忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前々回の記事で『拳銃の報酬』国内DVD化の情報を取り上げましたが、やはり同じ6月26日に紀伊国屋書店から『シベールの日曜日』(62)のDVDも発売となります。
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/629358
この作品は私も未見で、これまでレンタルを探しても見つかりませんでした。
それだけに今回の国内DVD化(HDニューマスター版)は嬉しいです。

ところで、この『シベールの日曜日』の主演の女の子はメルヴィルの『モラン神父』(61)でエマニュエル・リヴァの娘役を演じていたパトリシア・ゴッジ
監督のセルジュ・ブールギニヨンは『モラン神父』を観て、パトリシア・ゴッジの起用を思いついたと言われています。
ちなみに、セルジュ・ブールギニヨンはメルヴィルの『恐るべき子供たち』(49)の助監督の一人だったという説もありますが未確認。
そして、『シベールの日曜日』の撮影はあのアンリ・ドカです。
言うまでもなく、アンリ・ドカは『恐るべき子供たち』『モラン神父』の撮影も担当しています。
PR
長らく国内盤DVDが廃盤となっていた『ショック療法』(72年、アラン・ジェシュア監督、アラン・ドロンアニー・ジラルド主演)のニューマスター版DVDが4月24日に紀伊国屋書店から発売されます。
私も旧盤を買いそびれていただけに今回の再発は嬉しいです。
アラン・ドロン関連では『サムライ』の発売も待ち遠しいですが、いっそのこと『仁義』もニューマスター版で出してくれませんかねぇ…。

ジャン・シャポー監督の『燃えつきた納屋』を国内盤DVDで観た感想。

LES GRANGES BRULEES』(73年)
監督:ジャン・シャポー
脚本:ジャン・シャポー、セバスチャン・ルーレ
撮影:サッシャ・ヴィエルニ
音楽:ジャン=ミシェル・ジャール
出演:アラン・ドロン、シモーヌ・シニョレ、ポール・クローシェ、ピエール・ルソー、カトリーヌ・アレグレ、ミュウ=ミュウ、クリスチャン・バルビエ

初見。
フランスのある寒村で起きた殺人事件を通して、農家の女主人ローズ(シモーヌ・シニョレ)と、事件の調査をする予審判事(アラン・ドロン)の心理的対立を描いた作品。

前半からいろいろ思わせぶりな前振りがあるので、面白くなりそうな雰囲気はあるのだが、期待したほどは面白くならなかったかなという印象。
サッシャ・ヴィエルニによる映像の美しさもあって、寒村や農家の雰囲気描写は魅力的だったのだが…。

ただ、アラン・ドロンシモーヌ・シニョレの演技と存在感は見ごたえがある。
とりわけシモーヌ・シニョレの演技力はさすがに大したものだと改めて思った。
その夫役を演じたポール・クローシェの存在感の無さもかえってその役柄に合っているのかもしれない。
地元の善良な警官を演じたクリスチャン・バルビエもいい。

また、ジャン=ミシェル・ジャールによるシンセサイザーを多用した音楽も効果的だった。

そういえば、この作品はシモーヌ・シニョレ、ポール・クローシェ、クリスチャン・バルビエとメルヴィルの『影の軍隊』(69)に出演していた俳優が3人も出ている。

マックス・オフュルス監督の『たそがれの女心』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。

MADAME DE...』(53年)
監督:マックス・オフュルス
脚本:マックス・オフュルス、マルセル・アシャール、アネット・ワドマン
撮影:クリスチャン・マトラ
音楽:ジョルジュ・ヴァン・パリス
出演:ダニエル・ダリュー、シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ジャン・ドビュクール

初見。
クラシカルなコスチュームもののメロドラマ。
題材的にはあまり好みでないのですが、マックス・オフュルス監督作品、そしてダニエル・ダリュー他の豪華キャストに興味があったので観てみました。

マックス・オフュルス監督といえば流麗なるカメラワークということで一般的にも有名なようですが、実際、この作品でのカメラワークも俳優の動きに吸い付くようにピタリとはまっており見事です。

主演の3人も素晴らしい。
ダニエル・ダリューはタメ息ものの美しさで演技もうまい。
その夫役のシャルル・ボワイエもさすがにいいですね。
ダニエル・ダリューもそうですが、こういったコスチュームものを演じて、昨今の俳優には見られないノーブルな雰囲気、立ち振る舞いを見せてくれ、いかにもヨーロッパの名優、名女優という存在感を示しているのが素晴らしいと思います。

その二人に絡むヴィットリオ・デ・シーカはイタリア映画の名監督として有名な人ですが(代表作品に『自転車泥棒』、『ひまわり』など)、もともと俳優出身の人であり、ここでも俳優としても見事な演技を見せてくれます。

アンドレ・カイヤット監督の『裁きは終りぬ』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。

d6ed9ee7.jpegJUSTICE EST FAITE』(50年)
監督:アンドレ・カイヤット
脚本:アンドレ・カイヤット、シャルル・スパーク
音楽:レイモン・ルグラン
出演:ヴァランティーヌ・テシエ、クロード・ノリエ、ジャック・カステロ、マルセル・ペルス、レイモン・ビュシェール、ディタ・パルロ、ミシェル・オークレール、ジャン・ドビュクール

初見。
アンドレ・カイヤット監督の作品にはこれまで縁がなく未見でした。
この作品は陪審員制度をテーマとした作品ということで堅苦しい内容の作品を予想していましたが、思いのほか親しみやすくてちょっとびっくり。

末期ガンだった愛人を本人の要請に従って毒殺した被告の女(クロード・ノリエ)を7人の陪審員が裁く…というもので、安楽死を巡る問題が大きなテーマになっていますが、映画の内容は、裁判そのものよりも、陪審員一人一人の私生活を丁寧に描いている点が変わっています。
また、描写のタッチもなかなかユーモアに富んでいます。

正直なところ、陪審員の議論の内容にもっと緻密さがあっても良かったと思いますが、陪審員一人一人の私生活を描くことで、自然と陪審員制度の問題点を考えさせられる内容になっているのが面白いと思います。

キャストもいわゆるスター級の俳優は出ていませんが、どこかで見た顔が何人も出演しています。
フェリックスを演じたレイモン・ビュシェールは後にジャック・ベッケル監督の『肉体の冠』(53)でセルジュ・レジアニの友人役という重要な役柄を演じていることになる俳優。

男の陪審員を追うストーカー女性を演じたのはディタ・パルロ
といってもほとんどの人はピンとこないでしょうが、あの『大いなる幻影』の後半でジャン・ギャバンを助けるドイツ人女性といったらお分かりになるのではないでしょうか。
この作品では登場場面が少なかったのが残念。
a1fd4f4c.jpeg
被告人エルザ役のクロード・ノリエは他の作品で見た記憶がないのですが、感情を表に出さない無表情から醸し出される存在感がなかなか良かったですね。
一方で、その愛人役のミシェル・オークレール(『情婦マノン』)のヒステリックな部分が効いています。

あと、この作品の音楽を担当しているレイモン・ルグランは、あのミシェル・ルグランの父だそうです。

ピエール・グラニエ=ドフェール監督の『離愁』を国内盤DVD(キング・レコード)で観た感想。

8dad3efd.jpegLE TRAIN』(73年)
監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:ピエール・グラニエ=ドフェール、パスカル・ジャルダン
撮影:ワルター・ウォティッツ
音楽:フィリップ・サルド
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ビロー、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ニケ・アリギ、ポール・ル・ペルソン

再見。
ジョルジュ・シムノン原作の小説を映画化したもので、原題は『列車』。
第二次大戦中のフランスを舞台に、ドイツ軍の爆撃から列車に乗って逃げる男女二人の恋愛模様を描いた作品。

主演の二人が素晴らしすぎる。
ロミー・シュナイダーが演じるアンナはユダヤ人であり、夫や両親も既にドイツ軍によって殺されている。
いつ自分自身がその目に会うかもしれないという恐怖心、そして、一人の男性に次第に惹かれていく恋愛心理を抑制された見事な演技で表現している。
ジャン=ルイ・トランティニャンはどこがどうということはないが、存在感がとにかく素晴らしい。(結局は全部いいっていうことか…)
ラヴシーンも二人の肌のぬくもりが画面を通して直に伝わってくるかのよう。
もちろん、有名なラストに至っては言葉もない素晴らしさである。

この映画の一方の主役といえるのがフィリップ・サルドの音楽で、その美しいメロディーが映画を情感豊かに盛り上げている。
また、ワルター・ウォティッツ(『史上最大の作戦』『リスボン特急』)による映像がなんとも美しい。
脇役も充実しており、アンヌ・ヴィアゼムスキー(『バルダザールどこへ行く』『中国女』)がこういった作品に出ているのも珍しい。
また、ピエール・コレポール・アミオといったメルヴィルの『仁義』に出演した俳優の顔も見える。
総じて周囲の人間たちのキャラ設定がしっかりしているのも良く、邦題も傑作である。

ジョセフ・ロージー監督の『パリの灯は遠く』を国内盤DVD(東北新社)にて鑑賞。

92738dac.jpegMR. KLEIN』(76年)
監督:ジョセフ・ロージー
脚本:フランコ・ソリナス、フェルナンド・モランディ
撮影:ジェリー・フィッシャー、ピエール=ウィリアム・グレン
音楽:エジスト・マッキ、ピエール・ポルト
出演:アラン・ドロン、ジャンヌ・モロー、シュザンヌ・フロン、ミシェル・オーモン、マッシモ・ジロッティ、ミシェル・ロンダール、ピエール・ボイト、 ジュリエット・ベルト

再見。
舞台はあのメルヴィルの『影の軍隊』(69)と同じ1942年のドイツ占領下のフランス。
自分と同姓同名(ロベール・クライン)の男がユダヤ人であることから当局に追われる羽目になった主人公が、その同姓同名の人物を捜し求めるというのが簡単なストーリー。

このテーマだけで2時間もたせてしまう演出のパワーは大したものだと思うのだが、それにしても、この重苦しさは尋常ではない。
image230.jpg重苦しいといえばやはり『影の軍隊』もそうだが、あちらの方がまだいろいろとドラマチックな展開があるので救われる気がするが、こちらはミステリーともサスペンスともつかない、むしろホラーに近いような恐ろしさや不気味さを湛えている。
城館のシーンなど悪夢か何かのように思われるし、そこに登場するジャンヌ・モローなど、ほとんど幽霊のようだ。
もう一人のロベール・クラインのアパートの場面もなんとも薄気味悪い。
そこがまた映画的興味を惹くのも事実なのだが。

一方で、名匠アレクサンドル・トローネルによる美術が、この作品に見事なまでの古典的な風格を与えている。
そして、その格調ある映像美にピタリとはまるアラン・ドロンの存在感と演技がまた素晴らしい。
そのクラシックなファッションと着こなしも見ものである。
また、ドロンの弁護士役のミシェル・ロンダールも好演している。


ところで、話は変わるが、ジャンヌ・モローといえばルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』のHDニューマスター版DVDが9月に紀伊国屋書店から発売になる模様。
詳細はこちら

[2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9]
テンプレ作った人:おみそ
今すぐブログ始めるなら:[PR]

PR:忍者ブログ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。
カテゴリー
最新コメント
[04/14 マサヤ@管理人]
[04/10 mon]
[11/07 マサヤ@管理人]
[11/06 mon]
カウンター
忍者AdMax
NINJA TOOLS
アーカイブ