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ジャン・ルノワール監督の『恋多き女』(56年)を国内盤ブルーレイ(紀伊国屋書店)で観た感想。

原題は『エレナと男たち』(『ELENA ET LES HOMMES』)。
当然のことながら原題の方が映画の内容にニュアンスが合っている。

ジャン・ルノワール監督×イングリッド・バーグマン主演作は後にも先にもこれだけだが、この奇跡的な組み合わせが実現したことを心から感謝したくなる映画である。

なんといってもバーグマンが素晴らしい!
齢40歳の頃の映画だが、スタイルは抜群、お肌はツルッツル、容姿に衰えは全く見られず、とにかく美しい。
テクニカラーによって、その美貌が一層光り輝いている印象だ。
バーグマンの主演作を観るのは本当に久しぶりだが、改めてこの大女優の魅力を再確認した。

特に印象的なのが気品ある笑顔で、ここまでバーグマンの笑顔が数多く見られる映画が他にあるだろうか?
それだけでもこの映画は不滅の価値を持つだろう。
その存在感もクールビューティー的な印象とは異なり、意外にも人間的な温かさを感じさせるのはルノワールの演出の賜物か。
しかも、胸の谷間を惜しげもなく(?)露出し、男どもにキスされまくるのである。
これはバーグマンのファンには堪らない映画であろう。

映画の内容としては、『ゲームの規則』(39年)を彷彿とさせるような、いかにもルノワール的なドタバタコメディである。(『ゲームの規則』とはヒロインの魅力が段違いだが)
始終群集がワイワイ騒いでいるような印象で、時代背景的なものがあまり分からないこともあって、観ていて落ち着かない部分もあるが、結局バーグマンの魅力で最後まで魅せてしまう。

バーグマンに惚れる男たちにジャン・マレーメル・ファーラーとスターを配しており、登場シーンも多いのだが、驚くほど印象に残らない。
女給役のマガリ・ノエルは前半で小悪魔的な魅力を発揮しているが、バーグマンと並ぶと女優としてのオーラの違いが気の毒なほど顕著。
むしろ後半に登場するジプシーの歌手役のジュリエット・グレコがクールな持ち味を出して印象に残る。

全体的に、いかにもルノワールらしい色彩感覚に優れた映画なので、紀伊国屋の高画質のブルーレイで観られて良かった。

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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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