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前回の『めんどりの肉』に続き、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の作品を観ました。

image59.gifDiaboliquement Votre』(67年)
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
原作:ルイ・C・トーマ
脚本:ジュリアン・デュヴィヴィエ、ローラン・ラージル、ジャン・ボルバリ
撮影:アンリ・ドカ
音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:アラン・ドロン、センタ・バーガー、セルジョ・ファントーニ、ピエール・モスバシェル

デュヴィヴィエ監督、ドカ、ド・ルーべ、そしてドロン…このメンツからいっても、期待するなという方がおかしいでしょう。
デュヴィヴィエ監督の遺作ですが、それを感じさせない疾走感ある若々しいオープニングにいきなり驚かされます。
オープニングのフランソワ・ド・ルーべの音楽(オーケストレーションは『影の軍隊』『仁義』のエリック・ドマルサン)も素晴らしい。

image58.gifところが、病院、お城と物語が展開するに従って、隙間風が吹くような白けた空気が映画に漂い始めます。
一見、意味有り気に見えながらもほとんど意味の無い大仏や、ドロン着用の紋付の着物を始めとする妙な感じのオリエンタル趣味、どう見ても中国人に見えない使用人、怪しさ満点の医者、そしてテープレコーダーなど緊迫感の感じられないシーンの数々…。
主演のアラン・ドロンセンタ・バーガー二人とも見た目は美しいので、視覚的にはそれなりに楽しめる映画なのですが、映画前半からなんとなくオチが見える展開といい、サスペンス劇としての作りの甘さが気になってしまいます。

image57.gifデュヴィヴィエ監督というと、心理描写に優れたかっちりしたドラマを作る監督というイメージがありましたが、この映画は本気なのか冗談なのか分からないシーンが続出で、特に映画後半で、コトの真相を女から聞いた男が「もう一回」「いいわ」(SEXのことです)のやりとりを聞いた時は、「これって笑うとこ?」と思ってしまいました…。
また、二体の死体が転がるラストの展開や、その後のオチもどうも締まらない印象ですが、ゴダール作品のようなユーモアとして捉えればいいんでしょうか…よく分かりません。

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督は、どちらかというと戦前の作品の評価が高く、戦後の作品の評価は相対的に低いようですが、戦後も、前回紹介した『めんどりの肉』の他にも『埋れた青春』『自殺への契約書』など素晴らしい作品を世に出しています。
その名匠の遺作としては、この作品は残念ながら期待外れの印象でした。
実際のところ、観たソフトが画質の良くないVHSビデオレンタルでしたので、画質の良いDVDで観ると印象が変わるかもしれませんが…。

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鑑賞おめでとうございます<(_ _)>
マサヤさん
TBありがとうございます<(_ _)>
私の方からは別の記事をTBさせていただきますね
ド・ルーベさんの音楽好きです♪好きです♪大好きです♪
私的には結構お気に入りの作品なのですが
その訳は・・・ドロンさんが絶え間なく画面に登場しているからです(笑)
単純でしょう
DVDデッキのHDDに入れているのでソフト無しでもいつでも観たい時に観ております
Astay 2008/05/13_Tue_01:11:25 編集
無題
マサヤさん、こんばんは。
あっ、Astayさんのコメントだっ!
お久しぶりです。お元気ですか?
さて、また我流の記事TBさせていただきました。わたしは、マサヤさんの記事内容、Astayさんの嗜好、どちらも賛成です。
が、わたしは、とにかく想像力こそヌーヴェル・ヴァーグ(新しい映画)の鑑賞と信じているものですから、映画からたくさんの連想して、それをその映画の感想としてしまいます。ですから当作品がいわゆる駄作であってもわたくしにとっては映画史的名作になってしまいました。
お笑いくださいませ(笑)。
戦後のデュヴィヴィエ監督作品では『殺意の瞬間』も素晴らしいと思っています(これは客観的に)。
では、また。
Tom5k URL 2008/05/13_Tue_22:44:52 編集
なんだかんだいっても…
Astayさん
作品にあまり好意的な記事ではなかったので、トラバするべきかどうか迷いましたが、思い切ってトラバさせていただきました。
ド・ルーべの音楽は私もかなり気に入りましたよ。
また、確かにドロン氏出ずっぱりのこの映画は、ファンの方には堪らないでしょう。
なんだかんだいって、国内DVDが出たら私も買うと思います(笑)。
マサヤ@管理人 URL 2008/05/14_Wed_01:06:05 編集
デュヴィヴィエ
トムさん
トラバありがとうございます。
いつもながらトムさんの分析は見事で、私の記事など恥ずかしい限りです。
ちなみに、『殺意の瞬間』は未見なので、是非観たいと思っております。
マサヤ@管理人 URL 2008/05/14_Wed_01:10:15 編集
無題
おひさしぶりです、何年か前にこの作品を観て自分はそれなりに楽しめたのですが、いわれてみると「もう一回」「いいわ」のシーンは苦笑てかんじでしたね。あとアランドロンが、城の庭で女に向けて
歌うシーンもなんか「ちょっと・・・」ってかんじに思えました、個人的に。
noto 2008/05/27_Tue_08:46:41 編集
ドロンの歌のシーン
notoさん
こちらこそお久しぶりです。
ご指摘の通り、ドロンの歌のシーンも確かに「ちょっと…」って感じでしたね。
マサヤ@管理人 URL 2008/05/28_Wed_10:33:04 編集
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悪魔のようなドロンさま
     [[attached(1)]] STUDIO CANAL版のDVD(フランス)の特典映像として入っている 『悪魔のようなあなた』の映像です 普通の予告編ではなく、見所を繋ぎ合わせている作品紹介ビデオみたいですね もう、ビデオの最初からフランソワ・ド・ルーベの躍動感のある音楽が炸裂です♪ 画質は劇場公開用のフィルムのようです 本編のDVD画像はこの何倍も美しいですよ     [[embed(,http://www.youtube.com/v/wLbsaSPV8lA,...
URL 2008/05/13_Tue_01:03:59
『悪魔のようなあなた』~ジャン・リュック・ゴダールからジュリアン・デュヴィヴィエへの賛美~
 『悪魔のようなあなた』は、高速スピードで疾走している自動車内のドライバーの視点から、道路と風景を捉えていく緊張感の高いタイトル・バックから始まっていきます。  このファースト・シークェンスでは、自動車の疾走と病院内の様子を交互にクロスカッティングさせていることで、ドライバーがすでに事故に遭遇していることを理解させます。それらはフラッシュ・バックによって、疾走する自動車と、医師、看護婦、医療器具や病院内の風景などとを、フレームセンター、および左右両端からのワイプやオーバーラップでつなぎ、特に自動車が衝突...
URL 2008/05/13_Tue_22:29:16
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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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