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篠田正浩監督の『乾いた花』を国内盤DVDで観た感想。

乾いた花』(64年)
監督:篠田正浩
原作:石原慎太郎
脚本:馬場当、篠田正浩
撮影:小杉正雄
音楽:武満徹、高橋悠治
出演:池部良、加賀まり子、藤木孝、東野英治郎、三上真一郎、宮口精二、原知佐子、杉浦直樹
 
初見。
石原慎太郎の原作を篠田正浩が映画化した作品だが、コッポラやスコセッシが大ファンで、なんとクライテリオンからブルーレイまで出ている。
なるほど、『ゴッドファーザー』がパクったんじゃないかというシーンも後半にある。
実際、この映画を観て、私も一発でこの映画のファンになった。
モノクロの映像からくる“乾いた”質感は非常にヌーヴェル・ヴァーグ的なものを思わせるが、その映像美、雰囲気、音楽、登場人物の振る舞い方に至るまで、実にクールでスタイリッシュ。
カーチェイスのシーンなど『死刑台のエレベーター』を思わせる。
ただし、脇の連中の掘り下げが足りない感もある。

それにしても、池部良
はじめてヤクザ役を演じたのがこの映画で、これが後の『昭和残侠伝』シリーズにつながるわけだが、なんというカッコ良さなのだろう。
これはもう言葉よりも見てもらうしかない。
池部良にそれまでと全くイメージの異なるこの役柄を振ったのが監督の篠田正浩だとすれば、これだけでも日本映画史に残る偉業だと言えるだろう。

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日下部五朗著『シネマの極道:映画プロデューサー一代』(新潮社)読了。

東映の往年のやくざ映画や『仁義なき戦い』、『極道の妻たち』などのプロデューサーとして有名な方の著作だが、読了するのが惜しいくらい、本当に面白い本だった。
この本を読んで、また観たい映画が増えた気がする。
中でも『仁義なき戦い』はもう長いこと観直していないが、最近ようやくブルーレイも出たことだし、時間があったら観直してみたいものだ。

佐伯清監督の『昭和残侠伝』をDVDで観た感想。

昭和残侠伝』(65年)
監督:佐伯清
脚本:山本英明、松本功、村尾昭
撮影:星島一郎
音楽:菊池俊輔
出演:高倉健、三田佳子、池部良、菅原謙二、松方弘樹、梅宮辰夫、山本麟一

初見。
戦後の浅草、闇市が舞台のシリーズ第1作。
すでにこのシリーズは5作ほど観ているのだが、高倉健がらみという意味では『網走番外地』シリーズ、『日本侠客伝』シリーズよりもたぶん好きだ。
この第1作も全体的に緊張感のある出来栄えだが、なんといってもこのシリーズは池部良が出ていることが大きい。
高倉健とのコンビは疑いなく映画史に残る名コンビだが、男の哀愁を強く感じさせるのは高倉健よりも池部良の方だ。
今作に出てくる仁義を切るシーンもほれぼれするほど素晴らしい。

加藤泰監督の『明治侠客伝 三代目襲名』をDVDで観た感想。

明治侠客伝 三代目襲名』(65年)
監督:加藤泰
脚本:村尾昭、鈴木則文
撮影:わし尾元也
音楽:菊池俊輔
出演:鶴田浩二、藤純子、大木実、津川雅彦、嵐寛寿郎、藤山寛美、丹波哲郎、安部徹

 
初見。
冒頭の祭りの中での組長殺しのシーンがすばらしい。
敵役が大木実安部徹というだけでも見ごたえがあるが、脚本もよく出来た作品だ。
それにしても、鶴田浩二の容姿はもちろん、明晰なセリフには惚れ惚れさせられる。
儲け役の藤山寛美も光る。

小津安二郎監督『東京暮色』を国内盤DVDで観た感想。

東京暮色』(57年)
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春
音楽:斎藤高順
出演:原節子、有馬稲子、笠智衆、山田五十鈴、高橋貞二、田浦正巳、杉村春子、山村聡

初見。
山田五十鈴唯一の小津映画出演作であり、以前から観たかった作品。
140分に及ぶ大作で、小津らしからぬ悲劇的色彩の濃い作品である。
そのせいか、ファンの間でも賛否分かれているようだが、個人的には好きな作品だった。
大変見ごたえのある、名シーンだらけの力作ではないだろうか。

明子役はもともと岸恵子のために書かれた役だというが、実際に演じた有馬稲子も可憐で魅力的。
というか、これは有馬稲子で良かったと思う。
『珍々軒』主人の藤原釜足、婦人科医の三好栄子といったあたりも味があって良い。
欠点といえば、原節子が山田五十鈴の娘に見えない点くらいか。
もっとも、笠智衆と山田五十鈴が夫婦というのも現実感ないが…。

降旗康男監督の『冬の華』をDVDで観た感想。

冬の華』(78年)
監督:降旗康男
脚本:倉本聰
撮影:仲沢半次郎
音楽:クロード・チアリ
出演:高倉健、池上季実子、北大路欣也、池部良、田中邦衛、藤田進、三浦洋一、倍賞美津子、夏八木勲

初見。
堪能した。
まず、冒頭の浜辺のシーンからクロード・チアリの情感のあるギター、タイトルバックへとつながるオープニングがすばらしい。
映画の舞台はみなとみらいなど出来る前の昭和50年代前半の横浜だが、港の風景に昨今とは異なるなんともいえないノスタルジックな魅力があって、これだけでも見ものだ。
喫茶店のシーンだけ京都の長楽館っぽいが、映画の出来栄えからすれば大した問題ではない。

内容は、叙情的色彩の濃いヤクザ映画であるが、とにかく高倉健がすばらしい。
キャスティングも豪華で、目移りするほど。
顔ぶれを観ているだけでも満足度は高いが、それぞれの登場シーンが少なくてもったいないくらいである。
ところで、この映画の池上季実子石原さとみによく似ていると思うのは私だけか。

降旗康男監督の『夜叉』をDVDで観た感想。

夜叉』(85年)
監督:降旗康男
脚本:中村努
撮影:木村大作
音楽:佐藤允彦、トゥーツ・シールマンス
出演:高倉健、田中裕子、いしだあゆみ、ビートたけし、田中邦衛、乙羽信子

初見。
これまで取り上げる余裕がなかったが、ここ数ヶ月の間に高倉健主演の映画をDVDでいろいろ観た。

八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』『野生の証明』『駅 STATION』『居酒屋兆治』『夜叉』『ブラック・レイン』『鉄道員(ぽっぽや)

有名作ばかりだし、昔観た映画がほとんどだが、とにかくそういう映画が観たい気分だった。
この中では『居酒屋兆治』『幸福の黄色いハンカチ』『駅 STATION』を特に面白く観たが、『夜叉』は、それらの作品に輪をかけて良かった。

とにかく田中裕子が良いのにビックリした。
どちらかというと苦手な顔だと思っていたが、この映画では演技はもちろん、容姿も非常に魅力的だった。
何より色気があるのがいい。
それに、いしだあゆみも良かった。
他のキャストも全て好演で、ちょっと気になったのはラストの甘さぐらい。
ロケ地となった福井県の漁港も素晴らしい。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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