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市川崑監督の『こころ』を国内盤DVDで観た感想。

こころ』(55年)
監督:市川崑  
原作:夏目漱石 
脚本:猪俣勝人、長谷部慶治 
撮影:伊藤武夫、藤岡粂信 
音楽:大木正夫
出演:森雅之、新珠三千代、三橋達也、安井昌二、田村秋子

初見。
夏目漱石の『こころ』といえば、高校の教科書に載っていて、授業の進行よりも先に読み終えてしまった数少ない小説の一つであった。(もう一つは太宰治の『人間失格』)
同じような経験をした人はたくさんいるに違いない。
その後も大学時代に文庫本を買って全編読み終えたが、不思議と教科書で読んだ時のような興奮はなかった。

そこで今回観たこの映画。
良い意味で原作の記憶がほとんど薄れているので、初めてこの作品に触れるような気持ちで観始めた。

内容は実に見ごたえのある素晴らしい映画であった。
どこまで原作に忠実かは未確認だが、少なくとも大きな改変はないように感じられた。
なによりキャストがすばらしい。
森雅之は先生その人のようで、切ってはめたような適役だし、新珠三千代の美しさは何をかいわんや。

それと不思議だが、先生の過去が映像化される後半よりも前半の方に惹きつけられた。
過去の部分は学生時代の話だから森雅之(当時44歳)がさすがに年齢的に無理がある。
それでも森雅之だからまだ違和感なく観られた方だと思うが。

新珠三千代(当時25歳)はまだ無理がないがそれでも後年の姿の方がはるかに美しい。
友人役の三橋達也もそれらしい雰囲気があるのが何よりだし、演技も良かった。
男二人の新珠三千代に対する煩悩の部分はサラリと描かれているが、こちらが分かって観ているせいだろうか、動機として弱い印象はない。
一方で新珠三千代の母役の田村秋子はいやらしさ一歩手前の絶品演技であった。


 

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フランス映画、ジャズ
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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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