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ジャン=ポール・ル・シャノワ監督の『レ・ミゼラブル』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。

LES MISERABLES』(57年)
監督:ジャン=ポール・ル・シャノワ
原作:ヴィクトル・ユーゴー
脚本:ルネ・バルジャヴェル、ジャン=ポール・ル・シャノワ
撮影:ジャック・ナットー
音楽:ジョルジュ・ヴァン・パリス
出演:ジャン・ギャバン、ベルナール・ブリエ、セルジュ・レジアニ、ダニエル・ドロルム、ブールヴィル、ジャンニ・エスポジート、ベアトリス・アルタ・リバ

かなり原作に忠実な映画化と言われており、ミュージカル映画ではない。
実際、ミュージカル版の映画や舞台を見てしまうと、これは物語の起伏が少なく、あっさりしていると感じられるかもしれない。
ミュージカル版は歌の力によって物語がさらにドラマティックに盛り上がるだろうが、私にはこの映画でも充分に感動的だった。

なんといっても、ジャン・バルジャン役のジャン・ギャバンがすばらしい。
悪いが、現在公開されているものはジャン・バルジャン役がヒュー・ジャックマンというだけで観る気にならない。
そして、ある意味ジャン・ギャバン以上に印象的なのがジャヴェール警部役のベルナール・ブリエである。
アンジョルラス役のセルジュ・レジアニはありがちな美男ではないが、思った以上に適役に感じられたし、テナルディエ役のブールヴィルも持ち味を発揮した名演。

一方で、ファンティーヌ(ダニエル・ドロルム)とコゼット(ベアトリス・アルタ・リバ)は存在感が今ひとつ。
もっとも、ファンティーヌは登場シーン自体少なすぎる印象だった。

ジョルジュ・ヴァン・パリスによる音楽は、それほどドラマチックとはいえないが、なかなか良かった。
DVDの画質もニューマスターを謳っているだけあって、(IVCとしては)まずまず満足のいくもの。

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クロード・ミレール監督の『ある秘密』を国内盤DVDで観た感想。

UN SECRET』(07年)
監督:クロード・ミレール
脚本:クロード・ミレール、ナタリー・カルテール
撮影:ジェラール・ド・バティスタ
音楽:ズビグニエフ・プレイスネル
出演:セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリック、ジュリー・ドパルデュー、パトリック・ブリュエル

初見。
フィリップ・グランベール原作の映画化。
戦時中のフランスにおけるユダヤ人問題を取り上げた映画ということもあって、いかにも重々しい雰囲気の映画である。
だが、実に見ごたえのある秀作であることも確かだ。
何度か時間が錯綜するが、不思議と分かりにくさはない。
ヒロインのセシル・ドゥ・フランスが美しく、さすがのリュディヴィーヌ・サニエもこの映画では見劣りがする。

ジェラール・ピレス監督の『ヘルバスター 避暑地の異常な夜』を国内盤DVDで観た感想。

L' AGRESSION』(75年)
監督:ジェラール・ピレス
脚本:ジョン・ブエル、ジャン=パトリック・マンシェット、ジェラール・ピレス
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
音楽:ロベルト・シャルルボア
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、カトリーヌ・ドヌーヴ、クロード・ブラッスール、レオノーラ・ファニ、ダニエル・オートゥイユ

初見。
ジャン=ルイ・トランティニャンカトリーヌ・ドヌーヴの珍しい共演作。

名優二人によるクライム・サスペンスということで期待は高かったのだが、映画はお世辞にも傑作とはいいがたい。
なんとなく全体的に70年代っぽい独特の弛緩した雰囲気が流れていて、それ自体嫌ではないが、ところどころ飛躍のある脚本にどうも問題があるようだ。

簡単に言えば家族を殺された男の復讐劇で、面白い映画だとも言えなくもないのだが、いろいろな意味でかなり“ヘン”な映画で、よくもまあ大物二人が出る気になったものだと驚いてしまう。

もちろん、トランティニャンもまだ老けていないし、この時期のドヌーヴはある意味60年代よりも美しく魅力的である。(ヌードシーンもあり)
しかし、クロード・ブラッスールの演技と存在感にさすがの二人も喰われてしまっていると言えなくもない映画だ。(そういえば、ダニエル・オートゥイユはどこに出ていたのだろう?)

DVDの画質は良好。

ジャン・オーレル監督の『恋のマノン』を国内盤DVDで観た感想。

MANON 70』(67年)
監督:ジャン・オーレル
脚本:ジャン・オーレル、セシル・サン=ローラン
撮影:エドモン・リシャール
音楽:セルジュ・ゲンズブール
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、サミー・フレイ、エルザ・マルティネリ、ジャン=クロード・ブリアリ

 
初見。
原作であるプレヴォーの『マノン・コスコー』を現代風に大胆に脚色した映画。

ともあれ、これは当時美の絶頂にあったカトリーヌ・ドヌーヴあっての映画である。
実際、この映画のドヌーヴは実に美しい。
それを観るだけでも楽しいのは事実だが、映画としては今一つ深みがない。
相手役のサミー・フレイも性格がネクラで、思ったよりも魅力が感じられないのは残念である。
むしろ、特別出演のジャン=クロード・ブリアリが“らしさ”を発揮して好演であった。

ちなみに、衣装はイヴ・サン=ローランではなく、エマニュエル・ウンガロが担当。
音楽もセルジュ・ゲンズブールだが、ヴィヴァルディの音楽もだいぶ使われているようで、どこからどこまでがゲンズブール作曲の音楽なのか判別不能である。
DVDの画質はHDマスターを謳っているだけあって極めて良好であった。

ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタル・リマスター版 特別映画祭』がヒューマントラストシネマ有楽町で開催されています。(12月7日まで)
上映作品は『パルムの僧院』『赤と黒』『悪魔の美しさ』『夜ごとの美女』『勝負師』の5作。
続いて名古屋、大阪でも開催予定です。
書店を覘いたら、『勝手にしやがれ』買い付けで有名な秦 早穂子氏の自伝的小説『影の部分』が発売されていました。
メルヴィルについても少し言及されています。

クロード・オータン=ララ監督の『肉体の悪魔』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。

LE DIABLE AU CORPS』(47年)
監督:クロード・オータン=ララ 
脚本:ピエール・ボスト、ジャン・オーランシュ 
音楽:ルネ・クロエレック 
出演:ジェラール・フィリップミシュリーヌ・プレール、ジャン・ヴァラス、ジャン・ドビュクール、ドニーズ・グレイ、ガブリエル・フォンタン、シルヴィー、ジャック・タチ

 
初見。
レイモン・ラディゲの原作を映画化した作品。
原作は読んでいないが、映画化にあたって、かなりの改変があるという。
いかにもこの時代のフランス映画らしいメロドラマではある。

それはそうとジェラール・フィリップ、このブログでは登場機会が多くないが、そのわけは単純で、彼の主演作をこれまでほとんど観てこなかったからである。
つまりは、俳優としての彼にあまり魅力を感じていなかったというのが正直なところ。
実際、これまでに観た作品も『モンパルナスの灯』(58)とか『危険な関係』(59)のような、どちらかというと晩年の作品ばかりであった。

ただ、昔読んだ本の知識で『肉体の悪魔』こそが彼の代表作だと信じこんでしまっていたので、この作品はいつかは観たいと思っていた。

というわけで前置きが長くなったが、実際に観たこの映画はとても良かった。
脚本、演出、撮影、俳優等々、どこがどうということなく、全て良い。
ヒロイン役のミシュリーヌ・プレールの出ている映画はジャック・ベッケル監督の『偽れる装い』他、いくつか観ているが、この映画における彼女の演技も実に素晴らしい。

もちろん、ジェラール・フィリップも強烈な存在感こそないが、好演である。
映画後半で、ミシュリーヌ・プレールと共にパリに出てからのいくつかのシーンは観る者の心にいつまでも余韻が残るような印象深いものだった。
これはもちろん、クロード・オータン=ララ監督による演出の妙もあろう。

それにしても、この作品の国内盤DVDを発売したジュネス企画はエラい。
DVDの画質はこのレーベルの常として決して満足できるものではないが、それでもレンタルのVHSなどで観るよりははるかにマシである。

ジェラール・フィリップ主演作では次は『赤と黒』を観る予定(紀伊国屋のDVDを購入済み)。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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