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ルネ・クレール監督の『リラの門』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

PORTE DES LILAS』(57年)
監督・脚本:ルネ・クレール
撮影:ロベール・ルフェーヴル
音楽:ジャック・メテアン
出演:ピエール・ブラッスール、ジョルジュ・ブラッサンス、アンリ・ヴィダル、ダニー・カレル、レーモン・ビュシエール

なぜか前回この映画を観た時の感想を書いていないが、以前観た時もしみじみとしたいい映画だと思った。
今回再見して改めて感銘を受けたが、なんというか、いかにもフランス映画を観たという満足感の味わえる作品である。
もちろん、『天井桟敷の人々』や『大いなる幻影』といったフランス映画の大傑作と比べると見劣りはするだろうが、こちらの方が好きだという人がいても少しもおかしくないと思う。
それくらい魅力的な作品である。

なんといっても、ピエール・ブラッスールジョルジュ・ブラッサンスのコンビが絶妙。

ピエール・ブラッスールは先日観た『霧の波止場』にも出ていて、それから20年近くの時が経ち、同一人物とは思えないほど太ってしまっている。
しかし、それによって独特の愛嬌が出ており、この映画では無二の存在感を放っている。
ジョルジュ・ブラッサンスはシャンソン歌手としてフランスでは伝説的な存在だが、この映画を観る限り演技も上手い。
ところどころでギターを紡ぎながら歌われる歌もさすがに味わい深い。

ビストロの娘役のダニー・カレルはちょっとフランソワーズ・アルヌールを思わせる雰囲気がある。
アルヌールよりも小柄だと思うが、胸の形までそっくりだ。
犯罪者役のアンリ・ヴィダルはなんとミシェル・モルガンと結婚していたが、この映画の二年後、40歳で若死したという。

紀伊国屋書店から出ているDVDで観たが、画質はとても良い。

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今年最初に観た映画は『霧の波止場』(IVC盤ブルーレイ)であった。

この映画を観るのはいったい何度目か分からないがやはり素晴らしく、この時代のフランス映画の魅力を充分に堪能した。
『霧の波止場』について以前書いた記事

今回この映画を観たのには、先月亡くなったミシェル・モルガン追悼という意味合いもある。
とにかくこの映画におけるミシェル・モルガンは最高に美しく、最高にお洒落で、最高に情感に富んでいる。(なんでもこの映画がきっかけでギャバンと本当にイイ仲になってしまったのだとか)
とりわけ前半の登場シーンが印象的だが、これほどインパクトのある女優の登場シーンというのもなかなか他にないのではないか。

それにしても、この頃のフランス映画は芸達者な脇役が豊富である。
この映画でも、小さい役に至るまで印象的な役柄だらけだ。

ローリング・ストーンズのニューアルバムがブルースのカバーアルバムになると初めて聞いた時は、前作から11年待ってカバー?と軽い脱力感を覚えた。

昨今ボブ・ディランがシナトラなどのカバーアルバムを出しているが、ディランはこのところ1~2年に1枚はニューアルバムを出しているから、そういうのも仕方ないかという思いがある。
それに比べるとストーンズの場合、カバーの割合の多かった初期はともかく、これまでカバーアルバムというものを出していないし、なによりオリジナルが聴きたいバンドだから、いちファンとして失望を隠せなかったのである。

ちなみに、私はブルースをこれまでそれなりに聴いてきたが、ブルース・ファンと言い切るほどの自信はない。
いわば”ブルースも聴く人”である。

そうこういっているうちにアルバムの発売日を過ぎ、アマゾンにはアルバムへの絶賛のコメントが溢れた
カバーアルバムになったのは残念だが、今更どうこう言っても仕方ないし、コメントを読んでいると私も無性に聴きたくなってきて、仕事の後にタワレコに駆け込んだ。

実際に聴いてみた感想は、思ったより素直に楽しめず、どこか違和感を感じた
理由ははっきりとは分からなかった。
メンバーは頑張っているし、楽曲が悪いわけでもない。

それからは決してヘビロテで聴いたわけでもないが、数日に一度は聴き返していた。
最初の違和感は変わらなかった。

そうこうしているうち、ブルース&ソウル・レコーズという雑誌で『ブルー&ロンサム』の特集を組んでいるのを見つけた。(この時期にはどこの音楽雑誌もこのアルバムの特集をしていた)
この雑誌は毎号オリジナルCDの付録が付いてきて、今回は『ブルー&ロンサム』でカバーされたブルースのオリジナル版全12曲が収録されていた。
私は、アルバムへの違和感の原因が分かるかもしれないと思い(この頃になるとなんとなく原因を感じていたが)、この雑誌を購入し、付録CDを聴いてみた。

ストーンズには悪いが、聴いてすぐに『こっちのほうがいい!』と思った。
もちろん、オリジナルなのだから良くて当然なのだが、『ブルー&ロンサム』の違和感の原因もなんとなく分かった気がした。
オリジナルに比べると、『ブルー&ロンサム』のサウンドがやけに煌びやかで立派すぎるのである

天下のローリング・ストーンズなのだから、サウンドに華があり立派なのは当然といえば当然なのだが、ブルースを楽しむという意味においてはそれは必ずしも適切とは言い切れないのではないか?
少なくとも私にとっては、言葉は悪いが、もっとチープな感じが欲しいのである。
そして、やはりブルースにはもっと黒さが欲しいのである。

もちろん、私は自分の感覚が正しいか否かを問いたいのではない。
あくまでも、カバーなのだから、今のストーンズが演奏すればこうなることは当然であり、文句を言っても仕方がないだろう。
もし、ストーンズがカバーでなく、ブルース風の新曲だらけのアルバムを出していたら、もしかしたらもっと楽しめたかもしれないが、今さら外野でガヤガヤ言っても意味がない。
アルバムに対する違和感やその感覚はその人の好みであり趣味でしかないから、アルバムを楽しんでいる方は心行くまで楽しまれれば良いと思うし、それは幸せなことだ。

それにしても困った。
それ以降、ブルースが聴きたくて仕方ないのである。
他にもソウル、ジャズなど、とにかく黒っぽい音楽が聴きたくてたまらなくなってきたのだ。
『ブルー&ロンサム』は残念ながら私の趣味に合わなかったが、とんだ副作用をもたらしてしまったことは確かなようだ・・・。

数日前にパソコンが復活した。
データの救出を業者に頼んで、リカバリは自分でやった。
その分大変だったが、とにかくパソコンが生き返ったのは嬉しい。

そして、ここ数ヶ月、ジャズ愛が復活してきた。
このところデューク・エリントンやカウント・ベイシーなどのビッグ・バンドを聴く機会が多かったのだが、最近聴いて度肝を抜かれたのが今回取り上げるチャーリー・パーカーワン・ナイト・イン・バードランド』。

1950年収録の2枚組ライヴ盤だが、まずメンバーが凄い。
ファッツ・ナヴァロ、バド・パウエル、カーリー・ラッセル、アート・ブレイキー
そして、なんといっても演奏が凄まじい

チャーリー・パーカーのライヴ盤はこれまでもいろいろと聴いてきているが、ここまでリズム・セクションの存在感が際立った録音は珍しいのではないか。

スタジオ盤含めパーカーの録音は、パーカーを引き立たせるためなのか、ベースとドラムスの音が遠いというか、存在感が薄い録音が多く、そのことが私がパーカーの録音にもう一つのめり込めない理由の一つなのだが、このCDにおけるカーリー・ラッセルアート・ブレイキー(あのブルーノート盤『バードランドの夜』のリズム隊)は、とにかく音がはっきり聴こえるのが素晴らしい。
そして、豪華メンバーに囲まれて大いに張り切ったためか、演奏も圧倒的に凄いのである(特にブレイキー)。

もちろん、パーカーの演奏も素晴らしい。
録音時間に制約のあったスタジオと違って、ここではライヴだけあって、心行くまま、思う存分アドリブに没入している様子が感じられる。
こういった演奏を聴くと、やはり素直にパーカーはいいなぁと実感する。
アルトの音色の美しさも特筆モノ。

バド・パウエルもまだまだ全盛期を思わせる演奏内容で絶好調である。
とりわけDISC1(4)『ディジー・アトモスフィアー』のソロは、まるでアート・ブレイキーのドラムスと喧嘩しているようなスピード感溢れる演奏で、圧倒される。

一方で、ファッツ・ナヴァロは若干遠い録音の関係か、このメンバーの中では存在感が薄目だが、演奏内容は決して他のメンバーに劣らない。

気になる録音状態だが、他のパーカーのライヴ盤同様、確かに決して良くはない。
良くはないが、先に述べた通りリズム・セクションがよく聴こえるし、演奏の熱気を生々しく捉えているので、聴いていて十分に楽しめる仕上がり。

パーカーのライヴ盤といえば、個人的にこれといって愛聴している録音がなかったのだが、これはメンバーといい、演奏内容の良さといい、2枚組というボリュームといい、ようやく気に入った1枚(2枚)が見つかったという思いである。

あっという間に年が明けました。
このところ更新が途絶えましたが、主にパソコンの故障と私生活のトラブルが原因です。
パソコンは今手元になく、直るかどうかも微妙な状況。
今はスマホでこれを書いていますが、iPhone6と忍者ブログの相性の問題かどうかは分かりませんが、本当に書きにくいです。
スマホでブログを書きたい人には忍者ブログは勧められません。

私生活のトラブルは詳しくは書けませんが、いわゆる巻き込まれ型のトラブルです。
相手が入院中なので、とりあえず現在は小康状態ですが、その間に色々と対策を立てなければ…。

ここ数年の恒例となった紅白の聖子さんについてですが、正直言ってあまり書きたくありません。
もちろんリアルタイムで観ましたし、今回は待望の『薔薇のように咲いて 桜のように 散って』の披露ということで本当に楽しみにしていたのですが…。
まぁ長年のファンの方ならお気づきだと思います。
まさか紅白で…という思いです。

この間にもミシェル・モルガンが亡くなったり、ストーンズの新作が出たりといろいろ記事にしたいニュースもありましたが、こんな事情ですので、現段階では割愛させていただこうと思います。
コスミック出版から発売されている10枚組DVDのシリーズから『フランス映画 ジャン・ギャバンの世界 フィルムノワール映像の頂点』が12月24日に発売されます。

いわゆるパブリック・ドメイン(著作権が切れた映画作品等)ですので正規品ではありませんが、中には正規品にも遜色ない品質のものも少なくなく、正規では未発売の作品がDVD化されたりしているので無視できません。
なにより、規格外の廉価が大きな魅力と言えましょう。

今度のギャバンのものの内容ですが、

望郷』(デュヴィヴィエ)
どん底』(ルノワール)
陽は昇る』(カルネ)
獣人』(ルノワール)
愛情の瞬間』(ドラノワ)
港のマリィ』(カルネ)
夜霧の港』(アーチー・L・メイヨ)
ラインの処女号』(ジル・グランジェ)
逃亡者』(デュヴィヴィエ)
面の皮をはげ』(レイモン・ラミ)

というかなり興味深い内容です。
もちろん、往年のフランス映画ファンには御馴染みの名作が多く、ほとんどは国内でもDVD化されていますが、『夜霧の港』『逃亡者』の2作品は初の国内DVD化だと思われます。
夜霧の港』はアイダ・ルピノ共演の42年のアメリカ映画、『逃亡者』は『望郷』と同じデュヴィヴィエ監督作品ということで、貴重なDVDとなりそうです。

パッケージには”第1集”と銘打っていますので、続編も期待できそうです。

ジャック・ベッケル監督の『七月のランデヴー』を国内盤DVD(『珠玉のフランス映画名作選 DVD-BOX Vol.1』)で観た感想。

RENDEZ-VOUS DE JUILLET』(49年)
脚本:ジャック・ベッケル、モーリス・グリフ
撮影:クロード・ルノワール
音楽:ジャン・ヴィエネル
出演:ダニエル・ジェラン、ブリジット・オーベール、ニコール・クルーセル、モーリス・ロネ

戦後フランスの若者たちの日常を生き生きと描いた作品で、ジャック・ベッケルに駄作無しを証明する傑作である。
1949年の映画だが、こうした若者の群像劇を描いた映画は当時はまだ珍しかったのではないか?
この作品の作風は、シャブロルの『いとこ同志』、ロメールの『獅子座』、ゴダールの『女は女である』、『男性・女性』等、後のヌーヴェルヴァーグの作品にも大きな影響を与えたのではないかと思われる。

ダニエル・ジェランモーリス・ロネ等を始めとするキャスティングも素晴らしく、ブリジット・オーベールニコール・クルーセルといった女優陣も魅力的。
また、モーリス・ロネがジャズ・バンドでバイトする役柄を演じるなど、ベッケルのジャズ好きを表した作品である点にも注目。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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