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アーサー・ペン監督の『俺たちに明日はない』を国内盤ブルーレイで観た感想。

BONNIE AND CLYDE』(67年)
監督:アーサー・ペン 
脚本:デヴィッド・ニューマン、ロバート・ベントン、ロバート・タウン 
撮影:バーネット・ガフィ 
音楽:チャールズ・ストラウス 
出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、ジーン・ハックマン、マイケル・J・ポラード、エステル・パーソンズ

再見。
ブルーレイレコーダーは昨年の夏に買っていたが、初めて国内盤ブルーレイのソフトを買ったのは実はこの作品だった。

本当に久しぶりにこの映画を観たが、想像していた以上に面白かった。
とにかくフェイ・ダナウェイの魅力がすごい。
有名な冒頭シーンはそれほど好きなわけではないが、全編に渡って表情の一つ一つがなんとも魅力的に写る。
ファッションもいい。
他に、マイケル・J・ポラードもこんなに良かったとは意外だった。
彼の演じたC・W・モスのキャラがこの中では一番好きかもしれない。

そして、特典映像にたっぷり入っているボニーとクライドの実話ドキュメンタリー、そして映画の製作秘話も本編に劣らぬくらい面白かった。
プロデューサーでもあったウォーレン・ベイティが当初監督にフランソワ・トリュフォージャン=リュック・ゴダールを考えていたというのはホントだったのね。
実話の方は、今では考えられない凄い話の連続。
史実を知る上でもとても勉強になりました。

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カール・TH・ドライヤー監督の『裁かるるジャンヌ』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル クリティカル・エディション)で観た感想。

LA PASSION DE JEANNE D'ARC』(28年)
監督:カール・TH・ドライヤー 
脚本:ジョゼフ・デルテーユ、カール・TH・ドライヤー 
撮影:ルドルフ・マテ 
出演:ルイーズ・ルネ・ファルコネッティ、ウジェーヌ・シルバン、アントナン・アルトー

再見。
初見の時は疑いなく人生最大の衝撃作の一本であった。
特に後半は圧巻で、ジャンヌ役の女優が本当に焼け死んだのかとすら思った(笑)。
が、さすがにそれから数回観たので衝撃が薄れたことは否定できない。
まぁ何度も観直すような映画ではないと思うが、折々にやけに観直したくなる映画であることも確かだ。
おそらく、ジャンヌ役のルネ・ファルコネッティのあまりに凄まじい演技に吸い寄せられるからだろう。
サイレント映画にありがちな難渋さがほとんど感じられないのも大きいかもしれない。

ところで、解説ブックレットによれば、驚いたことにどうやらこれまで観ていた『裁かるるジャンヌ』とはヴァージョン違いのようだ。
もちろん、今回が奇跡的に発見されたオリジナル・ネガを用いた、ドライヤー監督の意図に最も忠実なヴァージョン(オリジナルのデンマーク語字幕)らしいのだが。
簡単に言えば、これまで観ていたのは“別(没)テイク”ということになるようだ。
普通ならこれまで“別テイク”を観せられていたことに対して怒り心頭!となってもおかしくないのだが、不思議と怒りはなく、“別テイク”でも十分凄かったなぁとヘンに感心してしまった。
もちろん、初めて観るならこの“本テイク”が良いだろうけど。

DVDの画質はビックリするほど良く、さすがは紀伊国屋だと感心する。
DVDに付随する柳下美恵氏のピアノ伴奏はこの日本盤オリジナルのものだが、観ていて全くと言ってよいほど違和感を感じなかった。
それだけ映画に合っていたということだろう。

アナトール・リトヴァク監督の『将軍たちの夜』を国内盤DVDで観た感想。

THE NIGHT OF THE GENERALS』(66年)
監督:アナトール・リトヴァク 
脚本:ジョセフ・ケッセル、ポール・デーン 
撮影:アンリ・ドカ
音楽:モーリス・ジャール 
出演:ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、トム・コートネイ、フィリップ・ノワレ、クリストファー・プラマー、ジョアンナ・ペティット、ジュリエット・グレコ、ドナルド・プレザンス、コーラル・ブラウン、ニコール・クールセル

初見。
144分という時間が短く感じられた。
原作はハンス・ヘルムート・カーストの小説だが、脚色は『影の軍隊』の原作者ジョセフ・ケッセル(ポール・デーンとの共同)。
また、撮影はあのアンリ・ドカ、音楽はあのモーリス・ジャール、美術はあのアレキサンドル・トローネルとスタッフも凄い。

娼婦が惨殺された事件の容疑者3人が皆ナチスドイツの将軍で、その事件の捜査にかかるのが同じナチスの少佐という物語の設定が興味深いが、その犯人探しのミステリーに加え、将校の恋愛であったりヒトラー暗殺などが絡みあったりで全く目が離せない作品に仕上がっている。

それになんといっても、キャストが皆素晴らしい。
ピーター・オトゥールオマー・シャリフフィリップ・ノワレといった名優が揃っっているが、その誰もが見事な演技を披露。

ピーター・オトゥールは、異常なまでの潔癖症という将軍役を全く違和感なく演じている…というか、完璧なハマリ役で、こういう役を演じて右に出る俳優はいないかもしれない。
また、殺人事件のナゾを追うオマー・シャリフのドイツ軍人役というのも意外にも颯爽と演じていて素晴らしい。
フィリップ・ノワレもどこがどうということのない自然体な演技だが、存在感は強い。
ちなみに、ジュリエット・グレコはバーでシャンソンを歌うシーンでちょっとだけ登場。

この映画の弱点を探すとすれば、ドイツ兵の言葉が英語になってしまっている点くらいか。

ジム・ジャームッシュ監督の『ゴースト・ドッグ』を国内盤DVDで観た感想。

GHOST DOG:THE WAY OF THE SAMURAI』(99年)
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ 
撮影:ロビー・ミューラー 
音楽:RZA 
出演:フォレスト・ウィテカー、ジョン・トーメイ、クリフ・ゴーマン、ヘンリー・シルヴァ、ヴィクター・アルゴ、トリシア・ヴェッセイ、カミール・ウィンブッシュ
日本語公式サイト

初見。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』(67)にインスパイアされたという評判がきっかけで観始めた映画だが、実際のところ、ほとんど『サムライ』のリメイクに近いくらいの内容であった。

『サムライ』との大きな相違点は、警察の存在が全くといってよいほどストーリーに関連してこないこと、そして、主人公の殺し屋が『葉隠』を愛読し、“サムライ”という存在を自ら強く意識している点である。

思い起こしてみれば、メルヴィルの『サムライ』において、アラン・ドロン演じる殺し屋ジェフ・コステロは自身が“サムライ”であることを意識していたわけでななかった。
武士道”という本の言葉が冒頭に出てきていたが(実際は監督のメルヴィルの創作)、映画を観る限りにおいては、ジェフ・コステロ自身がそのことを意識しているというような描写はない。
あくまでも結果として、彼の行動様式が“サムライ”に模されたということだった。

しかし、『ゴースト・ドッグ』においては、フォレスト・ウィテカー演じるゴースト・ドッグの声によって『葉隠』の言葉が何度も紹介されるように、殺し屋は『葉隠』を愛読しながら、自身が“サムライ”たらんことを強く意識し、常にその行動様式の中で生きようとしている。
その意味においては、(良し悪しの問題ではなく)『サムライ』以上に“サムライ色”の強い作品といえるかもしれない。

ただ、内容はシリアス一辺倒ではない。
というか、マフィアの描き方に代表されるように、コメディの要素がかなり強い作品である。
車を盗む手口やナンバープレートを変えるところなど、ほとんど『サムライ』のパロディといってよく、『サムライ』を知っていたらもう笑ってしまうほどだ。
そういう意味で、『サムライ』を知っていて観るか否かによって、この作品に対する感じ方がかなり変わってくると思われる。

しかし、これはこれで実に面白い、いい作品だと思う。
どうしても『サムライ』との比較で、観る前はフォレスト・ウィテカーの存在感に大いなる疑念があったのだが、観ているうちに全然気にならなくなった。
というか、この映画のフォレスト・ウィテカーはとても良かった。
ゴースト・ドッグとアイスクリーム屋の友情関係や、鳥との関係、過去にゴースト・ドッグを救ってくれた男との主従関係なども魅力的に描かれている。

また、ところどころで流れるRZAヒップホップに最初は抵抗感を覚えたが、これもだんだん気にならなくなった。
むしろ、映画の内容にはよく合っていたと思う。

中にはメルヴィルの『ギャング』や『仁義』を思わせるシーンもあり、ジャームッシュのメルヴィル・ファンぶりが窺える。
当然のことながら、エンドクレジットの“PERSONAL THANKS”の中に“JEAN-PIERRE MELVILLE”の名も出てくる。

ロバート・アルドリッチ監督の『北国の帝王』を国内盤DVDで観た感想。

EMPEROR OF THE NORTH』(73年)
監督:ロバート・アルドリッチ 
脚本:クリストファー・ノップ 
撮影:ジョセフ・バイロック 
音楽:フランク・デ・ヴォール 
出演:リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン、チャールズ・タイナー、サイモン・オークランド、マット・クラーク

 
初見。
男映画”として大変評判の良い作品だから、期待して観始めたのだが…どうも私の好みではなかった。
キース・キャラダインのキャラが癪に障ってしようがなかったからかもしれない。
それに比べると、リー・マーヴィンアーネスト・ボーグナインの面構え(この言葉がピッタリ)と存在感は素晴らしく、この二人に関しては文句のつけようがない。
それにしても、リー・マーヴィンは若い頃に比べていい顔になってるなぁ。

ラストの闘いは圧巻である。

ビクトル・エリセ監督の『エル・スール』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。
 
EL SUR』(82年)
監督・脚本:ビクトル・エリセ 
原作:アデライーダ・ガルシア・モラレス 
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
出演:オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングーレン、イシアル・ボリャン、オーロール・クレマン 

 
再見。
父と娘の物語には昔から妙に惹かれる。
この映画もそうだが、小説でもこれまでで最も感動した本は大学生の頃に読んだ獅子文六の『娘と私』である。
『娘と私』は読んだ時の印象が強烈すぎて、それ以来一度も読み返していないが、実際自分に娘が生まれた現在、読み返したらどんな感想を抱くだろうか。(この小説が1962年に映画化されていることを知った。堀川弘通監督、山村聡、原節子共演。是非とも機会があれば観てみたい)

この『エル・スール』にも同じような思いがあった。
初めて観た時の感動が忘れられないだけに、再見するのが怖いという気持ちがかなりあった。
再見するとだいたい初めて観た時の感動は薄れるものだからである。

そんな中、紀伊国屋書店から出た新しい国内盤DVDを入手できたので、久しぶりにこの作品を観直したが、やはりこの映画は素晴らしかった。
以前からこれは古今東西で最もすばらしい映画の一本だと思っているが、その思いに今も変わりはない。
父と娘のダンスシーン、二人きりのレストランのシーンなど実に余韻が深い。
娘役の二人の女優も素晴らしい。
父親役のオメロ・アントヌッティはこの映画を観る限り、最高の名優だ。
ラストもさり気なくも感動的。

ビクトル・エリセ監督作品としては『ミツバチのささやき』は以前スクリーンで観たことがあるが、この作品はソフトのみ。
いつかスクリーンで観てみたい。

ちなみに新しい国内盤DVDは、以前観た旧国内盤(東北新社)とは比較にならないくらい画質は良い。

ジョセフ・ロージー監督のイギリス映画『唇からナイフ』(66年)の国内盤DVDがAmazonで50%オフになっていたので早速注文。

このDVDは5月に発売になっており、それ以来ずっと気になっていたが、まさかこの時期に50%オフになるとは思っていなかったのでとてもトクした気分だ。
個人的にモニカ・ヴィッティのファンでもあるので観るのが楽しみだが、ダーグ・ボガードテレンス・スタンプなどが出演しているのも興味深い。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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