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frenchcinema.jpg銀座シャネル・ネクサスホールで「スタジオアルクールパリとフレンチシネマ」展が開催中です。(入場無料 7月18日まで)(リンク

思想家ロラン・バルトによれば「フランスにおいては、スタジオアルクールでポートレイトを撮影しないうちは、スターではない」そうで、今回の展覧会ではマレーネ・ディートリッヒ、ジョセフィン・ベーカー、ブリジット・バルドー、ジャン・マレー、アラン・ドロン、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ヴィルジニー・ルドワイヤン、ヴァンサン・ペレーズ、ジャン・レノ、ソフィー・マルソー、マリオン・コティヤールといった多くのスターたちのポートレートが紹介されているとのことです。

なんといっても入場無料とのことなので時間があれば是非。
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観てからちょっと時間が経ってしまったが、先日映画『ゲンスブールと女たち』をBunkamuraル・シネマで観てきた。(公式サイト

Gainsbourg, vie heroique』(2010年)
監督・脚本:ジョアン・スファール
撮影:ギョーム・シフマン
出演:エリック・エルモスニーノ、ルーシー・ゴードン、 レティシア・カスタ、ダグ・ジョーンズ

あのセルジュ・ゲンスブール伝記映画であり、私自身フランス本国公開の前から関心があった映画であるが、それはゲンスブール本人を始めとする有名人たち(ジュリエット・グレコ、ボリス・ヴィアン、フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキン等々)を現代の俳優たちがどのように演じているかという、ある種の物まね芸に対する興味が強かったせいかもしれない。

実際、ストーリーは一応伝記だから想像したものと大きく変わらなかったのだが、登場人物が実物にかなり似ており、本人たちにイメージを置き換えるという余計な想像力を駆使せずに済んだという意味では概ね合格だったといえる。
ジュリエット・グレコ、ボリス・ヴィアン役の俳優は似ているという点では今一つだが(グレコ役は先日観たシャブロル監督『甘い罠』のアナ・ムグラリス)、なんといっても、ゲンスブール役のエリック・エルモスニーノがびっくりするほどゲンスブールの形振りの癖をよく取っていて観る者を楽しませてくれたのが第一。

ただ、全編で登場するゲンスブールの分身のような奇妙なキャラクター、これは個人的には余計だった。
監督自身が漫画家であり、そこがこの映画の個性といってしまえばそうなのだろうが…。

また、肝心のゲンスブールの音楽の魅力がこの映画を通して観る者に十分に伝わるかといえば、必ずしもそうとは言いきれない気がした。
取り上げられている楽曲の使い方や数もどこか中途半端だし、あの個性的なヴォーカル・スタイルや圧倒的なまでの音楽の才能、センスといったゲンスブール独特の音楽スタイルがどのように世間に受け入れられて成功に至ったのかという点をもう少し丁寧に描いて欲しかった気がする。

その点が丁寧に描かれていれば結果的にゲンスブールがさまざまな女性たちを虜にした理由がより明瞭になったのではないだろうか。
もっとも、そういった点はフランス本国では言わずもがなということで端折られたのかもしれない。

クロード・シャブロル監督がレコード会社の製作者?役でちょっとだけ登場したのがサプライズとして嬉しかった。

ちなみに、ゲンスブールの音楽の魅力、ビジュアルや人となりを味わうには、最近再発された二種のDVDがその音楽活動をほぼ網羅しており、やはり最高だ。
例のオークションのシーンなど、映画と全く同じような映像もあって楽しめる。

フランソワ・オゾン監督の『しあわせの雨傘』(公式サイト)をスクリーンで観た感想。

POTICHE』(2010年)
監督・脚本:フランソワ・オゾン
撮影:ヨリック・ル・ソー
音楽:フィリップ・ロンビ
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、カリン・ヴィアール、ジュディット・ゴドレーシュ、ジェレミー・レニエ

77年のフランスを舞台とした、コメディタッチの人生讃歌。
カトリーヌ・ドヌーヴ雨傘工場の社長夫人という役柄で、あの『シェルブールの雨傘』(64年)に対するオマージュを感じさせる作品であるが(この邦題はちょっと…)、70年代後半の時代背景(労働問題や男女同権問題)が作品の重要な要素となっている。
ドヌーヴもいいが、ストーリーもよく練られていて見応えがある作品。

映画冒頭のジャージ姿でジョギングするドヌーヴの姿を観て、現在の彼女の現実を観客はいきなり突き付けられるわけだが、映画が進行してゆくにつれ、どんどん美しく見えてくるから不思議だ。
確かに美貌は衰えたが、女優としての存在感はいささかも衰えていないのはさすがとしか言いようがない。

クロード・ミレール監督の『検察官~レイプ殺人事件』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。

GARDE A VUE』(81年) 
監督:クロード・ミレール
脚本:クロード・ミレール、ジャン・エルマン
台詞:ミシェル・オーディアール
撮影:ブルーノ・ニュイッテン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・セロー、ロミー・シュナイダー、ギイ・マルシャン

再見。
実に面白いサスペンス。
それもそのはず、キャストだけでなく、スタッフもオールスターといってよいほど揃っています。
映画の内容はそのほとんどがクリスマスの夜の幼児殺人容疑者の取調べシーンに限定されていますが、容疑者ミシェル・セローと刑事リノ・ヴァンチュラのやり取りが大変見ごたえあります。
また、世間のクリスマスの喧騒とは正反対の取調室の無味乾燥、という対比にリアリティがあり、なんともいえず惹きつけられます。

そして、なんといっても、リノ・ヴァンチュラの自然体で渋い演技がなんともいえず素晴らしい。
この人の刑事役はこれに限らず、本当に人間味があります。
この頃の主演作がほとんど国内DVD化されていないので、この作品は貴重です。
一方のミッシェル・セローの演技も実に上手いです。

ロミー・シュナイダーは亡くなる前年の作品で、その表情になんとなく暗い影が差しているように見えるのは役柄のせいだけではないように思えます。
その意味では観ていて心の痛む作品です。

それにしても『警察官』ならまだしも、『検察官』というタイトルはナゾ。
副題も余計ですね。

セルジュ・ブールギニョン監督の『シベールの日曜日』を国内盤DVDで観た感想。

CYBELE OU LES DIMANCHES DE VILLE D'AVRAY』(62年)
監督:セルジュ・ブールギニョン 
脚本:セルジュ・ブールギニョン、アントワーヌ・チュダル 
撮影:アンリ・ドカ
音楽:モーリス・ジャール 
出演:ハーディ・クリューガー、パトリシア・ゴッジ、ニコール・クールセル、ダニエル・イヴェルネル、アンドレ・オウマンスキー 

初見。
セルジュ・ブールギニョン監督の長編第1作であり、アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
長らく国内DVD化が熱望されていた映画であり、Amazon等のレビューを読む限り、現在でも一般的な人気が高い作品のようです。

以前もこのブログで紹介したことがありますが(記事はこちら)、監督のセルジュ・ブールギニョンは学生時代にジャン=ピエール・メルヴィルに映画作りを教わり、その縁で20歳にして『恐るべき子供たち』(50)の助監督を務めています(ノンクレジット)。
言うまでもなく『恐るべき子供たち』の撮影監督はアンリ・ドカであり、『シベールの日曜日』にドカが起用されたのもその縁なのでしょう。

また、あまり知られていない事実かもしれませんが、シベール(フランソワーズ)役のパトリシア・ゴッジはこの作品の前年(61年)にメルヴィルの『モラン神父』にエマニュエル・リヴァの娘役で出演しています。(『シベールの日曜日』が彼女の映画初出演だという記事もあるが、これは間違い)

当時『モラン神父』がフランス国内でヒットしたこともあり、セルジュ・ブールギニョンは『モラン神父』を観てパトリシア・ゴッジをこの映画にキャスティングした可能性は高いと思われます。
ちなみに、『モラン神父』の撮影監督もやはりアンリ・ドカ。
いろいろな意味でメルヴィルとも縁のある作品だといえましょう。

そんなわけもあってこの作品のDVDを買って観たのですが、映画自体は大変素晴らしい。
なんといっても、圧倒的に魅力的なのはアンリ・ドカの撮影
なんという美しいモノクロ映像でしょう。
これだけでもこの映画は不滅だと思います。

ただ、映画の内容には今一つ共感できませんでした。
主演のハーディ・クリューガーパトリシア・ゴッジともに演技は見事なのですが、その人物像というか、キャラに私はどうしても付いていけなかった。
この点がこの映画を好むか否かの分岐点なのではないかと思われます。

ピエールの愛人マドレーヌ役のニコール・クールセルは『港のマリー』(49年。マルセル・カルネ監督)に出演していた女優であり、それから10年余り、そのまま大人の女性に美しく成長していて魅力的。
しかし、どう考えてもイカレているピエールに献身的に尽くす姿がせつなくも理解不能。
まァ、だからこそ映画だとも言えるわけですが…。

alaindelon.jpgアラン・ドロン生誕75周年記念映画祭が10月23日(土) から11/12(金) まで新宿K’s cinemaで開催されます。
http://www.so-net.ne.jp/movie/news/?type=show&id=308
公式サイトhttp://cinefil-imagica.com/dvd/ad75/)(9月中旬オープン予定)

上映作品は次の5本。

若者のすべて』(監督:ルキーノ・ヴィスコンティ 60年)
地下室のメロディー』(監督:アンリ・ヴェルヌイユ 63年)
黒いチューリップ』(監督:クリスチャン・ジャック 63年)
世にも怪奇な物語』(監督:ルイ・マル他 67年)
あの胸にもういちど』 (監督:ジャック・カーディフ 68年)

ドロンさんの映画祭が開催されることは快挙だと思いますし、そのこと自体は大変嬉しいのですが、一言だけ言わせて下さい。

なぜメルヴィル作品がないんだ!!

今回は60年代の作品に限っているようですので、60年代のドロン×メルヴィル作品といえば“アレ”しかないわけですが…。
ましてや、映画祭の副題が“スクリーンに香るダンディズム。”というのであれば…。

やはり一言では済みませんでしたが(笑)、それはともかく、いろいろな事情はあるのでしょうけど、ラインアップは正直なところちょっと微妙ですね。
メルヴィルのことはともかく、『太陽がいっぱい』などルネ・クレマン監督の作品がないのは解せないところがあります。

個人的に、『若者のすべて』は2004年のヴィスコンティ映画祭で観た時に字幕のアクシデントで何度か上映が止まってしまうという悲惨な事態に遭遇しましたので、今度こそはリベンジ?したいという思いがあるのですが。
大好きな映画ですので、今度出るニューマスターのDVDも買う予定です。

フィリップ・ド・ブロカ監督の『まぼろしの市街戦』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

LE ROI DU COEUR』(67年)
監督:フィリップ・ド・ブロカ
脚本:ダニエル・ブーランジェ、フィリップ・ド・ブロカ
撮影:ピエール・ロム
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:アラン・ベイツ、ピエール・ブラッスール、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ミシュリーヌ・プレール、フランソワーズ・クリストフ、アドルフォ・チェリ、ジャン=クロード・ブリアリ

初見。
この作品の国内盤DVDは最近再発されたが、私が観たのは以前紀伊国屋レーベルから発売されていたもの。
数年前、廃盤になる前に50%オフになっていたものを購入した。
画質的には特に問題はなかったので、改めて買いなおす必要は感じなかった。

映画ファンからカルト的な人気を集めている作品だが、事実、主演の英国人俳優アラン・ベイツは好演しているし、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルドの可憐さ、ミシュリーヌ・プレールのエレガントな身のこなし、ジャン=クロード・ブリアリのいかにも彼らしいキャラクターと立ち振る舞いなど見所は多い。
撮影はメルヴィルの『影の軍隊』(69)のピエール・ロム、音楽はジョルジュ・ドルリューとスタッフも魅力的である。
確かに私も面白く観たが、正直なところそれほど好きな作品というわけではない。

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マサヤ
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男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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