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ジャンヌ・モローが7月31日に89歳で亡くなったそうです。

個人的に好きな女優、とまでは言えませんでしたが、とりわけヌーヴェル・ヴァーグ期のフランス映画に無二の足跡を残してくれた偉大な女優さんでした。
晩年も老いた姿を隠そうともせず多くの作品に出演していたのはもって生まれた女優魂でしょうね。

彼女の主演作として名前の挙がるのはやはり『死刑台のエレベーター』(マル)、『突然炎のごとく』(トリュフォー)、この2作は鉄板です。
他に、『』(アントニオーニ)、『エヴァの匂い』(ロージー)、『雨のしのび逢い』(ピーター・ブルック)も挙げたいと思います。(マルの『恋人たち』、ブニュエルの『小間使の日記』も捨てがたいですが)

この種の映画話はこれからさまざまな媒体で語られることと思われますので、メルヴィルのブログとしては、メルヴィルとジャンヌ・モローの関連を指摘しておきましょう。
とは言っても、ご存知の通りジャンヌ・モローはメルヴィル映画に出ることは一度もありませんでした。
しかし、実は一緒に仕事をするチャンスが二度ほどあったのです。

一つはジャン=リュック・ゴダール監督、ブリジット・バルドーミシェル・ピコリ主演で映画化された『軽蔑』(63年)。
これはアルベルト・モラヴィアの原作ですが、実はメルヴィル監督ジャンヌ・モロージャン=ポール・ベルモンド主演で映画化の話が進められていました。
しかし、結果的に企画をゴダールに横取りされてしまった形となり、このことが、それまで師弟のように友好的だったメルヴィルとゴダールの関係に亀裂が入った一因ではないかと思われます。(ゴダールの『勝手にしやがれ』にメルヴィルが特別出演していることは有名ですが、他にもメルヴィルはゴダールとアンナ・カリーナの結婚式の立会人も務めているほどプライベートでも親密な関係でした)

次にマルセル・カルネ監督、モーリス・ロネアニー・ジラルド主演で映画化された『マンハッタンの哀愁』(65年)。
原作はジョルジュ・シムノンの『マンハッタンの三つの部屋』ですが、これもメルヴィル監督、ジャンヌ・モロー主演で映画化の話が進められていましたが、何らかの理由で流れてしまいました。

カルネ版のアニー・ジラルドも実に素晴らしい演技でしたが、メルヴィルがジャンヌ・モローと組んでニューヨークを舞台としたシムノンのメロドラマをどのように撮ったのか興味は尽きません。
それに、アニー・ジラルドが演じた外交官夫人という役柄は、むしろジャンヌ・モローの方が適役と思われ、実際見事に演じたのはないかと想像されます。

ジャンヌ・モロー主演映画の企画が二度にわたって流れてしまったのは特にメルヴィル監督にとって不運であり、かなりの痛手だったと思われますが(結果的に63年から65年にかけてメルヴィルは一本の映画も撮れませんでした)、それだけメルヴィルはジャンヌ・モローという女優を買っていたのでしょうね。

ご冥福をお祈りしたいと思います。


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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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