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以前別サイトにて書いたフランソワ・トリュフォー監督作品のレビューの転載です。(一部手直しあり)
今回は『トリュフォーの思春期』。
『L’ARGENT DE POCHE』 (76年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、シュザンヌ・シフマン
撮影:ピエール=ウィリアム・グレン
音楽:モーリス・ジョーベール
出演:子供たち多数、ジャン=フランソワ・ステヴナン(リシェ先生)
105分、カラー
赤ん坊から思春期手前の少年少女たちまで、子供を主人公に、いくつかのエピソードをスケッチ風に描いた作品。
原題の意味は「おこづかい」。
邦題はそれほど内容に忠実とは言えませんが、これは“子供という存在”に寄せるトリュフォーの思いが一つに結晶したような映画。
実際、出演している子供たち一人一人が本当に可愛く、子供好きな人には堪らない映画ではないでしょうか。
内容的にも、子供たちに注がれる、トリュフォーならではの暖かい視線が画面を通して伝わってくるようで、いわゆる“傑作”とか“名作”とかいうような作品ではないかもしれませんが、観ていて実に楽しく、私も大好きな作品です。
何人かの子供たちのエピソードが主なストーリーを形成していますが、子供たちの演技が自然で、小手先に走ったところが無いのも良いと思います。
それぞれ、思わず笑ってしまうようなエピソードがほとんどで、特にグレゴリー坊やとシルヴィーのエピソードは楽しかったです。
学校のリシェ先生と生徒の関係もとても良い関係に描かれており、夏休み前に先生が生徒に語る部分はトリュフォー自身の言葉のよう。
ただ、中には現代にも通じる深刻なテーマを含んだものもあり、そこにかつての『大人は判ってくれない』の匂いを感じたりもします。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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