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ジャン・グレミヨン監督の『白い足』を国内盤DVD(『珠玉のフランス映画名作選 DVD-BOX Vol.1』)で観た感想。

出演:シュジ・ドレール、フェルナン・ルドゥー、ポール・ベルナール、ミシェル・ブーケ、アルレット・トマ

呪われた映画作家”と言われるジャン・グレミヨン監督の映画は観られる機会が少ないが、昨今少しずつDVD化がなされている。
この『白い足』はもともとジャン・アヌイが脚本を執筆、監督もする予定だったが、撮影2週間前になってグレミヨンに委託してきたのだという。
グレミヨンは監督を受諾するにあたって、脚本の手直し、時代を20世紀初頭から現在に置き換えること、出演俳優の変更を条件にしたと言われる。(DVDの解説参照)
タイトルの”白い足”とは、古城に一人住む伯爵(ポール・ベルナール)がいつも白いゲートルを履いていることを指す。

内容はいかにもこの時代のフランス映画らしい不条理な悲劇。
観る者をどんどん惹き付ける演出力が見事である。
ただ、観ている間はこれは大傑作だと思っていたのだが、ラスト10分くらいになってから理解できない展開となった。
撮影直前に脚本の手直しをしたせいなのか、人物の心理的変化の描写が丁寧とは言えず、唐突な印象を与えるところもある。(大筋から言えばそれほど気にならないが)

ヒロインのシュジ・ドレールは、ルネ・クレマン監督『居酒屋』の印象が強烈な女優だが、これもそれに劣らぬ演技と存在感。
モリス役を演じたミシェル・ブーケはこれがデビュー作でさすがに若く、私は初め誰か分からなかった。(ただし、目はあの目)
宿屋亭主ジョリアン(DVDの解説書にはジュリアンと記されているが、映画中の発音はジョリアン)役のフェルナン・ルドゥーはこの時代のフランス映画好きには馴染みの顔で、『曳き舟』(グレミヨン)、『獣人』(ルノワール)『悪魔が夜来る』(カルネ)『赤い手のグッピー』(ベッケル)といった出演作がある。
伯爵役のポール・ベルナールはいかにもそれらしい雰囲気があるが、役の心理がもう一つ伝わってこないのは演出のせいなのか。

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前回に引き続き『25th Anniversary Seiko Matsuda PREMIUM DVD BOX』から、88年の武道館コンサートのライヴ映像『Sweet Spark Stream』を取り上げます。

聖子さんは88年に5月から9月にかけて武道館公演6回を含む全国20か所29回に及ぶライヴツアーを敢行しています。
このビデオは武道館公演を収録したもので、収録時間は55分。
映像を通して観ていると急に衣装が変わったりとカットが目立ちます。
コンサートの演出は映画監督でもある根岸吉太郎氏。
全篇収録されているわけではないので断定できませんが、これを観る限りではこの時代の聖子さんのコンサートの演出としてはオーソドックスな方。

1曲目から『SWEET MEMORIES』と意外な選曲。
前年のように声が出ていないということはなく、調子は悪くありません。
しかし、全体的にピッチの悪さが目立つところもあります。
男性ダンサーと歌い踊る『チャンスは2度ないのよ』『裏庭のガレージで抱きしめて』はリップシンク。
後半の『裸足の季節』から『Strawberry Time』までのヒットメドレーはリップシンク一切なしで乗り切っています。

個人的には『Marrakech ~マラケッシュ~』が収録されているのが嬉しい。
この曲の発表当時は『これは聖子ちゃん(のイメージ)じゃない!』と思ったものですが、今聴くとイイですね(笑)。
ちょうどアルバム『Citron』が出た頃のコンサートで、アルバムからも数曲歌ったようですが、このビデオには『抱いて…』が収録されているのみなのが残念。

その『抱いて…』、アルバム曲にかかわらず、歌番組での情熱的なパフォーマンスがあったりと、発表当時は『Marrakech ~マラケッシュ~』よりも目立っていた印象があります。
内容は不倫がテーマの歌ですから、個人的には悪い意味で聖子さんもここまで来たかという印象で、この歌を歌っている姿を見るのは正直言ってイヤでした。
しかし、今では本当に好きな曲になったのだからわからないものです。
ここでのパフォーマンスもなかなか気合の入ったものですが、気持ちを入れ過ぎたためか高音が届いていないところがあり、聖子さんの最上の歌唱パフォーマンスとは言えません。

このコンサートのバックも前年に引き続き小倉良氏率いるDang Gang Brothers Band
聖子さんとバンドメンバーとの絡みはファンからするとあまり見たくない感じ(笑)。

マックス・オフュルス監督の『歴史は女で作られる』を国内盤ブルーレイ(紀伊国屋書店)で観た感想。

Lola Montes』(55年)
脚本:マックス・オフュルス、アネット・ワドマン
撮影:クリスチャン・マトラ
音楽:ジョルジュ・オーリック
出演:マルティーヌ・キャロルピーター・ユスティノフアントン・ウォルブルック、オスカー・ウェルナー、ウィル・キャドフリーグ

19世紀に実在した伝説の踊り子ローラ・モンテスの恋の遍歴を、サーカスの演目にして(映画中ではほとんどがフラッシュバック)ローラ・モンテス本人が演じるという映画。
あのフランソワ・トリュフォーが絶賛していた作品としても知られている。

ブルーレイ自体は随分前に買っていたが、どうしても観られなかった。
何度チャレンジしても途中で寝てしまうからである。
今回ようやく完遂できたが、映画の印象としては微妙。

以前もマックス・オフュルス監督の映画と私の相性があまり良くないのではと書いたが、特にこの映画は引きの映像が多く、そのせいか、人物の心理がよく伝わってこない感がある。(サミュエル・フラーの映画でも同じことを感じたことがある)
実際、この映画でも全くと言ってよいほど顔のアップがない。
そのせいか、登場人物に感情移入しきれないきらいがあるのだ。

ヒロインのローラ・モンテスを演じたマルティーヌ・キャロルは、顔、スタイル、声、どれを取っても最高に美しい。
一部にはミスキャストという声もあるとのことだが、個人的にはこの役は彼女で不足ない。
しかし、ローラ・モンテス本人のせいなのか、演出のせいなのか、演技力のせいなのか、ヒロインの人間像が生き生きと浮かび上がってこない印象がどうしても残る。
上に述べたようなカメラワークも関係しているかもしれないが、最後までヒロインの人間像に強い魅力を感じないのは、こういった映画では厳しいところ。
サーカス団のMCとの関係ももっと膨らみが欲しいと感じてしまう。

ちなみに、ルートヴィヒ1世役のアントン・ウォルブルックはジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『埋れた青春』(53)にも出演している。
学生役のオスカー・ウェルナーはトリュフォー監督の『突然炎のごとく』(62)、『華氏451』(66)が代表作として有名。


ブルーレイの映像はシネマテーク・フランセーズが修復したとあって、素晴らしい出来。
映像の色彩の美しさはそれだけでも充分に見ものである。

マルセル・カルネ監督の『陽は昇る』を国内盤DVD(コスミック出版)で観た感想。

Le jour se leve』(39年)
脚本:ジャック・ビオ
台詞:ジャック・プレヴェール
音楽:モーリス・ジョベール
出演:ジャン・ギャバン、ジャクリーヌ・ローラン、アルレッティ、ジュール・ベリ

正規盤としてはいまだにDVD化されていない映画だが、コスミック出版から発売されていいる『フランス映画 名作コレクション 2 DVD10枚組』(本屋でよく販売されている)の中に収録されていたので観ることができた。
というか、この作品以外の作品はほとんど正規盤で持っているから、この映画目当てでこの10枚組を買ったと言っていい。
なにしろ正規盤ではないので、画質等のクオリティが劣るのは致し方ないが、10枚組としては驚異的な廉価だし、この作品のように正規盤では出ていない作品も入ってたりするから侮れない。

実はこの作品をリメイクした『長い夜』(アナトール・リトヴァク監督、ヘンリー・フォンダ主演)の方を先に観ていたので、途中でだいたいの展開が分かってしまったのだが、それでもこの映画は面白かったし、充分に惹き付けられた。
なにしろ30年代、監督マルセル・カルネ、台詞ジャック・プレヴェール、主演ジャン・ギャバンなのだから悪かろうはずがないのだが、『天井桟敷の人々』(45年)のヒロイン、アルレッティまで出ているのだ。
芸人役のジュール・ベリも好演。

画質、字幕も映画を楽しむのにはさほど気にならなかった。

サッシャ・ギトリBlu-ray BOXが12月23日に発売されるという驚愕のニュースです。
DVD BOXも同時発売で、発売元はまたまたIVC

サッシャ・ギトリの国内盤DVDといえば、先月発売された『珠玉のフランス映画 DVD-BOX Vol.2』に『あなたの目になりたい』が収録されていますが(バラ売りもあり)、これまでは『とらんぷ譚』くらいしかなかったはずです。
それが今度発売されるBOXでは『夢を見ましょう』『デジレ』『カドリーユ』という3作が一挙に初ソフト化ということです。

サッシャ・ギトリは監督作が33本もあるということですので、これらはほんの一部にすぎませんが、このBOXが売れれば続編もあるかもしれません。
値はちょっと張りますが、これは是非とも手に入れたいですね。

マックス・オフュルス監督の『マイエルリンクからサラエヴォへ』を国内盤DVD(『珠玉のフランス映画名作選 DVD-BOX Vol.1』)で観た感想。

DE MAYERLING A SARAJEVO』(40年)
監督:マックス・オフュルス
出演:エドウィージュ・フィエール、ジョン・ロッジ、エーメ・クラリオン

2008年の『フランス映画の秘宝』という特集上映においてメルヴィルの『海の沈黙』が本邦初公開されたのはまだ記憶に新しいが、その映画祭においてこの作品も公開された。
その際、13本の未公開のフランス映画が上映され、私は『海の沈黙』含め4本を観たのだが、残念ながらこの映画は見逃していた。
それがこうしてDVDとなって観られるようになったのは嬉しい。

第一次世界大戦が始まるきっかけとなった”サラエヴォ事件”を描いた作品だが、事件そのものよりも、それに至るまでの皇室における皇太子の微妙な立場だとか、周囲から認められぬ”格差婚”を巡る葛藤が主に描かれている。
第二次世界大戦の始まった1939年に撮影された作品であることを考えれば、大変にタイムリーな作品だったのかもしれない。(映画のラストにそれを思わせる描写がある)

作品の評価は難しい。
マックス・オフュルス監督の作品はそれほど数多く観ているわけではないが、これまでのところ相性が良いとは言えない。
この作品も見方によっては傑作だという人もいるだろうが、個人的には微妙である。

ヒロインのエドウィージュ・フィエールは派手な顔立ちの女優で、どことなく存在感が明るく悲劇的色合いが薄いのはドラマを重くしないという意味では良かったかもしれないが、観ていてどうもしっくりこなかった。
皇太子役のジョン・ロッジ(アメリカ人俳優)は物腰に気品があり役をよく演じているが、存在感が地味で映画的感興が薄い。
結果、今一つ映画に入り込めない印象が残った。

画質はあまり良いとは言えず。

メルヴィルの『サムライ』のDVDが11月からTSUTAYAでレンタルできるようになるとのことです。
TSUTAYA発掘良品の公式Twitterに情報が出ました。
嬉しいことにリクエスト上位だったとのことで、11月4日レンタル開始
ここを御覧になっている皆様はすでにブルーレイかDVDをお持ちでしょうが・・・。

イングリッド・バーグマン、イヴ・モンタン、アンソニー・パーキンス共演、アナトール・リトヴァク監督の『さよならをもう一度』(61)がラインアップに加わっているのも楽しみです。

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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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