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ジョルジュ・ロートネル監督の『ジャン=ポール・ベルモンドの警部』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。
『FLIC OU VOYOU』 (78年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
脚本:ジャン・エルマン、ミシェル・オーディアール
撮影:アンリ・ドカ
音楽:フィリップ・サルド
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、マリー・ラフォレ、ジョルジュ・ジェレ、ジャン=フランソワ・バルメ、クロード・ブロッセ、トニー・ケンドール、ミシェル・ボーヌ、カトリーヌ・ラシェン
初見。
『ジャン・ポール・ベルモンドの警視コマンドー』というタイトルでビデオ化もされているようです。
前々から観たかった作品で、今回ようやく観ることができましたが、期待に違わぬ面白さで、改めてジャン=ポール・ベルモンドの魅力をたっぷりと味わうことができました。
中年に差し掛かり、渋みが増したベルモンドの魅力が最高に発揮された作品で、ベルモンドの70年代のベスト・フィルムの一つに数えられてもおかしくない作品だと思います。
ベルモンドのファッションも見もの。
ベルモンドの役柄は別名“洗濯屋”と呼ばれる、自らの身分を隠して他の警察官を監督する警部。
その複雑なキャラクターをベルモンドがアクションシーンもふんだんに、軽妙に演じています。
作品の内容もコメディとシリアス、硬軟併せ持ったバランス感覚が優れており、ジョルジュ・ロートネル監督の語り口の巧さによって数多い出演者のキャラクターが大変明確に描かれています。
映画の展開もスピーディーで、退屈する暇がありません。
脇役も知名度こそ無いものの演技巧者が揃っていますし(やはりベルモンド主演、アンリ・ヴェルヌイユ監督の『追悼のメロディ』(76)とキャストが何人か被っています)、マリー・ラフォレ(『太陽がいっぱい』)の出演も嬉しい。
また、フィリップ・サルドのストリングスを使った軽妙でクラシカルなサウンドが映画を存分に盛り上げていますし(あのチェット・ベイカーやロン・カーターも参加)、アンリ・ドカの名人芸的映像美がたっぷり味わえる作品でもあります。
シリアスなアクションものかというとそうでもなく、
じゃあコメディかというとそこまでふざけていないという、
絶妙なバランスで料理されたベルモンドの魅力あふれる名作です。
サウナの小窓からいきなりベルモンドが顔を出すシーンは爆笑します。
サルドのジャズとバロック音楽を融合させたサントラも素晴らしいですね。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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