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ルイ・マル監督の『鬼火』を久々に観たので、その簡単な感想。

image133.gifLe Feu follet』 (63年)
監督:ルイ・マル
撮影:ギスラン・クロケ
音楽:エリック・サティ
出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー他

紀伊国屋書店から出ているDVDで観たが、画質はとても良い。
DVDの時間は104分だが、実際は108分のようなので、PALマスターが使われている可能性が高い。
DVDのパッケージにもリーフレットにもその記述はないが。

物語はシンプル極まりない。
アルコール依存症で精神病院に4ヶ月入院していた男の最後の二日間を追った映画。
暗いといえば暗い映画だが、その暗さが魅力となる映画はそう多くないだろう。
メルヴィルの『サムライ』なんかもそういった映画の一つかもしれないが、フランス映画にそういった映画が多いのはなぜなのだろうと考えたりもする。
それらは、ある意味、キザったらしい映画だとも言えるが、決してそこに堕してはいないと思う。

正直言って、眠気を誘うシーンがなくはないのだが(私の体調のせいもあるけど)、作風にはマルの師匠でもあるロベール・ブレッソンの影響が強く窺える作品でもある。

この作品のレビューをキチンと書こうとするならば、主人公の心理だとか、作品の理論的な分析が必要なのかもしれないが、正直そういった側面にはさして興味もないし、そもそも分析能力も持ち合わせていないので、映画の表面的なことばかり書くことにする。

若い頃なら、主人公の心理にもっと共感して観たような気もするのだが、今はそういう意識ではほとんど観ていない。
それでも、この映画は充分に魅力的。
この映画の撮影のために20キロも減量したというモーリス・ロネの演技が、主人公になりきっていて(外見も含め)魅力的だからだが、その友人たちもあまり有名な俳優、女優は出ていないものの、どれも個性的で魅力的に見える。
ジャンヌ・モローはチョイ役ながら印象的。

また、ギスラン・クロケによるモノクロ映像が大変素晴らしい。
なんというか、映像に他の映画ではあまり味わえないような生々しい感触がある。
ほとんどがパリのロケーション撮影で、ゲリラ的に撮影されたシーンもあることが、映像に映っている周囲の人々の反応でも窺える。

そして、エリック・サティの音楽の使い方が絶妙に巧い。
ところ構わず使うのではなく、本当にここだというところに使われているように感じる。
先日取り上げた『死刑台のエレベーター』でのマイルス・デイヴィスの起用、また『恋人たち』におけるブラームスの音楽の使用もそうだが、この頃のルイ・マルの音楽の選択の才能はある種天才的と言えるかもしれない。

あと、この映画の助監督はフォルカー・シュレンドルフ(『モラン神父』『いぬ』の助監督)。

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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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