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11月29日、紀伊国屋書店から『ビクトル・エリセ DVD-BOX』、『トリコロール コレクターズBOX』が発売されます。

特にビッグ・ニュースはエリセBOXでしょう。
あの名作『ミツバチのささやき』、『エル・スール』がニュープリントによるニューマスターにてDVD化。

そして、もう1作、『挑戦』(69年)はエリセ監督の映画デビュー作で、日本初登場とのこと。
これはファンならずとも楽しみなBOXです。
個人的には、あの感動的な『エル・スール』を優れた画質で観られるのが楽しみ。
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/169423

一方、キェシロフスキ監督の『トリコロール3部作』は以前国内盤DVDも発売になっていて、私も所有していますが、現在BOXでは廃盤。
今度の紀伊国屋盤はHDリマスター版とのことで、以前の国内盤に比べ、画質の違いが気になるところです。
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/169425

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このところ、紀伊国屋書店から発売されているDVD(クリティカル・エディション)でサイレント映画の名作数本を観ました。
例によって、気の利いた感想は書けませんが、簡単なメモを残したいと思います。
(基本的にネタバレはありません)

image127.gifまず最初に観たのが『サンライズ』。
F・W・ムルナウというドイツ人監督がハリウッドで撮った作品とのことです。

DVDのパッケージに「世界一美しい映画」というトリュフォーの言葉が印刷されております。
いくらなんでもそれは言い過ぎでは?名作ってことでの過大評価では?と漠然と感じつつ観始めましたが、観た後の感想では、トリュフォーの言葉も当たらずも遠からず。
決して嘘ではないと思いました。

もうこれだけでこの映画がどれほど魅力的な映画かは多少は想像いただけると思うのですが、なにはともあれ、ストーリーが分かりやすいので親しみ易く、「難しい」「観にくい」「暗い」「とにかく古い」といったサイレント映画に対する偏見を(私だけかもしれませんが)捨てさせてくれただけでも大収穫です。

image128.gif撮影技術も想像以上に高いようで、嵐のシーンの映像表現とかなかなか凄くて、とてもこの時代のものとは思えないほど。
それと、ジョージ・オブライエンジャネット・ゲイナーという主演の夫婦役の二人もビジュアル面でもさほど古さを感じさせず、良かったです。
ちなみに、奥さん役のジャネット・ゲイナーは第一回アカデミー賞主演女優賞を受賞した人だとか。(複数作で受賞とのこと)

紀伊国屋から出ているDVDは値段が高いのが玉に瑕ですが、特にこのクリティカル・エディションはホントに手間のかかっている品質の高いものが多いようです。
特に古い映画ほど、他盤との画質の違いは大きいですから、この作品のDVDなども、持っていれば一生モノだと思います。
そういう意味ではこのレーベルの価格は(今の価格で維持している限りは)決して高くないのでは?と思い始めています。

昨日、新宿東口紀伊国屋書店DVDアイランドを覗きましたら、紀伊国屋レーベルから出ているDVDの中から、新たにいくつかのDVDボックスが40%オフになっていました。(以前のセールは50%オフでしたが…紀伊国屋さん…)
他の紀伊国屋書店のDVDアイランドは定かではありませんが、私の経験上、大阪、博多など、他の都市でも過去に同様のセールが行われていましたので、その可能性は高いと思われます。
紀伊国屋書店の店舗案内へのリンク

気になる内容ですが、エリック・ロメールのDVDボックス全6巻、ルイ・マルのDVDボックス全3巻、ロバート・アルトマンのDVDボックス、マノエル・ド・オリヴェイラのDVDボックス(『家宝』、『神曲』、『ノン、あるいは支配の虚しい栄光』収録)、フィルム・ノワール傑作選DVDボックスなどなど…気になる方にはかなり気になる内容です。
見落とした注目すべきボックスも他にあったかもしれません。

私は、エリック・ロメールのDVDボックスは5巻、フィルム・ノワール傑作選は所有しておりますので、今日は、ルイ・マルのボックスをどれか購入しようかと迷いましたが、とりあえず踏みとどまりました。
ルイ・マルのDVDは、今やいずれも単品で入手できますので、あえてボックスで購入しようという気にはならなかったのです。
ロメールのボックスは残った1巻(『』)を買えば、全巻揃いますが、たぶん『』(『O侯爵夫人』『聖杯伝説』収録)はそれほど人気があるとも思えないので、そう急いで買う必要もないと思いました。

メルヴィル・ファン、ノワール・ファンの方にオススメなのは、なんといっても、フィルム・ノワール傑作選です。
収録作3作『キッスで殺せ!』『ビッグ・コンボ』『歩道の終わる所』は、今ではどれも単品で購入できますが、ボックスには、52ページに及ぶ「ノワールの手帖」が付いており、これがノワール・ファンには素晴らしい読み物となっているのです。
もちろん、収録作品3作の魅力については、今更言うまでもありません。
40%オフとなっている現在、まだお持ちでない方には絶対のオススメと言えます。

DVDを買ったまま、ほったらかしにしていた『高校教師』(『LA PRIMA NOTTE DI QUIETE』)をようやく観ました。
『リスボン特急』と同じく1972年の作品です。

監督:バレリオ・ズルリーニ
出演:アラン・ドロン、ソニア・ペトローバ、レア・マッサリ、ジャン・カルロ・ジャンニーニ

image41.gif映画冒頭の海岸沿いの風景からして、いかにもこの時代のイタリア映画という感じで、とても魅力的です。
雰囲気的に、昔観た『ラストコンサート』(監督:ルイジ・コッツィ)をなんとなく思い出しました。
そして、アラン・ドロンのうらぶれた、哀愁に満ちた役柄が印象的な映画です。
特にナイトクラブのシーンで、愛する女性が別の男性と踊っているところを見つめるシーンでの表情の演技は、素晴らしいと思いました。

昨年、ドロン氏がスマスマに特別出演した際、この作品を好きな作品ベスト5に入れていました。
正直なところ、『サムライ』が落ちて、この作品が選ばれたことにメルヴィル・ファンとしては軽い失望感を覚えましたが、実際にこの作品を観てみて、演技者としては、こちらの方を選びたくなる気持ちが分かった気がしました。
それくらい、この作品でのドロン氏は良い演技をしていると思います。
世間的には、作品の、暗く、重苦しい雰囲気が敬遠される傾向もあるかもしれず、そのあたり、この作品への好悪が分かれるところかもしれません。
私個人は結構好きですが…。

イタリア映画ということもあり、ドロンの声がイタリア語で吹き替えになっているようです。
普段聞きなれた彼の声とは違いますので、別の人の吹き替えでしょう。(違っていたら訂正お願いします)
なお、バレリオ・ズルリーニ監督の作品では、他に『激しい季節』(59年。出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ)ぐらいしか観ていませんが、これも素晴らしい作品でした。

image42.gifドロン氏以外のキャストでは、友人役を演じるジャンカルロ・ジャンニーニが良かったですね。
ジャンニーニといえば、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『イノセント』や、リドリー・スコット監督の『ハンニバル』の印象で、ヒゲのイメージが強いのですが、この作品ではヒゲを生やしていないこともあり、かなり違った印象を受けます。
他に、レナード・サルバトーリが珍しく“いい人”役で出ているのもちょっと嬉しかったりしましたし、ドロン氏とアリダ・ヴァリの共演というのも珍しいのではないでしょうか。

今更ですが、今年度のアカデミー賞の監督賞はコーエン兄弟がとったんですね。
これまでコーエン兄弟の作品は『ミラーズ・クロッシング』『ファーゴ』『バーバー』『ディボース・ショウ』を観ていますが、この中では『ファーゴ』が面白かったです。
『バーバー』は、内容は現代のノワールともいえる作品で、ストーリーは悪くなかったのですが、ナレーションの使い方があまり好きではありませんでしたし、スタイリッシュ過ぎる(?)映像にも違和感を感じました。
『ディボース・ショウ』はつまらなかったです。
 
というわけで(?)、最近観た映画の続きです。

●『ショック集団』(63年、監督:サミュエル・フラー、出演:ピーター・ブレック、コンスタンス・タワーズ)

精神病院で起きた殺人事件の犯人を見つけるために、病人を装って入院する記者のお話。
紀伊国屋書店から出ているサミュエル・フラーのDVDが単品、BOXともに半額になっていたので購入。
特製ブックレット付きのBOXも欲しかったのですが、先に『裸のキッス』を買ってしまっていたので、今回は『ショック集団』だけにしました。
カルト的な内容の作品で、こういった作品は合うか合わないかで好みが分かれましょうが、私個人としては、観ていて決して愉快な作品とは言えませんでした。
いくつか注目すべきシークエンスがあり、確かにそれらは驚くべきものなのですが、それが観ていて好きか否かは別問題です。

最近観た映画の続きです。

●『生きるべきか死ぬべきか』(42年、監督:エルンスト・ルビッチ、出演:キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー、ロバート・スタック)

名人芸!と言いたくなるような見事な映画。
原題の『To Be or Not to Be』とは「ハムレット」の有名なセリフで、映画の中でも大きな意味合いを持ってくる言葉です。
ナチス・ドイツのポーランド侵攻という重いテーマを扱いながらも、内容はナチスを徹底的に皮肉っている。
スリラー的な手法とコメディが混合した得も言われぬ味わいがあります。
主演のキャロル・ロンバードはクラーク・ゲーブルの妻であったことでも知られる人で、“スクリューボール・コメディの女王”と呼ばれただけあって、容姿の美しさも含めて素晴らしい。
最近出たばかりの国内盤DVDで観たが、画質は良いが、字幕が分かりにくくて最悪。
しかし、映画は最高。

またまた、このところ観た映画のメモです。

●『陽のあたる場所』(51年、監督:ジョージ・スティーヴンス、出演:モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー)

BS放送にて鑑賞。
これまでエリザベス・テイラーの出演作は観た記憶がほとんどないので、初めて彼女を観るような気持ちで鑑賞。
彼女の容姿は個人的に趣味ではないが、確かに美しいといえば美しい。
この時代らしいハリウッド映画らしい堅実な作りで、隙のない演出、ストーリー展開、俳優の演技、いずれも見事な出来。
内容が内容なので、あまり好きな映画ではないが。
個人的には、最後の裁判シーン以後は無くてもよいような気がした。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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