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以前挙げた私の好きなジャズ・アルバム・ベスト20の中から今回取り上げるのは⑭(順位ではありません)に挙げたミルト・ジャクソン&ジョン・コルトレーン『バグス・アンド・トレーン』。
MILT JACKSON & JOHN COLTRANE『BAGS & TRANE』(59年)
①バグス・アンド・トレーン②スリー・リトル・ワーズ③ナイト・ウィ・コール・イット・ア・デイ④ビ・バップ⑤ザ・レイト・レイト・ブルース(国内盤CDにはボーナス・トラックあり)
ジョン・コルトレーン(ts)、ミルト・ジャクソン(vib)、ハンク・ジョーンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、コニー・ケイ(ds)
ミルト・ジャクソンとジョン・コルトレーンの珍しい共演作。(アルバム名にある“バグス”とはミルト・ジャクソンの愛称)
こういった企画物(?)は概してジャズ・ファンの間で評価が低くなりがちです。
確かにコルトレーンのファンならコルトレーンのリーダー作を聴きたいでしょうし、ミルト・ジャクソンのファンであっても同様でしょう。
アルバムとしての知名度もそれほど高くありません。
しかし、このアルバムを侮るなかれ。
とにかく、ここで展開されている音楽の内容が実に素晴らしい。
まず、コルトレーンとミルト・ジャクソンの音楽性が予想以上にシックリ合っており、聴いていて違和感が全くありません。
おそらく、二人が持っているブルース・フィーリングの根っこの部分がよく似ているからでしょう。
それは他のメンバーも同様で、このアルバムのみの編成というのが意外な印象すらあります。
私の聴いた感じでは、ポール・チェンバースのベースが、バンドの音楽性をうまくまとめている印象で、その影響でしょうか、コニー・ケイのドラムが、MJQの時よりも開放的でアグレッシヴに感じられます。
ハンク・ジョーンズのピアノは、他のメンバーに比べると、いかにも地味なプレイですが、その味わい深さは格別。
また、ピアノ・ソロのバックで聴かれるポール・チェンバースのうねるようなフレージングも素晴らしい。
そして、なんといっても、このアルバムのジョン・コルトレーンのテナーの音色の素晴らしさといったらありません。
実に堂々とした立派な音色で、ソロの内容も素晴らしい。
また、ここではフレージングも丁寧で、60年代以降顕著となるフリーキーなトーンや、無意味に速いフレーズもここには全くと言ってよいほどありません。
その意味では、このアルバムが録音されたのが59年という年代の影響は大きいでしょう。(個人的には50年代後半から60年代初めくらいのコルトレーンのプレイが好きです)
もちろん、ミルト・ジャクソンのプレイは、いつもながら例えようもないほど見事で、ソロはもちろん、ところどころで聴かれるコルトレーンとの掛け合いは、このアルバムの大きな聴き所の一つです。
とにかく、これは実にリラックスした雰囲気を持ったアルバムでもあり、ジャズの魅力ををじっくり味わえる珠玉の名盤だと思います。
1959年のこの年、コルトレーンは『ジャイアント・ステップス』と『カインド・オブ・ブルー』も録音していますから、さすがに凄い人ですね。
私もポール・チェンバースのベース・プレイは凄く好きです。
管理人さんが仰るようにポール・チェンバースのベースは楽曲の柱になってますし、陰の立役者的存在で、いつもバンドをうまくまとめていますよね。
マイルスの『ソー・ホワット』なんかは典型的ですしね。
当時、色んなミュージシャンから引っ張りだこなのも理解出来ます。
最近はバリバリのハード・バップやヨーロッパのマニアックなジャズよりも、ゆったり系の定番ジャズが何となく癒されるので(笑)、誰もが知っているボサ・ノヴァの超名盤、ゲッツ/ジルベルトなんかをまた聴いています。
ホントいつ聴いてもジャズは癒されますよね。
前に紹介して頂いたジョン・ルイス&サッシャ・ディステルの『アフタヌーン・イン・パリス』愛聴盤になっております。最高です。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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