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先日、映画祭『フランス映画の秘宝』で観たジャン・グレミヨン監督の『曳き船』についてメモを残します。

曳き船』(1941年)
監督:ジャン・グレミヨン
出演:ジャン・ギャバンミシェル・モルガンマドレーヌ・ルノー

ジャン・グレミヨン監督の作品を観るのは初めてだと思います。
ロジェ・ヴェルセルという人の原作を元にした映画ですが、脚色のメンツが凄い。
ヴェルセル本人の他、シャルル・スパークアンドレ・カイヤット、そして、あのジャック・プレヴェールです。
ちなみに、台詞はジャック・プレヴェールとジャン・グレミヨン。
撮影のアルマン・ティラールという人はよく知りませんが(『素直な悪女』も撮っている人のようです)、美術はあのアレクサンドル・トローネルです。

ところで、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガンの共演作といえば、あのマルセル・カルネ監督の名作『霧の波止場』が思い起こされます。
あの作品は大好きなので、当然今度の『曳き船』にも期待が高まりました。

会場に入って気づいたのですが、客席の年齢層が高い!
高齢者(失礼!)の方々のジャン・ギャバンへの人気ゆえでしょうか。

ジャン・ギャバンは、海難救助のための曳航船の船長役を演じていますが、いかにも男らしい彼にピッタリの役で、ファンにとっては、それだけでも満足度が高いわけですが、ストーリーもいかにもこの時代のフランス映画という感じです。

映画中盤ぐらいまでのギャバン夫婦のやり取りがなかなか面白いです。
昔も今も変わらぬ男と女の心理、関係性が絶妙に表現されていたように思います。
その一方で、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガン二人が惹かれ合ってゆく過程がもう一つ説得力が薄いような気もします。
ミシェル・モルガンの夫であるミルヴァ号の悪徳船長の存在感をもう少し膨らませれば、映画はさらに盛り上がったような気がしないでもありません。
この作品でのミシェル・モルガンの魅力はまずまずといったところ。
ラストのギャバンの表情は見ものでした。

あと、この映画祭で以前観た『海の沈黙』同様、英語字幕が画面下部に入りますが、概して画面は暗めで、この作品に関してはプリントの状態はあまり良いとは思えませんでした。(映画後半で急に色調が薄くなるところもありました)

次回はこの映画祭で観たロベール・ブレッソン監督の長編処女作『罪の天使たち』について書きたいと思います。

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フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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