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以前紹介した私の好きなジャズ・アルバム・ベスト20の中から今回取り上げるのは⑩(順位ではありません)に挙げたザ・ダイヤモンド・ファイヴ『ブリリアント!』
THE DIAMOND FIVE 『BRILLIANT!』 (Fontana)
①ジョニーズ・バースデイ②ルーインド・ガール③ルトゥリ④ライニング・アップ⑤ニュー・ボーン⑥モノシル
シーズ・スリンガー(p)、シーズ・スモール(tp、flh、v-tb)、ハリー・ヴァーベク(ts)、ジャック・スコールス(b)、ジョン・エンゲルス(ds)
録音:64年5月
“ザ・ダイヤモンド・ファイヴ”はピアニストのシーズ・スリンガー率いるオランダの名コンボで(全員白人)、現在CDはこのアルバムくらいしか市場に出回っていないようだ。
しかし、たとえこのコンボがこの世に残したアルバムがこの一枚だけであったとしても、このコンボの名は不滅である。
以前紹介したジャズ・クインテット60『プレゼンティング・ジャズ・クインテット60』を始め、ヨーロピアン・ジャズに私の関心を向かわせた決定的なアルバムが何枚かあるが、これはその中の一枚。
これまで何百枚のジャズのCD、いや、もしかしたら千枚単位のジャズのCDを聴いてきたが、一体何を求めてジャズのCDを買い求めているかといえば、この作品のような音、曲、演奏が聴きたいからではないかと思う。
それくらい、このアルバムは私のツボに近い。
演奏はモーダルな雰囲気を持ったハード・バップだが、いかにもヨーロピアン・ジャズ的な品格と哀愁を感じさせる曲調、演奏である。
何をもってヨーロピアン・ジャズの特徴というか説明するのは難しいが、音楽性にヨーロッパ的な美的感覚(楽器の音色の美しさ、アレンジの構築性)が感じられる点と、ソロイストの強烈な個性よりはあくまでグループとしての統制のとれたアンサンブルを重視しているように感じられる点などが要素として挙げられるだろう。
もちろん、メンバー個々の演奏も最高で、とりわけ、ジャック・スコールスのベース・ラインと、ジョン・エンゲルスのドラムスの魅力は筆舌に尽くしがたい。
また、録音も素晴らしい。
このダイヤモンドのジャケットの格好良さとCD帯びの『これぞヨーロッパ・レア盤の最高峰!』という文句に惹かれて購入し、ドラムのイントロから始まる1曲目の『ジョニーズ・バースデイ』を聴いた途端に『うぉ〜格好いい〜』(特にドラムのフィルインが最高〜)と唸ってしまい、しかも全曲が素晴らしい内容のアルバムなので、もうずっと愛聴盤になっております。
管理人さんも仰るように私もジャズに求めているものっていうのがこのアルバムの楽曲のような哀愁を感じさせるジャズなんだなと思います。
こういう格好いい哀愁を感じるハード・バップのアルバムを聴くと、ジャズって本当にいいなと思いますし、何だかハンク・モブレーとかの哀愁を感じるハード・バップなんかも聴きたくなってしまいますね…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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