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ジョルジュ・ロートネル監督の『ジャン=ポール・ベルモンドの道化師/ドロボー・ピエロ』を国内盤DVDで観た感想。

LE GUIGNOLO』(80年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
脚本:ジャン・エルマン、ミシェル・オーディアール
撮影:アンリ・ドカ
音楽:フィリップ・サルド 
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、マリー・ラフォレ、ジョルジュ・ジェレ、カーラ・ロマネリ、ピエール・ヴェルニエ、パオロ・ボナチェッリ

初見。
ヴェニスを舞台にジャン=ポール・ベルモンドが泥棒というか詐欺師を演じるアクション・コメディ
監督は前作『ジャン=ポール・ベルモンドの警部』でもベルモンドと組んだベテランのジョルジュ・ロートネル
主要スタッフも『警部』と全く同じで、『警部』が最高に気に入っている私はかなり期待して見たのですが…正直言ってちょっと期待外れ。

せっかくのコメディなのに、字幕のせいか(DVDはユニバーサル)、フランス語が分かる人でないと笑いのツボが伝わってこないようにも思えます。
ベルモンドが魅力的なのは当然としても、脇役の存在感もイマイチ。
あのマリー・ラフォレもこの作品ではあまり魅力的な役柄とは言えません。
また、脇役の人が多すぎることもストーリーが拡散してしまう原因の一つかもしれません。

意外なところでは、メルヴィルの『フェルショー家の長男』(63)の冒頭でベルモンドのボクシングの相手役を演じていたモーリス・オーゼル(Maurice Auzel)が、後半にバスの中でベルモンドからパンを受け取る役で出ています。

フィリップ・サルドの軽快な音楽はそれなりに魅力的ですが、アンリ・ドカの撮影は往年の冴えが見られない気がします。

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ジョルジュ・ロートネル監督の『ジャン=ポール・ベルモンドの警部』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

d4c9bd5a.jpegFLIC OU VOYOU』 (78年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
脚本:ジャン・エルマン、ミシェル・オーディアール
撮影:アンリ・ドカ
音楽:フィリップ・サルド
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、マリー・ラフォレ、ジョルジュ・ジェレ、ジャン=フランソワ・バルメ、クロード・ブロッセ、トニー・ケンドール、ミシェル・ボーヌ、カトリーヌ・ラシェン

初見。
ジャン・ポール・ベルモンドの警視コマンドー』というタイトルでビデオ化もされているようです。

前々から観たかった作品で、今回ようやく観ることができましたが、期待に違わぬ面白さで、改めてジャン=ポール・ベルモンドの魅力をたっぷりと味わうことができました。
中年に差し掛かり、渋みが増したベルモンドの魅力が最高に発揮された作品で、ベルモンドの70年代のベスト・フィルムの一つに数えられてもおかしくない作品だと思います。
ベルモンドのファッションも見もの。

ベルモンドの役柄は別名“洗濯屋”と呼ばれる、自らの身分を隠して他の警察官を監督する警部。
その複雑なキャラクターをベルモンドがアクションシーンもふんだんに、軽妙に演じています。
作品の内容もコメディとシリアス、硬軟併せ持ったバランス感覚が優れており、ジョルジュ・ロートネル監督の語り口の巧さによって数多い出演者のキャラクターが大変明確に描かれています。
映画の展開もスピーディーで、退屈する暇がありません。

脇役も知名度こそ無いものの演技巧者が揃っていますし(やはりベルモンド主演、アンリ・ヴェルヌイユ監督の『追悼のメロディ』(76)とキャストが何人か被っています)、マリー・ラフォレ(『太陽がいっぱい』)の出演も嬉しい。

また、フィリップ・サルドのストリングスを使った軽妙でクラシカルなサウンドが映画を存分に盛り上げていますし(あのチェット・ベイカーロン・カーターも参加)、アンリ・ドカの名人芸的映像美がたっぷり味わえる作品でもあります。

ジョルジュ・ロートネル監督の『女王陛下のダイナマイト』をレンタルビデオで観た感想です。

image162.gifNE NOUS FACHONS PAS』(66年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
原作:ミシェル・オーディアール 
脚本:マルセル・ジュリアン、ジャン・マルサン、ジョルジュ・ロートネル 
撮影:モーリス・フェルー 
音楽:ベルナール・ジェラール 
出演:リノ・ヴァンチュラ、ミレーユ・ダルク、ジャン・ルフェーブル、ミシェル・コンスタンタン、トミー・デュガン  

 
コメディ・タッチのアクション映画です。
ストーリー展開に少々グダグダ感がありますが、それが決して嫌でなく、かえってその緊張感の無さが魅力的ともいえます。
ほぼ同時期の『リオの男』(65年、フィリップ・ド・ブロカ監督、ジャン=ポール・ベルモンド主演)あたりと通じる雰囲気を私は感じました。

この映画が作られた66年といえば、メルヴィルの『ギャング』が作られた年でもありますが、そこでも名コンビぶりを発揮していたリノ・ヴァンチュラ&ミシェル・コンスタンタンのコンビがこの映画でも実にいい。(もちろん映画のカラーは全く違いますが)
リノ・ヴァンチュラが良いのは当然といえますが、ミシェル・コンスタンタンがこれほどコメディがイケるとは驚きでした。
普段コワ面なだけに眼鏡姿も新鮮で、こういったコメディでの弾けぶりがファンとすれば嬉しい。
この二人に加え、ジャン・ルフェーブルのトボけた持ち味も良く、映画を盛り上げていました。

これまた『ギャング』で音楽を担当していたベルナール・ジェラールの音楽も印象的。
ところどころに当時世界を席巻していたビートルズ風?のロックンロールを取り入れていますが、その音楽の使い方も、そして映画そのものの内容も、どこか英国を皮肉っているように思えてなりません。
というか、完全にそうなのでしょうが。

ジャン・ルフェーブルの元妻役のミレーユ・ダルクは映画の後半にしか出てきませんが、非常に美しく、これは彼女の出演作でも魅力的なものの一つではないでしょうか。

ジョルジュ・ロートネル監督、アラン・ドロン主演作の『チェイサー』を国内盤DVDで観ました。

image141.gifMort d'un Pourri』(77年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
撮影:アンリ・ドカ
音楽:フィリップ・サルド
出演:アラン・ドロン(製作も兼任)、モーリス・ロネ、クラウス・キンスキー、ネルネラ・ムーティ、ミレーユ・ダルク、ステファーヌ・オードラン、ミシェル・オーモン

政界の汚職を描いた、ノワール的な色合いの濃いサスペンス映画です。
正直なところ、ドロン氏の主演作は、70年代後半以降のものはあまり観ていないのですが、これは内容が実に面白い。
数多いドロン主演作の中でも、傑作の部類に入る作品ではないでしょうか。

ここでアラン・ドロンが演じているのは、政治家の友人フィリップ(モーリス・ロネ)の死の謎を探ろうとする実業家グザヴィエ
ジョルジュ・ロートネル監督作品だけあって、カーチェイスや銃撃シーンなど、アクション的な見せ場も用意されていますが、この映画を貫くものは、友人の死に対するグザヴィエの“怒り”です。
その感情は、常はクールな表情の下に抑えられていますが、映画後半では、友人の死に対する怒りが、一瞬垣間見えるところがあります。
その迫力が凄い。
しかも、『太陽がいっぱい』以来の因縁のあるアランドロンとモーリス・ロネの共演、友情物語であるところが泣かせます。

映画冒頭で、愛人(実生活の愛人であるミレーユ・ダルクが演じているのがミソ)にベッドで『私のこと愛してるって言ってくれないの?』としつこく聞かれてウンザリ気味のドロンが、政治家を殺した友人ロネのためには、偽証罪の危険を犯しつつも虚偽のアリバイを主張したり、その後、ロネを殺した犯人を自らの命をかけてまでも探し出そうとします。

おそらくは、ドロン演じるグザヴィエにとって、大切なものは女、あるいは仕事よりも友人、友情なのです。
このグザヴィエという人物の行動理念には、ある種の日本人的価値観の発想が感じ取られ、その意味においては、映画のストーリーも“忠臣蔵”的仇討ち物語と感じられなくもありません。
これは、いかにも飛躍した考えかもしれませんが、過去に“Samourai”を演じたドロンであればこそ違和感なく演じられる役柄と言えるような気もしないでもないのです。

また、豪華なキャスティングもこの映画の大きな魅力で、皆個性を発揮しています。
中でも、先日このブログでも紹介したクロード・シャブロル監督の『肉屋』の主演女優ステファーヌ・オードラン、怪優クラウス・キンスキーが印象的。
とりわけ、ドロンとキンスキーの共演は新鮮で見ごたえがあります。
製作もドロンが兼ねていますから、キンスキーの出演は、ドロンのリクエストだったのではないでしょうか。

切れ者のモロ警部を演じたミシェル・オーモンは、ロバート・デ・ニーロをブ男にしたような顔つきですが、かえってそれらしく、味のある存在感を見せます。
ロネの愛人を演じたオルネラ・ムーティも色っぽくて良いです。
ただし、アンリ・ドカの撮影は、往年の冴えは今一歩のように感じましたが、これは、DVDの画質が今一つ良くないということも原因かもしれません。

また、注目すべきはフィリップ・サルドの音楽で、サックスを担当したのがジャズのスタン・ゲッツ
映画冒頭のタイトルバックに、音楽と共にいきなり彼の演奏風景が登場しますが、そのあたりに彼の音楽への敬意が感じられます。
事実、全篇でゲッツ独特の柔らかいテナーの音色が印象的に鳴り響きます。
言うまでもなく、ゲッツのバラード演奏には、晩年のケニー・バロンとの見事なデュオが示すように、余人には代え難い魅力があります。
そのゲッツの資質が、この作品のサントラでは見事に発揮されていると思います。

あと、この作品の国内盤DVDは残念ながら廃盤となっていますが、私が観たところ、先に指摘したように画質は決して良くありません。
パイオニアのDVDは質の良いものが多いだけに、これは期待はずれでした。
このパイオニア盤が廃盤となっていることもあり、新たな国内盤DVDが待たれるところです。

image63.gifLe Pacha』(68年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
原作:ジャン・ドリオンの小説『親指』
脚色:ミシェル・オーディアール、ジョルジュ・ロートネル
撮影:モーリス・フェルー
音楽:セルジュ・ゲンズブール
出演:ジャン・ギャバン、ダニー・カレル、アンドレ・プッス、ロベール・ダルバン

ジャン・ギャバンが刑事役を演じるアクションもの。
同僚刑事であるロベール・ダルバンとの友情関係が下敷きになった、『現金に手を出すな』の刑事版ストーリーのような作品です。
ジョルジュ・ロートネルの演出はスピーディーで無駄が無く、上映時間も80分程度と程よくまとまっていて、かなり楽しめる作品です。

image65.gifセルジュ・ゲンズブールが音楽を担当、サスペンス感を盛り上げていますが、レコーディング風景に自ら出演しているシーンも映画中盤にあり、全篇中の程よいアクセントになっています。
ギャバンとゲンズブールがすれ違うという注目すべきカットもありますが、お互い、何を感じていたのでしょうか。

アンドレ・プッスが残虐な悪役カンカンを好演していますが、このカンカンという名前は、プッスがムーラン・ルージュの芸術監督を務めていたためではないかと思われます。
女スパイ、ダニー・カレルの存在感も良いです。

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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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