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ジャン・ルノワール監督の『フレンチ・カンカン』を国内盤DVD(東北新社)で観た感想。
『FRENCH CANCAN』(54年)
監督・脚本:ジャン・ルノワール
撮影:ミシェル・ケルベ、クロード・ルノワール
音楽:ジョルジュ・ヴァン・パリス
出演:ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール、マリア・フェリックス、フィリップ・クレイ、ヴァランティーヌ・テシエ
再見。
パリ・モンマルトルのキャバレー『ムーラン・ルージュ』オープンの由来をミュージカル・コメディ・タッチで描いた作品。
ジャン・ルノワール監督が『ゲームの規則』(39)以来15年ぶりに本国フランスで撮った作品だけに、祖国愛(?)に満ちた幸福感の漂う作品となっている。
正直なところ、退屈なシーンも無くは無いし、ルノワールの作品にしては深みが乏しい感はあるのだが、ラストのフレンチ・カンカンのシーンで全て吹っ飛ぶ。
それほどラストの盛り上がり、高揚感は圧巻。
ヒロインのフランソワーズ・アルヌールについては以前『大運河』(56)の記事で魅力が分からないようなことを書いたが、この作品のアルヌールは文句無くいい。
なんといっても表情の可憐さが魅力的。
ジャン・ギャバンの役柄は彼としては持ち味を発揮しきれているとは言い難いものの、かといって彼以外のダングラール役は想像がつかない。
ヒステリックなローラ役を演じたメキシコ人女優マリア・フェリックスと、司会役のフィリップ・クレイ(『殺られる』)が共にいい。
テクニカラーを生かした映像の色彩美は素晴らしいが、国内盤DVDの画質はそれを再現するにはいかにも物足りない。
リマスターされたDVDで是非味わいたい作品である。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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