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工藤栄一監督の『十三人の刺客』をDVDで観た感想。

十三人の刺客』(1963)
監督:工藤栄一
脚本:池上金男
撮影:鈴木重平
音楽:伊福部昭
出演:片岡千恵蔵、里見浩太郎、内田良平、丹波哲郎、嵐寛寿郎、西村晃、月形龍之介、菅貫太郎

初見。
世評高い映画なので期待して観始めたが、少々期待外れの感が免れなかった。
もちろん、とても面白い映画だったのだけれど。
ちょっと期待が大きすぎたか。
片岡千恵蔵の重厚な存在感は実に魅力的。

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市川崑監督の『こころ』を国内盤DVDで観た感想。

こころ』(55年)
監督:市川崑  
原作:夏目漱石 
脚本:猪俣勝人、長谷部慶治 
撮影:伊藤武夫、藤岡粂信 
音楽:大木正夫
出演:森雅之、新珠三千代、三橋達也、安井昌二、田村秋子

初見。
夏目漱石の『こころ』といえば、高校の教科書に載っていて、授業の進行よりも先に読み終えてしまった数少ない小説の一つであった。(もう一つは太宰治の『人間失格』)
同じような経験をした人はたくさんいるに違いない。
その後も大学時代に文庫本を買って全編読み終えたが、不思議と教科書で読んだ時のような興奮はなかった。

そこで今回観たこの映画。
良い意味で原作の記憶がほとんど薄れているので、初めてこの作品に触れるような気持ちで観始めた。

内容は実に見ごたえのある素晴らしい映画であった。
どこまで原作に忠実かは未確認だが、少なくとも大きな改変はないように感じられた。
なによりキャストがすばらしい。
森雅之は先生その人のようで、切ってはめたような適役だし、新珠三千代の美しさは何をかいわんや。

それと不思議だが、先生の過去が映像化される後半よりも前半の方に惹きつけられた。
過去の部分は学生時代の話だから森雅之(当時44歳)がさすがに年齢的に無理がある。
それでも森雅之だからまだ違和感なく観られた方だと思うが。

新珠三千代(当時25歳)はまだ無理がないがそれでも後年の姿の方がはるかに美しい。
友人役の三橋達也もそれらしい雰囲気があるのが何よりだし、演技も良かった。
男二人の新珠三千代に対する煩悩の部分はサラリと描かれているが、こちらが分かって観ているせいだろうか、動機として弱い印象はない。
一方で新珠三千代の母役の田村秋子はいやらしさ一歩手前の絶品演技であった。


 

千葉泰樹監督の『下町(ダウンタウン)』をスクリーン(神保町シアター)で観た感想。

下町(ダウンタウン)』(57年)
原作:林芙美子
脚本:笠原良三、吉田精彌
撮影:西垣六郎
音楽:伊福部昭
出演:山田五十鈴、三船敏郎、淡路恵子、田中春男、多々良純、村田知英子

59分という短い映画だが、全く物足りなさを感じなかった。
無駄を省いたテキパキとした物語の進行が見事で、それでいて物事の意味はよく伝わってくるという、職人芸的な出来栄えの作品である。
出演者は決して多くないが、なんといっても山田五十鈴が素晴らしい。
旅館のシーンにおいて立ち昇る色気は尋常ではない。

川島雄三監督の『赤坂の姉妹より  夜の肌』をスクリーン(神保町シアター)で観た感想。

赤坂の姉妹より  夜の肌』(60年)
監督:川島雄三
原作:由起しげ子
脚本:八住利雄、柳沢類寿、川島雄三
撮影:安本淳
音楽:真鍋理一郎
出演:淡島千景、新珠三千代、久慈あさみ、三橋達也、伊藤雄之助、フランキー堺

初見。
シネマスコープのカラー作品。
ストーリーもそれなりに面白いが、なんといっても淡島千景の着物姿の身のこなしが色っぽくて良い。
個人的にはこれだけでこの映画は充分に魅力的である。
妹役を演じたさすがの新珠三千代も霞んでしまうほど。
その二人の取っ組み合いの喧嘩シーンはなかなか見応えがあった。
また、政治家役の伊藤雄之助が実にはまり役。

五所平之助監督の『挽歌』をスクリーン(神保町シアター)で観た感想。

挽歌』(57年)
監督:五所平之助   
脚本:八住利雄、由起しげ子 
撮影:瀬川順一 
音楽:芥川也寸志 
出演:久我美子、森雅之、高峰三枝子、斎藤達雄、渡辺文雄

初見。
原田康子原作の同名ベストセラー小説を映画化したもので、北海道・釧路が舞台。
なんといっても、その釧路でのロケーション撮影が美しく、そこに描かれた街並みは驚くほどモダンである。
ストーリーや雰囲気にも、どこかフランス映画的な、それも戦前の詩的リアリズム的な匂いを感じた。
主演の3人のバランス、演技もいい。

市川崑監督の『細雪』を国内盤DVDで観た感想。

監督:市川崑 
原作:谷崎潤一郎  
脚本:日高真也、市川崑 
撮影:長谷川清 
音楽:大川新之助、渡辺俊幸 
出演:岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、伊丹十三、石坂浩二、岸部一徳、桂小米朝、江本孟紀

初見。
谷崎の原作を読んだのはもう20年以上昔になるので、内容はてんで覚えていない。
よって、一映画としての感想…。

女優陣、美術、衣装、風景の美しさが魅力的な良い作品なのだが、いくつか気になった点が。
まず音楽(オンブラマイフ)がシンセサイザー?で演奏されるのに違和感を感じた。
ストリングスだったら違和感も感じないはずだが…

長女役の岸恵子が演技も存在感も素晴らしいが、どうしてもこの四姉妹との違和感を感じた。
特に次女役の佐久間良子とどうしても姉妹に見えない。
やっぱり顔立ちが西欧風なのである。
もともとこの長女役は山本富士子にオファーが行ったらしい。
この頃の山本富士子だったら文句なかったろうに…。
もちろん、そんな事情で急なオファーだったという岸恵子本人に責任はないが。

それにしても、この映画の吉永小百合は美しすぎて反則スレスレ?だ。
足を出すシーンは(あれだけなのに)ヘタなヌード写真よりもよっぽどエロい。
古手川祐子は普通の出来。

伊丹十三は文句なし。
その抑えた演技は素晴らしかった。
石坂浩二はいいが、ラストの演技が疑問。
それにしても、江本孟紀は…

今度6月にクライテリオンからブルーレイが出る。
日本のメーカーこそ出すべきだろう…

小林正樹監督の『切腹』のブルーレイが4月に出ます。
あまりブルーレイで観るというイメージのない作品だけに、あえてブルーレイで観る必要があるか否かは分かりませんが、これまでなんとなくDVDを買い損ねていただけに買ってみたい気持ちも強くなっています。
内容は文句の付けようのない大傑作ですし、またあの緊張感に浸ってみたいという思いもあるので。(以前書いたこの映画の記事

ところで、今年公開予定のリメイク版は3Dだそうで…

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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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