忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

以前別サイトにて書いたフランソワ・トリュフォー監督作品のレビューの転載です。(一部手直しあり)
今回は『恋のエチュード』。

image68.jpgLES DEUX ANGLAISE ET UN CONTINENT』 (71年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:ジャン・グリュオー、フランソワ・トリュフォー
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ピエール・レオー(クロード・ロック)、キカ・マーカム(アン)、ステイシー・テンデター(ミュリエル)
132分、カラー

突然炎のごとく』と同じ原作者アンリ=ピエール・ロシェによるベストセラー小説を映画化したもの。
そのせいか設定やストーリーもどこか『突然炎のごとく』を彷彿とさせるところがありますが、個人的にはかの名作よりも尚一層強い印象の残った作品です。

ストーリーは19世紀末、フランス人青年とイギリス人姉妹との15年に及ぶ愛の軌跡を描いたもので、一言でいって三角関係モノですが、そこに描かれているのは現代の私達がどこか忘れがちな恋愛の純粋ともいえる歓喜と苦悩、そしてセックスの歓びと痛み…。
邦題からはもっとメルへンチックな物語を想像しがちですが、これはなんとも痛々しくも激しい愛の物語なのです。

時代背景を感じさせる美術や衣装、そして舞台となったイギリスの海辺の風景も美しく、音楽も実にロマンチックですし、自転車、ロウソク、手紙などトリュフォー作品に欠かせない小道具も大活躍。

871c7e3f.jpegキャストでは、その行動にちっとも感情移入できないのに存在感だけはしっかりあるジャン=ピエール・レオー演じるクロード。
そして何よりイギリス人姉妹ののアンとミリュエルを演じる二人、その周囲の女優陣も皆美しい。
特に姉妹役のキカ・マーカムステイシー・テンデターの2人は本当に素晴らしく、どちらがどうと言えない魅力があります。

トリュフォー自身によるナレーションも印象的で、優れた文学作品の読後感のような芳醇な味わいを得ることができる作品。
公開時は酷評され、商業的にも成功しなかった作品ですが、トリュフォー作品でどれか一つと言われたら、私はこの作品を挙げたいです。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
賛成です!
トリュフォー作品でどれか一つ…
私もこれ。マサヤさんの意見に賛成です!
『柔らかい肌』かこの作品かって悩むとこもありますがこの作品の持つ雰囲気は本当にクセになります。アン&リュミエルの姉妹に魅かれて行く自分がいたりして… ドルリューのサントラも映像同様繊細な感じがして名盤ですね。
ジュリアン 2009/03/15_Sun_14:45:47 編集
恋のエチュード
ジュリアンさん
コメント&TBありがとうございます。
ご賛同いただけて嬉しいです。
トリュフォー作品は魅力的なものが多いので、好みは分かれて当然ですが、この作品が好きだという人は多いみたいですね。
ドルリューの音楽も内容の繊細さをよく伝えていましたね。
マサヤ@管理人 URL 2009/03/16_Mon_01:07:49 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[265] [264] [263] [262] [261] [260] [259] [258] [257] [256] [255]
テンプレ作った人:おみそ
今すぐブログ始めるなら:[PR]

PR:忍者ブログ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。
カテゴリー
最新コメント
[04/14 マサヤ@管理人]
[04/10 mon]
[11/07 マサヤ@管理人]
[11/06 mon]
カウンター
忍者AdMax
NINJA TOOLS
アーカイブ