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978-4-8188-1981-8.jpg最近本屋を覗いて見つけた本を紹介します。
とはいっても、買って読んだわけではないんですが。

フランス映画の社会史 マリアンヌのフィアンセたち
ピエール・マイヨー著 中山裕史 中山信子訳 日本経済評論社

内容
日本語版への序文
はじめに
第1章 「フランス人」の原像-1930年代
第2章 新たなチャンス-1935~36年
第3章 労働者階級の死-1937~39年
第4章 ドイツ熱とフランスの再建-1940~44年
第5章 白馬の騎士の出現-1945~59年
第6章 アメリカ熱とフランスの解体-1959~68年
第7章 「フランス人」復活-1970~90年
結 語
補 論-2000年以降
訳者あとがき

ジャン・ギャバンジャン・マレージェラール・フィリップアラン・ドロンジャン=ポール・ベルモンドジェラール・ドパルデューというフランス映画の6人のスター俳優を、フランス社会との関連性で論じるという、あまりない切り口の本です。

私はドロンとベルモンドの項をパラパラと立ち読みしただけですが、正直言いまして、購入するほどの興味は湧きませんでした。
購入を躊躇したのは、少々値が張るせいもありますが…。

しかし、ドロン、ベルモンドが論じられている書物自体珍しいので、興味のある方はお読みになってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、口絵には、『サムライ』のワンシーンの写真が紹介されています。

ネットで読める読売の書評

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4af440db.gifジャック・ドワイヨン監督の『ラ・ピラート』を鑑賞。

La pirate』(84年)
出演:ジェーン・バーキン、マルーシュカ・デートメルス、フィリップ・レオタール、アンドリュー・バーキン、ロール・マルサック
撮影:ブリュノ・ニュイッテン、音楽:フィリップ・サルド

DVDにて鑑賞。
ジャック・ドワイヨン監督の作品を観たのはおそらく初めて。
“80年代フランスを代表する最も重要な傑作”とパッケージにあるが、レズビアン関係を絡めたヒステリックな愛憎劇で、個人的にはちょっと苦手な作風。
ニュープリントというDVDの画質も、年代から期待したほどは良いとは思えない。

ジェーン・バーキンが、夫と元愛人の女性の間で奪い合いになる女性アルマを演じているが、そこまでの魅力が感じられなかった。
正直言って、ジェーン・バーキンは女優としての彼女より、歌手としての彼女の方に魅力を感じる。

キャストで良いと思ったのは、マルーシュカ・デートメルスフィリップ・レオタールロール・マルサック
とりわけ、フィリップ・レオタールの飄々とした存在感で、映画が救われる気がする。
現代音楽風のフィリップ・サルドの音楽は、さすがにいい味を出している。

6月21日~28日の間、早稲田松竹にてルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(67)と、マノエル・デ・オリヴェイラ監督の『夜顔』(2006)が二本立てで上映されます。
この二作をスクリーンで続けて観られる機会はなかなかないと思われますので、お時間のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

カトリーヌ・ドヌーヴ主演、ブニュエル監督の『昼顔』は言うまでもなく歴史的名作で、ジョゼフ・ケッセルの小説の映画化作品ですが、ケッセルといえば、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の、あの『影の軍隊』の原作者でもあります。
また、ピエール・クレマンティジュヌヴィエーヴ・パージュといった味のある助演陣も大変充実している作品です。

一方、『昼顔』にも出演していたミシェル・ピコリ、そして、ビュル・オジェが主演、オリヴェイラ監督の『夜顔』も昨年スクリーンで観て、かなりの傑作と見受けました。
かなり渋いですが。
何度も登場するバーのシーンがなんとも言えず良く、ミシェル・ピコリの老練の演技がさすがに素晴らしかったですね。

image72.gifLa lecon particuliere』(68年)
監督:ミシェル・ボワロン
脚本:ミシェル・ボワロン、クロード・ブリュレ、アネット・ヴァドマン
撮影:
ジャン=マルク・リペール
音楽:フランシス・レイ
出演:ナタリー・ドロン、ルノー・ベルレー、ロベール・オッセン

ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』(67)において女優デビューを飾ったナタリー・ドロン
その『サムライ』でナタリーの愛人ヴィエネル氏を演じたミシェル・ボワロンが監督をし、ナタリーを主演に起用した作品がこの『個人教授』です。

image73.gif内容は、高校生(?)の若者が、レーサーの彼氏を持つ年上女性と知り合い、恋に落ちる…というラヴ・ストーリー。
いかにも60年代後半のフランス映画という雰囲気のある映画で、パリの街をロケ撮影した映像も魅力的。
タイトルから、なんとなくエロ映画を期待しがちですが(私だけ?)、残念ながら、そういった要素はほとんどありません。
むしろ、実に脚本のしっかりした映画なので驚かされます。
印象的なシーンはいくつもありますが、特にスキー場でのチークダンスのシーンは素晴らしい。
全篇で流れる、フランシス・レイの流麗で感傷的な音楽も大変印象的。

image74.gifそして、ヒロインであるフレデリクを演じるナタリー・ドロンが美しく、演技、存在感ともに素晴らしい。
学生役のルノー・ベルレーも役柄にピッタリで、あまり美男過ぎないのが良いのか、結構感情移入して観てしまいます。

また、フレデリクの年長の彼氏であるカーレーサー、エンリコ・フォンタナを演じるロベール・オッセン(特別出演)の存在感が際立っていて、彼の登場する後半から物語が締まってくるような感があります。
ロベール・オッセンが乗っている車が、その世代には懐かしいランボルギーニ・ミウラ(しかも黄色!)というのも嬉しいところ。
『サムライ』で味をしめた(?)のか、オリヴィエの父親役にミシェル・ボワロン自ら出演しています。

image70.gif前回お伝えした『影の軍隊』のDVDの発売と同時(8月7日)に、ユニバーサル・ピクチャーズからフランス映画の注目すべきDVDが3点発売になります。

しかも、どれも初DVD化1500円という廉価です。
右画像は『雨のしのび逢い』のジャケット。
ジャンヌ・モローの表情が実に良い感じです。

発売されるのは次の3点。

●『追悼のメロディ』(77年。監督:アンリ・ヴェルヌイユ、出演:ジャン=ポール・ベルモンド、マリー=フランス・ピジェ、ベルナール・ブリエAmazonへのリンク

●『雨のしのび逢い』(61年。監督:ピーター・ブルック、出演:ジャンヌ・モロー、ジャン=ポール・ベルモンド、ディディエ・オードパン)Amazonへのリンク

●『大追跡』(66年、監督:ジェラール・ウーリー、出演:ブールヴィル、ルイ・ド・フュネス、アリダ・ケッリ)Amazonへのリンク

ユニバーサルの関連ページへのリンクはこちら。

DVD化された作品の少ないジャン=ポール・ベルモンドの出演作が2点DVD化されるのも嬉しいですし、主演作が全くと言ってよいほど国内DVD化されていないブールヴィルの主演作『大追跡』のDVD化というのも密かにビッグ・ニュースではないでしょうか。
フランス映画のDVDは、一部レーベルで品質に問題があったり、高価であったり、すぐ廃盤になったりと、ファンにはなかなか期待に沿うものが少ないのが現状ですが、今後も(できる限りファンの期待に沿う形で)どんどん発売して欲しいものです。

image40.gifこれまで未見だったハーフ・ア・チャンス』のDVDを購入、観ました。
97年の作品です。
監督:パトリス・ルコント
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、ヴァネッサ・パラディ

ストーリーは…
車を盗難することを生業としているアリス(パラディ)だが、亡き母の遺言テープによって、自分には二人の父親の可能性の男性がいることが分かる。アリスは二人の男性を探し出すが、ひょんなことから3人ともにギャングと警察の争いに巻き込まれる…というもの。

なんといっても、二人の大スター、『ボルサリーノ』(69)以来28年ぶりの共演作です。
その間にはメルヴィル監督の『仁義』(70)で共演する話が流れてしまったという残念な経緯もありました。(『仁義』でのジャン=マリア・ヴォロンテの役は、もともとメルヴィル監督がベルモンドを想定して書いた役でした)

個人的に、パトリス・ルコント監督といえば、文芸肌の恋愛作品を撮る監督というイメージでしたが、この作品は大スター二人に敬意を表してか、完全な娯楽アクション作品に仕上げています。
作品のトーンとしては、どちらかというと、ベルモンド寄り?かもしれません。

それにしても、二人のファンとしては、もう二人が仲良く画面に収まっているだけで、なんともいえず幸せな気分になります。
もちろん、二人の風貌には年齢は隠せませんが、むしろだからこそ、その人間味や温かさがにじみ出て、この作品に必要な子供への愛情が見事に表現されているのではないでしょうか。
二人のセリフの掛け合いも楽しいし、ラストの縄梯子のくだりなどもう最高でした。
そして、二人とも共演を楽しんでいるのが映像を通して伝わってきて、観る側も嬉しくなってきます。

ただ一つ残念なことは、市販のDVDの画質がイマイチだったことです。

5343eb5c.gifコンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督の『Z』を取り上げたいと思います。
監督の故国ギリシャを舞台とした政治サスペンス映画の傑作です。
ただ、政治的影響を警戒してか、ギリシャという国名は映画中では伏せられています。
有名な作品ですので、ご覧になった方も多いでしょう。
フランス映画の豪華なキャストがズラリと揃った様は壮観です。

出演:イヴ・モンタン、ジャン=ルイ・トランティニャン、ジャック・ペラン、フランソワ・ペリエ、イレーネ・パパス、レナート・サルヴァトーリ、マルセル・ボズフィ、シャルル・デネ、ピエール・デュ

監督、脚本:コンスタンタン・コスタ=ガヴラス、製作:ジャック・ペラン、原作:ヴァシリ・ヴァシリコス、脚本:ホルヘ・センプルン、撮影:ラウール・クタール、音楽:ミキス・テオドラキス、編集:フランソワーズ・ボノ

99c3f255.gifコスタ=ガヴラス監督のことをメルヴィル監督が高く評価していたことは、先日紹介したルイ・ノゲイラ著「サムライ」を読むとよく分かりますが、それを読む限り、メルヴィル監督自身は『Z』よりも『告白』の方を高く評価していたようです。
しかし、私自身この二つの作品を見比べますと、観ていて面白いのは断然『Z』の方です。
ストーリーの面白さはもちろんですが、なんといいますか、映画の放つ“熱”に圧倒される作品です。

cd673f73.gifとりわけ、映画後半でジャン=ルイ・トランティニャン演じる予審判事が政府高官を次々と尋問、事件を解明していくシーンの畳み掛けるような展開の面白さは無類です。
トランティニャンはこの作品で、カンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞。

製作も兼任し、映画化に奔走したジャック・ペランがジャーナリスト役を好演していますし、レナート・サルヴァトーリ、マルセル・ボズフィの悪役二人もいい味を出しています。
もちろん、イヴ・モンタンの存在感も言うまでもありません。

e27435d2.gifこの映画では、ほとんどのメルヴィル作品の編集を担当していたモニーク・ボノの娘フランソワーズ・ボノ Francoise Bonnot(1939~ メルヴィルの『影の軍隊』でも編集を担当)が編集を担当、米アカデミー賞の編集賞を受賞しました。
展開の速いカットの切り替わりが、小気味良いテンポを映画に与え、素晴らしい映画的興奮をもたらしています。
また、フランソワーズ・ボノは映画監督アンリ・ヴェルヌイユの奥さんでもあったようです。(画像はCriterion盤『影の軍隊』の特典映像におけるフランソワーズ・ボノの近影)

また、意外とも思えるのが、ゴダールの多くの作品の撮影を担当していたラウル・クタールがこの作品で撮影を担当、自らも外科医役で出演しています。(モンタンの死後「残念でした…」という人がおそらくそれだと思います)

ミキス・テオドラキスの民族音楽調?の荒々しいスコアも大変魅力的。
冒頭の三連シャッフルの音楽から映画にグイっと惹き込まれます。
映画後半でのトランティニャンの尋問シーンの勇壮な音楽も忘れがたい。

そして、やはりこの映画も国内盤DVDが廃盤なのは残念としかいいようがありません。
ちょっと前までは店頭に並んでいましたが、廃盤になってからはあっという間に店頭から消えました。
私もプレミア価格になってから大枚叩いて買ってしまいました…。

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テンプレ作った人:おみそ
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HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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