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クロード・シャブロル監督の『美しきセルジュ』を国内盤DVD(IVC)にて観た感想。

LE BEAU SERGE』(58年)
監督・脚本:クロード・シャブロル
脚本:ジャン・コティ
撮影:アンリ・ドカ
出演:ジェラール・ブラン、ジャン=クロード・ブリアリ、ベルナデット・ラフォン、クロード・セルヴァル、ミシェル・メリッツ  
 
再見。
正直言って、前回観た時にはあまり好きになれなかった。
ヌーヴェル・ヴァーグの作品にしては舞台が田舎、それも内容の重苦しい雰囲気がどうも肌に合わなかったためだが、今回観直してみて、前回感じたような苦手な感じを受けなかったのは前回観たことによる免疫と、こちらの心理的な変化のせいか。

確かにストーリー的には好き嫌いが分かれそうな作品だが、とにかく、ジェラール・ブランジャン=クロード・ブリアリベルナデット・ラフォンというヌーヴェル・ヴァーグを代表する3人の俳優がすばらしいのと、アンリ・ドカの見事なカメラワークが見もの。
ジェラール・ブランとジャン=クロード・ブリアリはシャブロルの次回作『いとこ同志』(59)ではこの映画とまるっきり逆の役柄を演じているが、どちらも全く違和感がないのはすごい。
ヒロインのベルナデット・ラフォンはまさに適役。

なお、神父役のクロード・セルヴァルは『いとこ同志』にも出演しているが、ジャン=ピエール・メルヴィルの『賭博師ボブ』(55)にも出演しているので気になる方は要チェック。

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クロード・シャブロル監督の『いとこ同志』を国内盤DVD(IVC)で観た感想です。

image92.jpgLES COUSINS』(59年)
監督:クロード・シャブロル
脚本:クロード・シャブロル
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ポール・ミスラキ
出演:ジェラール・ブラン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジュリエット・メニエル、クロード・セルヴァル、ステファーヌ・オードラン、ギイ・ドゥコンブル、ヴィルジニー・ヴィトリ

久々の再見。
最近ヌーヴェル・ヴァーグの作品を観る機会がなかったせいでしょうか、久しぶりに観ますと、やっぱり若者の映画って感じがしますねぇ。
オープニングのスネアドラムのリズムからして、それ以前の映画には感じられなかった息吹が感じられます。

ご存知の通り、ストーリーはなんともやりきれないものなんですが、キャストが実に魅力的。
ジェラール・ブランジャン=クロード・ブリアリ共に素晴らしいですが、特にジャン=クロード・ブリアリの立ち振る舞いの存在感の見事さったらないですね。

フロランス役のジュリエット・メニエルも、一見堅物っぽいのに、実際はエロいところがなんとも言えずイイです。
友人役のクロード・セルヴァル(メルヴィルの『賭博師ボブ』にも出演)もいかにも彼らしい味を出してますし、本屋の店主役のギー・ドゥコンブル(同じくメルヴィルの『賭博師ボブ』に出演)はもう素晴らしいとしか言いようがないです。

後にシャブロルと結婚、そのミューズとなるステファーヌ・オードランもチョイ役で出ていますが、(この頃はジャン=ルイ・トランティニャンと結婚していた時期でしょうか)後の“エレーヌもの”の頃に比べて、当然ですが若いです。

また、アンリ・ドカの撮影はひたすら魅力的で、“これぞヌーヴェル・ヴァーグの絵”という感じ。
ポール・ミスラキの音楽も、ワーグナーの音楽を絡めつつ、独特の雰囲気を作っています。

00000906633L.jpgシネマヴェーラ渋谷にてクロード・シャブロル監督の『不貞の女』を観てきましたのでその感想を書きます。
シネマヴェーラ渋谷の関連ページへのリンク

現在、シネマヴェーラ渋谷では“シャブロル三部作発売記念「紀伊國屋書店レーベルを讃える」”と題して、紀伊國屋書店レーベルから発売されているDVDを上映しています。
紀伊國屋書店レーベルのDVDの価格は高めなので、買おうか買うまいか迷っている映画の場合、今回のような特集は助かります。
この特集は、通常二本立てで一般1400円という入場料ですが、併映されていた『家宝』には私はさして興味がなかったので、『不貞の女』だけ観てきました。

不貞の女』『La Femme Infidele』(69年)
監督・脚本:クロード・シャブロル
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ピエール・ジャンセン
出演:ステファーヌ・オードラン、ミシェル・ブーケ、モーリス
・ロネ
 
俗に“エレーヌもの”と呼ばれるステファーヌ・オードラン主演の連作の第二作に当たる作品で、連作の第三作で今回の特集でも上映される『肉屋』も私は昨年観ています。
その時書いた『肉屋』の感想

前回観た『肉屋』に関しては、この時期のシャブロルの作風に馴染んでいないこともあってか、ひと言で言って苦手な作品という印象でしたが、今回の『不貞の女』は、前回で多少免疫も出来たせいもあってか、好き嫌いはともかく、大変な傑作だと思いました。

ストーリーは極めてシンプル、妻の浮気と夫の嫉妬という古今東西いくらでもある題材ですが、それだけにシャブロル監督の演出の妙が光ります。
カメラの使い方など、表現過多とでも言いましょうか、少々どぎついくらいのところもありますが、シャブロル作品特有(?)のドロっとした粘っこい表現が実に上手く活かされています。

主演のステファーヌ・オードランミシェル・ブーケの二人も名演です。
オードランは『肉屋』以上にその美貌と肢体の美しさが魅力的ですし、表情の演技も素晴らしい。
ミシェル・ブーケの演技は、ある意味それ以上に見事で、平凡な人間の狂気を演じて天下一品です。
この二人にモーリス・ロネが、あの『太陽がいっぱい』以来の“モーリス・ロネらしい”役柄で絡み、キャストは完璧と言えるでしょう。

また、『肉屋』でも印象的だったピエール・ジャンセンの現代音楽風の音楽は、ここでも作品の重苦しさを伝えて余すところがありません。
ジャン・ラビエによるカメラワークも見事で、様々な解釈を可能とさせるラストの絵はとりわけ凄かったです。

映画の雰囲気は重苦しく、正直、DVDを購入して何度も観たくなるような映画ではありませんが、一映画作品としての出来栄えは文句の付けようのない傑作だったという印象です。
あと、今回の上映はDVDでの上映であったこともあり、大画面のスクリーンで観ると解像度は今一つだったように思います。

前々回に続いて映画祭『フランス映画の秘宝』のお話。

今回の映画祭は、すごく観たいのに、仕事の時間との兼ね合いで、どうしても観られない作品もいくつかある。(『パリ横断』など)
もちろん、経済的な問題もあるんだけど、鑑賞可能な作品はできるだけ行きたいとは思っている。
そうこう言っているうちにあと数日しか残ってないけど。

ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『海の沈黙』に続いて観たのは、クロード・シャブロル監督の『肉屋』(69)。
この映画、当時のシャブロル夫人だったステファーヌ・オードランエレーヌという校長先生役で主演している。
彼女は、ヌーヴェル・ヴァーグの時代から、いろんな映画に出ている女優さんだけど、以前からなかなか魅力的な女優だと感じていた。
シャブロルと結婚する前は、あのジャン=ルイ・トランティニャンとも結婚していたというのも凄いが、今回も、シャブロル作品だからというよりも、彼女が主演だから観に行ったという方が正しいかも。

シャブロル監督、オードラン主演の<エレーヌもの>は5作あるらしいが、今作で初めて観た。
正直なところ、彼女の校長先生役はかなり違和感あったけど、女性として魅力的だからまあいいや。
調べてみると、彼女は32年生まれだから、この映画の当時は36~37歳。
映画を観た印象では、年齢より若く見えます。

6日土曜日の6時半上映という好条件のためか、会場は9割以上の入り。
映画はフランスの田舎が舞台で、冒頭の結婚式の場面など、どこかイタリア映画のような陽気な雰囲気があって、それはそれで魅力的。
その結婚式で知り合った校長先生(オードラン)と肉屋の男(ジャン・ヤンヌ)の微妙な恋愛模様、そして、連続して起こる殺人事件のサスペンス性などが、ストーリー的には映画の眼目となっているようでした。

ところで、いろいろネットで調べてみると、この作品って評判は結構良いんですよね。
でも、正直なところ、シャブロル作品独特とも言える、微妙に変な感じの空気感があり、それがこの作品を好むか否かの境目になるんではないでしょうか。

私が観た印象では、やはりシャブロル監督作品の『二重の鍵』『気のいい女たち』『青髭』などに共通するような、同じようなトーンが感じられたのですが、個人的には、それらの作品ももう一つ好みでなく(文句なく好きな作品は『いとこ同志』ですが)、正直言って、この『肉屋』も私の好みと合致する作品とは言えませんでした。

犯人探しの興味もあまり感じられず、映画後半の展開も、サスペンスとしてももう一つ盛り上がりに欠ける気がしました。
肉屋役のジャン・ヤンヌ、そして、少々クール過ぎるオードランのキャラクターにも、もう一つ付いて行けなかった感があり。
ジャン・ラビエによる、独特の色彩豊かな映像は魅力的でしたが…。

●『二重の鍵』(59年、監督:クロード・シャブロル、出演:ジャン=ポール・ベルモンド)

先日観た『青髭』に続くシャブロル作品。
アンリ・ドカ撮影ということもあり、以前から気になっていた作品で、ヒッチコックばりのサスペンスという前評判だったが…。
正直、あまり面白くない。
ヒッチコックのようなスリルはほとんどないし、タイトルの意味もよく分からない。
色彩豊かなドカの映像は魅力だが、出演者たちのキャラクターはあまり魅力的とは言えず。

このところ観た映画のメモの続きです。
今回はサスペンスものが多いです。

●『危険がいっぱい』(64年、監督:ルネ・クレマン、出演:アラン・ドロン、ジェーン・フォンダ)
●『華麗なる賭け』(68年、監督:ノーマン・ジュイソン、出演:スティーヴ・マックィーン、フェイ・ダナウェイ)
●『青髭』(62年、監督:クロード・シャブロル、出演:シャルル・デネ、ステファーヌ・オードラン)

危険がいっぱい
ラロ・シフリンのジャズが印象的。
若々しいアラン・ドロンは役柄によく合っているし、アンリ・ドカの流麗なキャメラもさすがに見事だが、全体としては、今一つノリきれないストーリーという感が残った。
あと、所有しているDVDで観たのだが、画質があまりにも悪い。
製作年代からいっても、もっと良いマスターがあるはずだが。(以前観たBSの放送の方が画質はずっと良かった)

華麗なる賭け
マックィーンの出演作は以前は好きでよく観ていたが、これは初見。
印象としては、オサレ系(?)サスペンスといったらよいか。
マックィーンはさすがにカッコ良いが、作品としてはもう一味欲しい感も。
フェイ・ダナウェイは結構好きな女優だが、この作品ではあまりキレイに見えない。
映画中で多用されるマルチスクリーンも、いかにも感があり、今となっては良い手法とは思えない。
ミシェル・ルグランの音楽はさすがに印象的だが、映画本編以上に目立ってしまうところもあり。

青髭
メルヴィルが俳優として出演していることでも知られるクロード・シャブロル監督作品。
ヨーロッパに伝わる青髭伝説を、第1次世界大戦に時期を設定しなおして描いた作品で、ミシェル・モルガン、ダニエル・ダリューなど、青髭に殺される女たちを演じる女優たちの顔ぶれが豪華である。
それぞれの出演場面は短く、勿体無いくらい。
主演のシャルル・デネは、後にトリュフォー監督の『恋愛日記』に主演、『黒衣の花嫁』、『私のように美しい娘』でも怪演を示しているし、『Z』や『相続人』など脇でもユニークな存在感を放つ、私はかなり好きな俳優なのだが、今回観たビデオは英語吹き替え版であり、彼の特徴のある声が聞けないのが残念。(唯一彼の声が聞けるシーンが歌を歌うシーン)
ストーリーもシリアスなのかコメディなのか捉えがたく、どことなく中途半端な感がある。
ところで、私はメルヴィルの出演場面が見つけられなかった。
もしお分かりの方がいたら教えてもらいたいものである。

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テンプレ作った人:おみそ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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