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映画の國名作選Ⅱ クロード・シャブロル未公開傑作選』より渋谷シアター・イメージフォーラムにてクロード・シャブロル監督『甘い罠』を観た感想。(公式サイト

MERCI POUR LE CHOCOLAT』(2000年)
監督:クロード・シャブロル
撮影:レナート・ベルタ
音楽:マチュー・シャブロル
出演:イザベル・ユペール、ジャック・デュトロン、アナ・ムグラリス

初見。
シャブロルの知られざる傑作を紹介する今回の企画は魅力的だ。
この作品も、撮影監督レナート・ベルタによる落ち着いた映像、スイスロケの美しさ、無駄のない会話、音楽の使い方のうまさ、俳優陣の魅力等もあって実に完成度が高い。
もちろんシャブロルの演出も見事で、それに応えるイザベル・ユペールの演技に全く隙がない。

こうしてシャブロルの未公開作を観られたのは幸運だったが、『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』などを読むと、シャブロルには日本未公開作が多すぎることが分かる。
個人的には60~70年代の未公開作も是非紹介して欲しいと願っている。 

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このブログでもたびたびお知らせしているクロード・シャブロル監督の『引き裂かれた女』公開の話題ですが、ついに4月9日から渋谷シアター・イメージフォーラムでの公開が始まりました。
公式サイト
私は現在東京から離れているのですぐには観に行けないのですが、月末あたりには行きたいと考えています。
そのこともあり、少しでも公開期間が長くなって欲しいと思います。

ところで、最近紀伊国屋書店のDVDショップでは紀伊国屋レーベルDVD40%オフのラインアップが入れ替わっていましたが、『引き裂かれた女』公開の影響か、その中にシャブロルの3作品(『女鹿』『肉屋』『不貞の女』)も加わっていました。
私自身、勇んで『肉屋』のDVDを買って観たのですが、その後Amazonを見ましたら、そのDVD3枚がなんと45%オフになっていました。(2011年4月9日現在)
Amazonの方が割引率が高いですね(笑)。
やられた!という感じですが、『肉屋』という映画を今回観直してみて、以前映画祭『フランス映画の秘宝』で初めて観た時より楽しんで観れました。
改めてステファーヌ・オードランの美しさ、存在感に惚れ込みました。
とりわけクールな無表情が最高。

ただ、この3作品に関して言えば、個人的な好みでは『女鹿』>『不貞の女』>『肉屋』という感じですね。
ステファーヌ・オードランが一番綺麗に撮れているのは『肉屋』かもしれません。 

また、シャブロル本『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』も先日ざっと読了しましたが、感想などはまた後日。


以前このブログでもお知らせしたシャブロル本『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』(フランソワ・ゲリフ著、大久保清朗訳、清流出版)ですが、2月25日に発売になったようです。

私はこのところ大きな本屋さんにご無沙汰で、まだ現物を確認できていませんが、300ページを超える大書のようですので、どんな内容になっているのか読むのが本当に楽しみです!

昨年9月に80歳で亡くなったクロード・シャブロル監督だが、日本でもにわかにその周辺が活気づいてきた。

まず、先日このブログでもお知らせしたシャブロル本『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』(清流出版)の出版。
2月上旬発売との話だったが、本屋を覗いても発売されている様子はないし、なぜかamazonにも見つからない。
発売延期の可能性もあるが、遅かれ早かれ発売されるだろう。

4月には、やはりこのブログでもお知らせした引き裂かれた女』(07)の公開。(渋谷シアター・イメージフォーラムほか)

そして、まだ日程は未定のようだが、この春には『映画の國 名作選Ⅱ クロード・シャブロル未公開傑作選』として国内未公開のシャブロル作品がなんと3作(『甘い罠』(00)『最後の賭け』(97)『悪の華』(03))も公開されるとのこと。(渋谷シアター・イメージフォーラム

さらに、6月にはキングレコードから『主婦マリーがしたこと』(88)、『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』(95)の国内DVDが発売される。
どちらもVHSはあったが国内初DVD化で、イザベル・ユペール主演作。
個人的に、『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』は以前から是非DVDで観たかった作品。

その気になれば、新たに6作品のシャブロル作品を観ることができるわけで、大変に楽しみである。

昨年80歳で亡くなったクロード・シャブロル監督の2006年の作品『引き裂かれた女』がこの4月に渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開されることはHPのトップページNEWS欄にてお知らせ済みですが、その公式サイトがオープンしていました。
リンク

主な出演者はリュディヴィーヌ・サニエブノワ・マジメルフランソワ・ベルレアンといった楽しみな顔ぶれ。
予告編を観ると、なかなか面白そうな作品で、特にリュディヴィーヌ・サニエのエロさがたまりません(笑)。
フランソワ・オゾン監督の『スイミング・プール』(03年)の頃とはたった3年の違いですが、ほっそりしたというか随分顔つきも変わったような気がします。

そして、シャブロル監督といえば、2月初旬には清流出版より、大久保清朗氏訳で『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』(仮題)が刊行予定とのことです。(こちらの記事が詳しい)
これも実に楽しみです。

クロード・シャブロル監督の『女鹿』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

Les Biches』(68年)
監督:クロード・シャブロル
脚本:クロード・シャブロル、ポール・ジェゴフ 
撮影:ジャン・ラビエ 
音楽:ピエール・ジャンセン 
出演:ステファーヌ・オードラン、ジャン=ルイ・トランティニャン、ジャクリーヌ・ササール、ネイン・ゲルモン、アンリ・アタル、ドミニク・ザルディ

初見。
先日80歳で亡くなったクロード・シャブロル監督が、当時の妻ステファーヌ・オードランを主役に起用した絶頂期の作品の一つ。
女性二人、男性一人、という三角関係は初期の代表作『いとこ同志』(59)と逆の設定だが、内容もそれを彷彿とさせるものがある。
これまた、シャブロル的、としか言いようのない傑作である。

まず、冒頭の橋のシーンが素晴らしい。
フレデリック役のステファーヌ・オードランの黒尽くめのファッション、表情があまりにカッコ良く、のっけから釘付けになってしまう。

ところで、ステファーヌ・オードランという女優は当時シャブロルの妻だったわけだが、改めてよく見ると、確かに美人といえば美人なのだが、バランスのとれた完璧な美人というわけではなく、どこか癖のあるというか、不思議な顔付きの美人だ。
斜視っぽい目がそう思わせるのだろうか。
しかし、それがシャブロルのミステリアスな映画のテイストに驚くほどよく合っている。
この二人が結婚しただけでなく、映画を何本も撮ったのは当然といえば当然なのかもしれない。(80年に二人は離婚)

オードランよりも若く、顔立ちの整った美人であるジャクリーヌ・ササール(ホワイ役)は、映画の冒頭ではとても魅力的に見えるのに、映画が進行してくると、オードランと比較してしまうせいだろうか、何故かだんだんと物足りなく感じてしまう。
シャブロルの映画には、彼女がフツー過ぎる美人であるためかもしれない。

その二人に惚れられる男ポールを演じているポール役のジャン=ルイ・トランティニャンは、元はステファーヌ・オードランの実生活での夫であった。
そのトランティニャンと、自分の妻オードランを共演させ、ラヴシーンまで演じさせるシャブロル監督というのはちょっと我々日本人の感覚では分からない。
同時に映画の成功のためには、妻の元夫だろうがなんだろうがなりふり構わぬ配役をしてしまうという、監督の底知れぬ意思の強さを感じるのもまた確かだ。

9月12日、パリにおいてクロード・シャブロル監督が80歳で亡くなりました。
現在のところ死因は不明。
http://www.cinematoday.jp/page/N0026859

言うまでもなく、ゴダール、トリュフォー、ロメール、リヴェットらと並んで、“ヌーヴェル・ヴァーグ”の代表的監督の中の一人であり、近年も精力的に監督活動を行っていました。
遺作は2009年の『ベラミー / Bellamy』(日本未公開)。

初期には『美しきセルジュ』(58)『いとこ同志』(59)『二重の鍵』(59)『気のいい女たち』(60)等の秀作、60年代後半からは、当時の妻であったステファーヌ・オードランを主演に迎えた、俗に“エレーヌもの”と呼ばれる特異な恋愛犯罪映画を次々と監督しました。

また、我らがジャン=ピエール・メルヴィル監督との関係も良好で、『恐るべき子供たち』(50)や『賭博師ボブ』(55)といったアンリ・ドカが撮影したメルヴィルの初期作品に魅了されていたシャブロルは、先に挙げた自身の初期作品にことごとくドカを撮影監督に迎えていますし、『青髭』(62)においては、メルヴィルに俳優として出演してもらっています。

個人的には、つい先日『女鹿』(68)をDVDで観て魅了されたばかりでした。
70年代以降の作品を観る機会が少なかったのは残念ですが、初期の作品はシャブロル独特ともいえる“苦味”を感じさせる作風のものが多く、好き嫌いが分かれるところかもしれません。
私個人も必ずしもすべてが好きな作風というわけではありませんでしたが、国内未公開作が大変に多い監督でしたので、今後さらに国内DVD化が進むことを願っています。

それにしても、フランスの映画監督の訃報がこのところ多くなっているのはフランス映画ファンの一人としてとても残念です。
今年の1月には巨匠エリック・ロメール監督も亡くなりましたし、メルヴィルの『ギャング』のリメイク作『マルセイユの決着(おとしまえ)』(07)のアラン・コルノー監督も8月の末に67歳で亡くなったばかりです。

あれよかれよという間にヌーヴェル・ヴァーグの監督で健在なのはリヴェットくらいになっちゃいましたね。
あ、ゴダールがいたか…。

シャブロル監督のご冥福をお祈りしたいと思います。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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