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6月27日紀伊国屋書店から発売される予定のDVDの新譜のラインアップが明らかになりました。
今回はフランス映画の名作が数多くラインアップされています。
http://www.kinokuniya.co.jp/02f/d12/2_12000top.htm

まず、長らく廃盤だったアラン・レネ監督の大傑作『去年マリエンバートで』がついに再発されます。(前回は東北新社からの発売)
廃盤だった東北新社盤はプレミアが付いて2万円前後で取引されておりましたが、今回の再発で価格も落ち着くことでしょう。
東北新社盤を持っている者としては、少々複雑な気持ちもありますが…。

5月発売の『雨の訪問者』に続く、ルネ・クレマンの70年代シリーズ?、6月は『パリは霧に濡れて』が発売になります。
これも楽しみですが、次回は是非とも『狼は天使の匂い』の発売を期待したいところです。
狼は天使の匂い』は個人的に最も観たい映画の一つなので。

フィルム・ノワール・シリーズで出ていた『天使が隣で眠る夜』(ジャック・オディアール監督)のエンタメ・プライスでの発売も嬉しい。
ずっと買うか買うまいか迷っていたので、待っていた甲斐があろうというものです。

しかし、個人的に、今回のラインアップで最も嬉しいのは『ジャック・ドゥミ初期作品集DVD-BOX』の発売です。(内容は『ローラ』『天使の入江』、『ジャック・ドゥミ短編集』)

ジャック・ドゥミといえば、最近日本でもリバイバル公開された『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』が有名ですが(二つとも国内盤DVDは廃盤)、個人的に一番DVD化を望んでいたのは『ローラ』でした。

この作品、音楽がミシェル・ルグラン、撮影はラウル・クタール、主演はアヌーク・エーメであり、“ヌーヴェル・ヴァーグの真珠”と評されることで有名な作品です。
ところで、この有名なキャッチフレーズ、誰が言った言葉かご存知ですか?
意外と思われるかもしれませんが、あのジャン=ピエール・メルヴィルが、この『ローラ』を激賞して評した言葉なのです。

だから、というわけではありませんが、この作品を観ることがずっと夢でした。(ちなみに、私はアヌーク・エーメも好きです)
それだけに、今回の国内DVD化は嬉しい限り。
天使の入江』、『ジャック・ドゥミ短編集』も実に楽しみです。

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5月に『賭博師ボブ』の国内盤DVDの発売が決定しているジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンから改称、以下略称:ユニバーサル)ですが、6月発売の『ユニバーサル・セレクション1,500円 2009 WAVE 5』のラインアップが発表されました。
リンク

結論からいうと、メルヴィル作品のDVD化は残念ながら今回はナシ!なのですが、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『密告』、ジャン・コクトー監督の『オルフェの遺言』、ジャン・シャポー監督、アラン・ドロン主演の『燃えつきた納屋』など、フランス映画の注目すべき作品のDVDが発売されます。

クルーゾー監督の『密告』は昨年ジュネス企画からも国内盤DVDが発売となりましたが、実績から言っても、今度のユニバーサル盤の方が画質が良いことは間違いないでしょうし、価格も遥かに安価。
ジャケもいい感じです。

ジャン・コクトー監督の『オルフェの遺言』は待望の国内盤再DVD化。
前回は東北新社から国内盤DVDが発売されていましたが、長らく廃盤、例によってプレミアが付いていました。
私もおいそれとは手が出なかっただけに、今度の廉価盤発売は嬉しいですね。

ジャン・シャポー監督、アラン・ドロン主演の『燃えつきた納屋』は今回が国内盤初DVD化。
このところ、ユニバーサルはドロン作品を必ずと言ってよいほどラインアップに加えています。
恐らくは、リクエストも多く、また固定ファンの多いドロン作品はある程度の売り上げが見込めるのでしょう。
私はこの作品は未見ですが、シモーヌ・シニョレとの共演に興味を惹かれます。
ドロン作品の常連ポール・クローシェの名前もあります。

ジェラール・ウーリー監督の『大追跡』を国内盤DVDで観た感想です。

image26.jpgLe Corniaud』(65年)
監督:ジェラール・ウーリー
脚本:マルセル・ジュリアン、ジェラール・ウーリー
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ブールヴィル、ルイ・ド・フュネス、アリダ・ケッリ、ベバ・ロンカー、ランド・ブッツァンカ

60年代のフランスのコメディ俳優といえば、個人的にはジャック・タチが馴染み深いのですが、当の本国フランスではブールヴィルルイ・ド・フュネスが大変な人気で、彼らが主演したこの『大追跡』、後の『大進撃』(66年)などはフランス映画史でもトップクラスの大ヒットを記録したといいます。
これらの作品は当時日本でも公開されたようですが、日本の観客の受けはどうだったのでしょうか。

かくいう私も、彼らのコンビ作を観るのは今回が初めてだったのですが、内容はかなり面白かったです。
作風としては地味と言えば地味ですし、これといったスター俳優、スター女優は出てきませんので、その辺が日本で今一つ受けていない(?)理由かもしれませんが、ストーリーのテンポが実に良く、脇役も含め、俳優陣が皆魅力的な作品でした。

特に、お人好しのアントワーヌを演じるブールヴィルがいい。
こういう作品を観ると、メルヴィルの『仁義』(70)において、彼が演じたマテイ警視役がいかに彼にとって大きな挑戦であったのか分かってくるような気がします。
そして、『仁義』での警視役は卑劣なこともする割には、どこか温かみを感じさせる人間像でしたが、それは、ブールヴィルの生まれ持ったキャラクターによるものだということが、分かってくるような気がします。
もちろんブールヴィルのそういった要素を活かしたメルヴィル演出という側面もあるのでしょう。

彼に絡む女優二人も良く、アンリ・ドカによる撮影、ジョルジュ・ドルリューの音楽も結構なものでした。

ピーター・ブルック監督の『雨のしのび逢い』を国内盤DVDで観た感想です。

image143.gifMODERATO CANTABILE』(60年)
監督:ピーター・ブルック
原作:マルグリット・デュラス
脚本:ジエラール・ジャルロ
撮影:アルマン・ティラール 
音楽:アントニオ・ディアベリ
出演:ジャンヌ・モロー、ジャン=ポール・ベルモンド

邦題はかなり謎。
雨の降る、そんな場面はないからです。
原題は「普通の速さで歌うように」という音楽的な意味で、映画冒頭で、ジャンヌ・モローの子供がピアノのレッスンで繰り返し言わされますが、実際に映画を観終わると、なんとも意味深なタイトルであるということが分かってきます。

内容はかなり地味。
簡単に言えば、ある小さな港町を舞台にした工場長婦人と、その工場で働く若者の不倫劇ですが、これといったドラマチックはシーンはほとんどないので、観ていて眠気を催す人も多いかもしれません。
しかし、じっくりと見せてくれる魅力のある映画です。

ピーター・ブルックは舞台演出で有名な人とのことですが、この映画では、絵画のように美しい映像が次々と現れ、映像に対する感覚でも確かな美意識を持っていると感心させられます。
男女二人の惹かれ合う様子や、双方が何を求めているのかが、一見分かりやすいようで意外と分かりにくいのですが、かえって、そのことがこの作品の奥深さを物語っているのかもしれません。

メルヴィルの『モラン神父』(61年)もそうでしたが、この時期のジャン=ポール・ベルモンドのナイーヴな感性を湛えた演技は素晴らしい。
そして、それ以上に素晴らしい演技を示しているのがジャンヌ・モローであり、彼女の容姿の美しさという意味でもピーク時と言えるかも。
彼女はこの作品でカンヌ映画祭主演女優賞を受賞。

子供のピアノのレッスンのシーンや、ところどころで流れる音楽の作曲者は、ベートーヴェンの『ディアベッリの主題による変奏曲』で有名な、ディアベッリ
作曲家だったんですね…知りませんでした。

国内盤DVDの画質は良好です。

23日、都内某デパートにて、フランス人デザイナーのアニエス・ベー女史に遭遇しました。
どうやらブランドの日本上陸25周年記念ということで来日中らしいです。
関連サイトへのリンク
基本的にミーハーな私ですが、他の人たちのように一緒に写真を撮ってもらうような勇気もなく、女史の姿を遠目に眺めるだけでした。

実際、このブランドのものはほとんど買ったことがないのですが、フランス製のものが多い割には、価格は比較的手の届きやすいという印象があります。
ここ数年はショップを覗くこともほとんどありませんが…。

ところで、アニエス・ベーといえば、シネフィルとしても知られていて、ゴダールの『右側に気をつけろ』(87年)の製作にもかかわったということです。
このことは、山田宏一氏の『山田宏一のフランス映画誌』(ワイズ出版)にも書かれていますが、その記事中(14~20ページ)で紹介されているアニエス・ベー選出によるフランス映画のセレクションがなかなか興味深いです。
アニエス・ベーによって選ばれたフランス映画は以下の7本…(製作年代順)
6582dff0.jpeg
●『ランジュ氏の犯罪』(ジャン・ルノワール監督 1935)
●『セザール』(マルセル・パニョル監督 1936)
●『快楽』(マックス・オフュルス監督 1952)
●『はなればなれに』(ジャン=リュック・ゴダール監督 1964)
●『サムライ』(ジャン=ピエール・メルヴィル監督 1967)
●『終電車』(フランソワ・トリュフォー監督 1980)
●『冷たい水』(オリヴィエ・アサイヤス監督 1994)

なんといっても、メルヴィルの『サムライ』が選ばれているのが嬉しいところですが、他の作品のラインアップも、一般的なフランス映画の名作のセレクションとは一味違っているのが、かえって女史の映画への造詣の深さを感じさせます。(7本という本数に何か意味があるかどうかは不明)

ちなみに、私がこの中で観たことがある作品は、当然『サムライ』、そして『はなればなれに』『終電車』の3本だけです。
なお、『はなればなれに』『終電車』はどちらもスクリーンで観たことがありますが、『サムライ』はいまだにスクリーンで観たことはありません…。

他の作品では、特にルノワールの『ランジュ氏の犯罪』は以前から是非観たい作品の一つです。
紀伊国屋書店から発売されているルノワールのDVDボックスにこの作品が入ることを期待していましたが、どうやら叶わなかったようですね…。

有楽町朝日ホールで行われていた映画祭『フランス映画の秘宝』が終了しました。
計13本の上映作品のうち、私は結局『海の沈黙』『肉屋』『曳き船』『罪の天使たち』の4本を観ました。
仕事の時間の合間を縫っての鑑賞でしたので、経済的な理由も含め、もとより全作品を観るのは無理な話でしたが、残念だったのはジャック・ベッケル監督の『最後の切り札』を見逃してしまったことです。
これはホントに残念。

今回の映画祭は、メルヴィルファンとしては『海の沈黙』が日本初公開されるというだけで充分意味のあるものでしたが、言うまでもなく、それ以外にも珍しい作品がいくつも上映されました。
なにしろ、4本しか観ていないので偉そうなことは言えないのですが、私が観た中では、ブレッソンの『罪の天使たち』などは珍しいということ以上に素晴らしい作品だったと思います。

作品のセレクトや映画祭の意図に一部で不満の声もあるようですが、それはおそらくどんな形になってもあったでしょう。
個人的には、60年代ぐらいまでの作品に絞った方が良かったような気もしますが、映画祭に合わせてのジャック・ドワイヨン監督来日とのことで、彼の作品も入れる必要性から、80年代以降の作品を入れてきたのもしれません。
そのあたりの作品は観ていないので、なんとも言えませんけどね。
あと、当日券が1800円というのはもうちょっと何とかならないかなぁ…。

それに、“秘宝”というべき日本未公開のフランス映画の作品は他にも枚挙に暇がないはずですので、フランス映画ファンとしては、いつの日か、また同じような企画があればと思います。

あと、『罪の天使たち』(ロベール・ブレッソン監督)、『あなたの目になりたい』(サッシャ・ギトリ監督)、『三重スパイ』(エリック・ロメール監督)、『最後の切り札』(ジャック・ベッケル監督)の4本はこの映画祭の後、全国で巡演されるようです。
http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000bo9ko.html
さし当たっては今月の20、21日に仙台(せんだいメディアテーク)で上映されるようですが、入場料が安いのが羨ましい。(一般1,000円 大学生以下800円)
http://www.smt.city.sendai.jp/fr2008/
他にも詳しい日時等分かりましたら、またこのブログでお知らせできればと思います。

先日、映画祭『フランス映画の秘宝』で観たジャン・グレミヨン監督の『曳き船』についてメモを残します。

曳き船』(1941年)
監督:ジャン・グレミヨン
出演:ジャン・ギャバンミシェル・モルガンマドレーヌ・ルノー

ジャン・グレミヨン監督の作品を観るのは初めてだと思います。
ロジェ・ヴェルセルという人の原作を元にした映画ですが、脚色のメンツが凄い。
ヴェルセル本人の他、シャルル・スパークアンドレ・カイヤット、そして、あのジャック・プレヴェールです。
ちなみに、台詞はジャック・プレヴェールとジャン・グレミヨン。
撮影のアルマン・ティラールという人はよく知りませんが(『素直な悪女』も撮っている人のようです)、美術はあのアレクサンドル・トローネルです。

ところで、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガンの共演作といえば、あのマルセル・カルネ監督の名作『霧の波止場』が思い起こされます。
あの作品は大好きなので、当然今度の『曳き船』にも期待が高まりました。

会場に入って気づいたのですが、客席の年齢層が高い!
高齢者(失礼!)の方々のジャン・ギャバンへの人気ゆえでしょうか。

ジャン・ギャバンは、海難救助のための曳航船の船長役を演じていますが、いかにも男らしい彼にピッタリの役で、ファンにとっては、それだけでも満足度が高いわけですが、ストーリーもいかにもこの時代のフランス映画という感じです。

映画中盤ぐらいまでのギャバン夫婦のやり取りがなかなか面白いです。
昔も今も変わらぬ男と女の心理、関係性が絶妙に表現されていたように思います。
その一方で、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガン二人が惹かれ合ってゆく過程がもう一つ説得力が薄いような気もします。
ミシェル・モルガンの夫であるミルヴァ号の悪徳船長の存在感をもう少し膨らませれば、映画はさらに盛り上がったような気がしないでもありません。
この作品でのミシェル・モルガンの魅力はまずまずといったところ。
ラストのギャバンの表情は見ものでした。

あと、この映画祭で以前観た『海の沈黙』同様、英語字幕が画面下部に入りますが、概して画面は暗めで、この作品に関してはプリントの状態はあまり良いとは思えませんでした。(映画後半で急に色調が薄くなるところもありました)

次回はこの映画祭で観たロベール・ブレッソン監督の長編処女作『罪の天使たち』について書きたいと思います。

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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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