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前回に引き続き『25th Anniversary Seiko Matsuda PREMIUM DVD BOX』から、87年5月の武道館コンサートのライヴ映像『LIVE VIDEO Super Diamond Revolution』を取り上げます。

85年6月に聖子さんは最初の結婚、それからほぼ2年に渡る休養に入っていました。
その間には86年10月には娘の沙也加を出産しています。
とはいえ、86年6月にはアルバム『SUPREME』、87年5月にはアルバム『Strawberry Time』を発表、この間にも紅白には出ていたようですので(私は観た記憶がありません)、全く芸能活動をしていなかったわけではありません。
今回紹介する映像は、87年の聖子さん2年ぶりのコンサートツアー『Super Diamond Revolution』から5月の武道館公演を記録したものとなります。(ビデオは87年6月1日発売)

当時も発売されたこのライヴビデオは収録曲13曲、全体で1時間を切る収録時間となっています。
おそらくコンサートの半分程度はカットされているのでしょう。
カットの理由はコンサートの演出(伊集院静)の関係もあるかもしれませんが、後に述べますように、聖子さんの歌唱が不安定だったせいもあるかもしれません。

それまでハードなスケジュールを突っ走ってきた聖子さんが2年間も休養したのだから、さぞ声の調子も良いのかと思ったら、意外にも1曲目の『Strawberry Time』で声が出ていません。
ピッチも不正確。
コンサートが進むにつれ徐々に本調子に近くなりますし、時折素晴らしい声も聴かせてくれますが、コンサート全体の印象としてお世辞にも好調とは言えない感じです。
前述のように休養期間中にも歌う機会はあったとはいえ、やはり2年間のブランクは大きかったのでしょうね。

映像を見る限りではリップシンクも一切ありませんし、全体的に丁寧に歌っていますが、なんとなく歌の世界に入り切っていない印象もあります。
時間旅行』など、発表から間もない頃ですから、昨今よりもエモーショナルな歌を期待しましたが、肩透かしをくらったような感じ。

個人的に、このライヴビデオのクライマックスは『ガラスの林檎』。
レコードよりも少しゆったりしたテンポで、とても丁寧に歌われています。
前半の『裏庭のガレージで抱きしめて』『Dancing Cafe』も貴重ですね。

バックは小倉良氏率いるDang Gang Brothers Band
近年まで続いていた小倉氏との関係はこの頃からでしょうか。
演奏は特にドラムスが良く、バンドの演奏も引き締まっているのが好印象です。

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テッド・テズラフ監督の『』を国内盤DVD(ブロードウェイ『フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.3』)で観た感想。

The Window』(49年)
原作:コーネル・ウールリッチ
脚本:メル・ディネリ
撮影:ウィリアム・スタイナー
出演:ボビー・ドリスコル、バーバラ・ヘイル、アーサー・ケネディ、ポール・スチュアート

子供が主人公ということもあって、乗りづらいかなと想像していたが、実際はかなり面白かった。
コーネル・ウールリッチの原作ではアルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』(54)が有名だが、題材としてこれも近いものがある。
監督のテッド・テズラフはヒッチコックの『汚名』(46)で撮影監督を務めていたという。

少年役のボビー・ドリスコルがなかなかの好演で、後半のサスペンス展開が見事。
ポール・スチュアートの冷徹な感じがいい。

先日、ヴィム・ヴェンダース監督の『アメリカの友人』にジェラール・ブランが出演していたことに驚きましたが、そのジェラール・ブラン主演、クロード・シャブロル初期の監督作『美しきセルジュ』『いとこ同志』のBlu-rayが12月23日に発売されるというニュースです。
発売元はこれまたIVC

この二つの作品、確かDVDもIVCから出ていたはずです。
私の記憶ではDVDの画質はまあまあ。
今回のブルーレイは”初HDマスター”と謳っておりますので、当然のことながら期待できそうです。(DVDも同時発売)

作品は今さら言うまでもないヌーヴェル・ヴァーグ初期の傑作。
どちらもジェラール・ブランジャン=クロード・ブリアリの主演ですが、双方の持ち味が十分に発揮されていると思います。
そして、忘れてはならないのがアンリ・ドカのカメラ!


ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞
したという驚きのニュースが飛び込んできました。

HPのBBSにも書きましたが、第一印象としてはこれはちょっと違うんじゃないかと思いました。
ディランの歌詞に文学的価値がないとは言いませんが、あくまでも音楽に乗った時に、そしてディランのあの声で歌われた時に初めて活きるものだと思うからです。

ノーベル文学賞というのがどういった価値基準で選ばれているのか知りませんが、音楽の歌詞まで含めるとはかなり範囲が広い賞なんですね。
そのこと自体が悪いとは思いませんが、普通に文学一本で頑張っている人にとっては今回のニュースはどこか違和感を持って受け取られたのではないでしょうか。

それより、気になるのは世間の反応、評価ですね。
ディランの存在自体、今まで以上に拝み奉られるのではないかと危惧します。
ニュースなど見ていますと、特にディランのことを中途半端に知っている人たちにそのような傾向が感じられる気がします。
未だにプロテストソングがどうとか、反体制がどうとか、もう何時の話だよ、と(笑)。

マーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー映画『ノー・ディレクション・ホーム』(05年、今度ブルーレイが出ます)の中でもディラン本人が語っていますが、自分は政治的な人間ではないのに若い頃は左翼の手下みたいに扱われ、そういう発言を周りから期待されるのが嫌で嫌で仕方なかったと。
自分には右も左もない、黒も白もない、独立独歩の吟遊詩人だと・・・。
真の意味での自由人なんですね、ディランという人は。
そういう意味では、ノーベル文学賞よりもノーベル平和賞の方が合ってるんではないかと思うくらいです。
本人は嫌がるでしょうけど(笑)。

あえて言ってしまいますが、ボブ・ディランは単なる音楽狂のオッサンですからね。
音楽ビジネスや功名心などとは別に、ひたすら自分のやりたい音楽を、その時の気分で自分の歌いたいように歌っているだけの一ミュージシャンにすぎません。
でなければ、名誉も金もすべて手に入れた歌手が70過ぎてネバー・エンディング・ツアー(30年近く続行中)なんてバカなことしませんよ。(だからこそ素晴らしいと私は言いたいのですが)

もちろん、若い世代にディランの音楽が再評価されるとしたら、ファンの一人としては嬉しいのですが、今回の受賞についてディラン本人が今一番困惑しているのではないかと想像します。

Youtubeにupされている『激しい雨が降る』(『A hard rain's a gonna fall』)英語、スペイン語歌詞付
ディラン最高の歌詞、楽曲の一つですが、このメロディ、歌唱あっての歌詞だと思います。



ヴィム・ヴェンダース監督の『アメリカの友人』(76年)を国内盤DVD(東北新社)で観た感想。

昔はヴェンダースは好きな監督の一人で、初期のロード・ムーヴィー三部作も観たし、『パリ、テキサス』はオールタイムベスト3に入るくらい好きな映画だったのだが、いつの間にか疎遠な監督になってしまった。(ちなみに『ベルリン・天使の詩』は何度観ても好きになれない)

この『アメリカの友人』も、過去に観たのは一度だけだったが、強烈に面白いクライム・サスペンスという印象が残っていたので、いつかは観直してみたいと思っていた。
たまたまamazonを観たらDVDが60%オフになっていたので、ついポチってしまったという次第。

おそらくは15年ぶりくらいにこの映画を観たわけだが、やはり素晴らしい作品だった。
とにかく全体を貫く緊張感が尋常でなく、舞台となったハンブルクの港のロケーションの魅力、見事な色彩感覚を生かした映像の美しさ、そして、デニス・ホッパーブルーノ・ガンツ二人の見事な演技に惹き付けられた。
ところどころ難解な部分もあり、観ていてすべてが理解できたとは言えないが、やはりこれは大変な傑作。
大袈裟かもしれないが、10年に一本の傑作という印象すら持った。

今更ながら、この映画にジェラール・ブラン(トリュフォー『あこがれ』、シャブロル『美しきセルジュ』『いとこ同志』)が出ていることを知って驚いたし、ニコラス・レイ(画家役)、サミュエル・フラー(ギャングの親分)、ダニエル・シュミット(初めに殺される殺し屋)、ジャン・ユスターシュ(パリのバーで知り合う客)と映画監督が次々と出てくるキャスティングの妙も魅力的である。

原作は『太陽がいっぱい』で有名な女流作家のパトリシア・ハイスミス
デジタル・ニューマスター版というDVDの映像も美しい。

ルネ・クレマン監督の『狼は天使の匂い』(72年)を久しぶりに再見。
この映画について以前書いたレビュー

先日『Z』について書いたが、なぜか最近ジャン=ルイ・トランティニャンの主演作を観る機会が多い気がする。
そういえば、まもなく『男と女』デジタル・リマスター版も公開されるし・・・。
この『狼は天使の匂い』は内容をかなり忘れていたので、そのうち観直したいと思っていた映画の一つ。

子供の頃の記憶を絡めてくるところなど、ロマン・ノワールとでも言いたくなるような独特の空気感が魅力の映画だが、プロット的にはフィルム・ノワールの定石通りの作品である。
女性との関わりがどういう結果に結びつくかというところなどもそうである。
ストーリー的にかなり無理のある部分もあることはあるが・・・。
観ていると『アスファルト・ジャングル』~『男の争い』~『拳銃の報酬』~『仁義』~『狼は天使の匂い』というような流れをどうしても感じてしまう。(中にメルヴィルの『賭博師ボブ』を入れてもよいだろう)

それにしても、フィルム・ノワールのレジェンド、ロバート・ライアントランティニャンの共演がルネ・クレマン監督の元で実現したというのが今考えてもかなりの驚きである。

この映画が公開された時にはまだメルヴィル監督は存命だったわけだが(73年8月死去)、ルネ・クレマンの映画にロバート・ライアン出演の報を聞いた時には地団駄踏んで悔しがったのではないだろうか。
なにしろロバート・ライアンは、メルヴィルの尊敬するロバート・ワイズ監督の『』『拳銃の報酬』の主演俳優。
言うまでもなく、この2作はフィルム・ノワールの大傑作であり、ことに『拳銃の報酬』は『アスファルト・ジャングル』と並ぶメルヴィルのフェイヴァリットであったのだから。

実際、この映画におけるロバート・ライアンは素晴らしい
レア・マッサリティサ・ファローという二人の女優も大変魅力的である。
フランシス・レイの音楽はほとんど耳に入らなかった。

この映画のDVDも廃盤みたいですね・・・。

ジャン・ルノワール監督の『ゲームの規則』のBlu-rayが11月25日に発売されます。
発売元はやはりIVC
既に発売されている『大いなる幻影』とのお得なツインパックも発売されます。

作品は今さら言うまでもなく映画史に残る大傑作です。
それにしても、なんだかんだいってもジャン・ルノワール監督の作品はBlu-rayが次々と出ますね。(当然と言えば当然ですが)
こちらのブログではお知らせしていませんでしたが、10月28日には『素晴らしき放浪者』のBlu-rayも発売されます。

これで『素晴らしき放浪者』『大いなる幻影』『ピクニック』『ゲームの規則』と30年代の主だったところはBlu-rayで発売されることになりますので、次は『どん底』のBlu-rayを期待したいですね!
個人的にルノワールのベスト作品なので。

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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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