい、“こっちの方が主役じゃないか!”と思ってしまったほどです。
まぁ、残された者が殺された家族の仇を討つという、いかにもありがち復讐話よりも、それをあくまで仕事として、何があっても男気で請け負う3人のストーリーの方が魅力的に見えてしまうのはある意味当然かもしれませんが…。

あと、映画の簡単な印象だけ言うと、とても面白い映画で、好きな映画ですが、私個人の生理的感覚からすれば、銃撃シーンが全体的に長すぎるきらいがあるようにも感じました。
特にラストなど。
あと、ジョニー・アリディの記憶喪失の件なども、全体のストーリーの中での意味合いがもう一つ弱いようにも感じました。
前半に出てくる刑事役のマギー・シュウなど、刑事にしては美人過ぎるものの(笑)、いかにも刑事らしい隙のなさそうな物腰が存在感を発揮しているので、出番が少ないのが残念でした。
そういった意味において、以前観た、素晴らしく魅力的な『エグザイル/絆』や『ザ・ミッション/非情の掟』などに比べますと、ジョニー・トー監督作品としては、この作品は分が悪く感じます。

それと、『サムライ』やメルヴィルの影響が語られる監督だけあって、この映画にはメルヴィル・ファンなら思わずニヤリとするシーンが(特に前半)続出します
思いつくままに挙げてみますと(カッコ内は元ネタと思われる作品)

●殺し屋が仕事に使った道具を川に放るシーン(『サムライ』)
●仕事をやり遂げた殺し屋が部屋を出た瞬間に人に顔を見られる(『サムライ』)
●ホテルの鍵を表から外すシーン(『リスボン特急』)
●森の中で敵二人に迫られ、絶体絶命かと思われるものの、その後ろに味方が助けに来るという構図(『仁義』)
●首実検のシーン(『サムライ』)
●拳銃を調達するオヤジの存在(『サムライ』)

思い出せる限りではこんなところでしょうか。
どちらかというと、これらのシーンは映画全体のストーリーには大きな影響がなく、ジョニー・トー監督が遊びの感覚で撮っているという印象の強いシーンでした。

ジョニー・トー監督の『ザ・ミッション/非情の掟』を国内盤DVDで観た感想。

鎗火』(99年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ジョニー・トー、ヤウ・ナイホイ
撮影:チェン・チュウキョン
音楽:チュン・チーウィン
出演:アンソニー・ウォン、フランシス・ン、コウ・ホン、ラム・シュー、ロイ・チョン、ジャッキー・ロイ

初見。
エグザイル/絆』に引き続き観たジョニー・トー監督作品。
これも実に面白かった。

暗黒街を舞台にしたノワール作品だけあって、どうしても『エグザイル/絆』と比べてしまうが、これはそこまでスタイリッシュな仕上がりではないが、かえって荒削りなところやユーモラスな味わいが実に魅力的だ。
特にショッピングセンター(ジャスコ?)での銃撃戦以降の後半は全く目が離せない。
脚本などあって無きが如しで、ほとんど即興で撮られたというのが信じられないくらい個々の演技もハマッている。
一人一人のキャラの立ち具合も素晴らしいが個人的に好きだったのはロイ・チョンラム・シューの二人。
ちなみに、この映画のアンソニー・ウォンは若い頃の宍戸錠そっくり。

音楽が70年代?っぽい感じで、少々安っぽい感じなのだが、その“抜けた”感じが、かえって映画を味わい深いものにしている。

ジョニー・トー監督の『エグザイル/絆』を国内盤DVDで観た感想。

放・逐』(06年)
監督:ジョニー・トー
脚本:セット・カムイェン、イップ・ティンシン
撮影:チェン・シウキョン
音楽:ガイ・ゼラファ、デイヴ・クロッツ
出演:アンソニー・ウォン、フランシス・ン
、ニック・チョン、ラム・シュー、ロイ・チョン、ジョシー・ホー、リッチー・レン、サイモン・ヤム、ラム・カートン

初見。
ジョニー・トー監督作品を観るのも初めてだし、いわゆる香港ノワールというジャンルの映画を観るのも初めて(恥ずかしながら、いまだに『インファナル・アフェア』も観ていない)。
言うまでもなく、ジョニー・トー監督はジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンで、オーランド・ブルーム主演で『仁義』をリメイクするという話もあったし(結局企画がボツになったらしい)、最新作冷たい雨に撃て、約束の銃弾をには『サムライ』の影響もあると聞く。

また、メルヴィルのドキュメンタリー映画『コードネームはメルヴィル』(08。オリヴィエ・ボレール監督)にも彼のインタビューが出ていた。
いわく、香港映画のヨーロッパ的要素はことごとくメルヴィルから来たものだ…という内容だったと記憶している。
全体的に、彼のコメント内容はどこか抽象的でよく理解できなかったのだが…。

よって、どこかでメルヴィル映画のテイストを期待しながらも、期待しすぎない程度の心持でDVDを観始めたのだが…正直、これにはやられた!
予備知識も全くないので、当然、キャストも誰が誰かも知らない状態で観たが、一人一人の俳優のルックス、物腰がカッコよすぎる。
ストーリー展開も面白く、ところどころ意外な展開があるが、良い意味でそうくるか!って感じ。

スタイリッシュな映像も魅力的で始終惹きつけられたし、余韻深いラスト、音楽のセンスもすこぶる良い。
総じて銃撃シーンが暗くて状況がよく分かりにくいが、男たちの友情、仁義が魅力的に描かれたとても良い作品だ。
メルヴィル云々ということではなく、予想していたよりもずっと面白かったので、今度は同じジョニー・トー監督の『ザ・ミッション/非情の掟』を観てみようと思う。
最新作冷たい雨に撃て、約束の銃弾をも是非スクリーンで観たい。

ジョニー・トー監督の最新作『Vengeance(復仇)』(ジョニー・アリディ主演)がカンヌ映画祭で上映されたとのことで、ヤフーに記事が出ています
そこにこの手の記事には珍しく“メルヴィル”の文字を発見。

このヤフーの記事によれば、この『Vengeance』(ヤフーではタイトルが『復讐』となっていますが、『復仇』の方が正しい模様)はメルヴィルの『仁義』にオマージュを捧げているとのこと。
しかし、ジョニー・トー監督といえば、オーランド・ブルームリーアム・ニーソンらのキャスティングで『仁義』のリメイクがこの作品とは別に進められているのは以前このブログでもお知らせした通り。(こちらのタイトルは『紅圏』とのこと)
このヤフーの記事で紹介されている映画の内容も、『仁義』とはだいぶ異なるような…。

ジョニー・トー監督の作品に大変お詳しいmicchiiさんのブログ『愛すべき映画たち』によれば、この『復仇』は『サムライ』にインスパイアされた作品との情報でした。
そうであるならば、『復仇』がオマージュを捧げたのは『仁義』ではなくやはり『サムライ』であり、このヤフーの記事は誤りかもしれません。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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