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オットー・プレミンジャー監督の『歩道の終わる所』を国内盤DVDで観た感想。

WHERE SIDEWALK ENDS』(50年)
監督:オットー・プレミンジャー
脚本:ベン・ヘクト
撮影:ジョセフ・ラシェル
音楽:シリル・J・モックリッジ
出演:ダナ・アンドリュース、ジーン・ティアニー、ゲイリー・メリル、バート・フリード、トム・テューリー、カール・マルデン 

再見。
監督がオットー・プレミンジャー、主演がダナ・アンドリュースジーン・ティアニーの二人といったらなんといっても『ローラ殺人事件』(44)が有名であるが、この作品も決してそれに劣るものではない。
良心の呵責に苦しむ刑事の姿をダナ・アンドリュースが熱演。
ジーン・ティアニーはしどころが少ない役だが、ラヴ・シーンの時の潤んだ瞳がいい。
ラストは個人的には納得。

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ロベール・ブレッソン監督の『湖のランスロ』を国内盤DVDで観た感想。

LANCELOT DU LAC』(74年)
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
撮影:パスクワリーノ・デ・サンティス
音楽:フィリップ・サルド
出演:リュック・シモン、ローラ・デューク・コンドミーナ、アンベール・バルザン、ウラディミール・アントレク=オレスク、パトリック・ベルナール 
 
初見。
中世の騎士道伝説を主題とした作品で、ロベール・ブレッソン監督が長年映画化を夢見ていたのだという。
ストーリーは分かりにくいところはあるが、ブレッソン作品では追いやすい方か。
しかし、さりげないようでいてどこか冷酷無比な恐ろしさを感じる作品だ。

例によって、出演俳優は無名の素人ばかりであり、その棒演技と抑揚のないセリフ廻しは気にならないと言ったら嘘になるが、ブレッソン流の確信犯的行為?だから致し方ない。
ランスロ役の俳優はルックス、存在感ともに決して悪くはないが、もう少し若い俳優だったらもっと良かったかも。

一方で、撮影はヴィスコンティの『ベニスに死す』(71)の撮影監督だったパスクワリーノ・デ・サンティス
その美しいカラー映像はさすがに見事。
また、あのフィリップ・サルドが音楽を担当というのが意外でもあり、映像に合っているのか合ってないのか分からない音楽がかえって面白い。
鎧の当たる音、擦れる音も全篇にわたって印象的である。

フリッツ・ラング監督の『扉の影の秘密』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)にて観た感想。

SECRET BEYOND THE DOOR』(48年)
監督:フリッツ・ラング 
脚本:シルヴィア・リチャーズ 
撮影:スタンリー・コルテス 
音楽:ミクロス・ローザ 
出演:ジョーン・ベネット、マイケル・レッドグレーヴ、アン・リヴェール、バーバラ・オニール、ナタリー・シェイファー、ポール・キャヴァナー

ジョーン・ベネットが主演した4本のラング作品のうちの1本で、ヒッチコックの『レベッカ』とかジョージ・キューカーの『ガス燈』とかいった作品を髣髴とさせるニューロティック・サスペンス。
スタンリー・コルテスの撮影、ミクロス・ローザの音楽とスタッフも強力で、後年の作品に比べればラングとしてはまだまだ気合の入った演出を感じさせる作品だが、脚本的にはかなり唐突な印象は否めない。
しかし、演出力や登場人物のアクの強さによって一気に観せきってしまうパワーは大したものではある。

サイコ・スリラー的要素も強い作品なので、ジョーン・ベネットがもっとか弱いイメージの女優だったらさらにコワい作品になっていたかもしれないが、これはない物ねだりか。
これがハリウッド・デビューとなったマイケル・レッドグレーヴが好演。

クロード・シャブロル監督の『美しきセルジュ』を国内盤DVD(IVC)にて観た感想。

LE BEAU SERGE』(58年)
監督・脚本:クロード・シャブロル
脚本:ジャン・コティ
撮影:アンリ・ドカ
出演:ジェラール・ブラン、ジャン=クロード・ブリアリ、ベルナデット・ラフォン、クロード・セルヴァル、ミシェル・メリッツ  
 
再見。
正直言って、前回観た時にはあまり好きになれなかった。
ヌーヴェル・ヴァーグの作品にしては舞台が田舎、それも内容の重苦しい雰囲気がどうも肌に合わなかったためだが、今回観直してみて、前回感じたような苦手な感じを受けなかったのは前回観たことによる免疫と、こちらの心理的な変化のせいか。

確かにストーリー的には好き嫌いが分かれそうな作品だが、とにかく、ジェラール・ブランジャン=クロード・ブリアリベルナデット・ラフォンというヌーヴェル・ヴァーグを代表する3人の俳優がすばらしいのと、アンリ・ドカの見事なカメラワークが見もの。
ジェラール・ブランとジャン=クロード・ブリアリはシャブロルの次回作『いとこ同志』(59)ではこの映画とまるっきり逆の役柄を演じているが、どちらも全く違和感がないのはすごい。
ヒロインのベルナデット・ラフォンはまさに適役。

なお、神父役のクロード・セルヴァルは『いとこ同志』にも出演しているが、ジャン=ピエール・メルヴィルの『賭博師ボブ』(55)にも出演しているので気になる方は要チェック。

フリッツ・ラング監督の『ブルー・ガーディニア』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

THE BLUE GARDENIA』(53年)
監督:フリッツ・ラング
脚本:チャールズ・ホフマン
撮影:ニック・ムスラカ 
音楽:ラオール・クロウシャー
出演:アン・バクスター、リチャード・コンテ、アン・サザーン、レイモンド・バー、ジェフ・ドネル、ジョージ・リーヴス、ナット・キング・コール

初見。
フィルム・ノワールというよりはごくありがちなフツーのサスペンス映画になってしまっている点が個人的には物足りないが、映画の内容そのものは面白いので、興味ある人には観る価値は十分ある作品だろう。

ナット・キング・コールが歌手役で出演、映画のタイトルとなっている『ブルー・ガーディニア』を歌っていることで有名な作品。
ただ、出番は短い。
ヒロインのアン・バクスターは出ずっぱりの割には全体的には存在感が今一つという印象だが、その中ではレイモンド・バーとのレストランのシーンが印象的で、酔っ払った時の演技はそれらしくて良かった。
同居女3人のキャラクター、関係が巧く描かれている作品だ。
一方でコラムニスト役のリチャード・コンテがいい。

ロベール・アンリコ監督の『若草の萌えるころ』を国内盤DVD(デックスエンタテインメント)で観た感想。

TANTE ZITA』(68年)
監督:ロベール・アンリコ
原作:リシュエンヌ・アモン
脚本:リシュエンヌ・アモン、ロベール・アンリコ、ピエール・ペルグリ
撮影:ジャン・ボフェティ
音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:ジョアンナ・シムカス、カティーナ・パクシヌー、ホセ・マリー・フロタス、ベルナール・フレッソン、ポール・クローシェ、シュザンヌ・フロン
 
再見。
新しい国内盤DVDが発売されたばかりだが、私が観たのは旧国内盤である。
旧盤の画質はもう一つ。
新しい国内盤は“HDニューマスター”と謳っているからそちらの方が画質は良いだろう…たぶん。

それにしても、久々に観直してこの隠れた(?)名作を堪能した。
アンリコ&シムカス&ド・ルーベといったらなんといっても『冒険者たち』だが、これもそれに劣らない傑作である。
ジョアンナ・シムカスが出ずっぱりで彼女のファンには堪らないし、独特のせつなげな幻想的ムードも魅力的。
周囲もベルナール・フレッソンポール・クローシェシュザンヌ・フロン等、この種の作品にはもったいないほどの豪華キャスト。
原題の[Tante Zita]とはジータおばさんの意だが、そのおばさんを演じたカティーナ・パクシヌーはあの『若者のすべて』で兄弟たちの母親役を演じている女優。
ずっと寝ているだけの役だが、さすがの存在感としか言いようがない。

また、この作品のロケーション撮影が本当に魅力的。
とりわけ、後半に登場する古い屋敷、幻想的なシーンの数々はド・ルーベの音楽の美しさと相まって、たまらなく切なく、美しい。
  
ちなみに原作&脚本を手がけたリシュエンヌ・アモンはアンリコ夫人で、先日このブログでも紹介したルイ・マル監督の『恋人たち』に女優として出演しているという話もある。
アンリコとシムカスは愛人関係だったなんて話もあるし、一体この3人はどんな関係だったのかしら。

もちろん、忘れてはならないのがフランソワ・ド・ルーベの音楽で、スペイン風?のギターの調べがなんとも美しく、彼の代表作の一つだと思う。

ルイ・マル監督の『恋人たち』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。

LES AMANTS』(58年)
監督:ルイ・マル
脚本:ルイ・マル、ルイ・ド・ヴィルモラン
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ブラームス
出演:ジャンヌ・モロー、アラン・キュニー、ジャン=マルク・ボリー、ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ

再見。
あの『死刑台のエレベーター』といい、この時期のルイ・マルはある種神がかっているといると言えなくもない。
とりわけ音楽の選択が見事で、『死刑台のエレベーター』におけるマイルス・デイヴィスのジャズといい、ここでのブラームス弦楽六重奏第1番の選択といい、そのセンスの良さにただただ驚くばかりである。(『鬼火』におけるサティの使い方も絶妙だった)

そして、ジャンヌ・モローの無二の存在感とアンリ・ドカのいくら絶賛してもし過ぎることのない素晴らしい撮影。
クライマックスの夜のシーンは実際は昼に撮ったなんて話もあるが、そのつもりで観ると確かにそう見えなくもない。
どちらにせよ、ここでの撮影技術が見事であることに変わりない。
出演者の少ない映画だが、ジャンヌ・モローの夫役のアラン・キュニーを初めとする男優陣もいい。

そして、この映画の国内盤DVDについてだが、私が観た紀伊国屋盤はすでに廃盤、現在ではIVCから新たな国内盤が発売されている。
IVC盤はHDリマスターと謳っているが、紀伊国屋盤に比べ画質的にどうなのだろうか。

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HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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