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エリック・ロメール監督の『獅子座』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

b5d5e5c4.jpegLE SIGNE DU LION』(59年、公開は62年)
監督・脚本・台詞:エリック・ロメール
製作:クロード・シャブロル
撮影:ニコラ・エイエ
音楽:ルイ・サゲール
出演:ジェス・ハーン、ヴァン・ドード、ミシェル・ジラルドン、ステファーヌ・オードラン、ポール・クローシェ、マーシャ・メリル、ジャン=リュック・ゴダール

再見。
これもまたヌーヴェル・ヴァーグを代表する作品の一つで、今回が3回目ぐらいの鑑賞になりますが、前々から再見したいと思っていました。
この作品は一度観ても、しばらくすると、つい観直したくなる不思議な魅力があります。
以前も紹介しましたが、ジャン=ピエール・メルヴィルも、この作品をカイエ・デュ・シネマ誌の62年の映画ベスト10に選出しています。

エリック・ロメールの作品はこのところしばらく観ていませんでしたので、このブログでも紹介していませんが、紀伊国屋書店から出ているDVD・BOXも5つ持っているくらい好きです。
とりわけ、初期のモノクロ作品(『獅子座』『モンソーのパン屋の女の子』『シュザンヌの生き方』『モード家の一夜』)に個人的に愛着があります。

ここで紹介する『獅子座』の主人公ピエール(ジェス・ハーン)は、風采の上がらない中年の売れない作曲家。
ルックス、性格も含め、役柄として、こんなに主人公に魅力のない映画も珍しいと思うのですが、それでもこの映画が驚くほどの魅力を放っている理由の一つは、バカンス期のパリの街の表情が実に魅力的に記録されている映画だからでしょう。
映画の中盤あたりからは、主人公のピエールがセーヌ川沿いを一人で延々と歩くシーンが続きますが、朝、昼、夜と、パリの街の表情の変化が映像に見事に記録されており、この光景を観るだけでも充分に魅力的な作品です。
ピエールのうなだれた表情と正反対の屈託のないパリジャンたちの表情もまた一興。

また、ルイ・サゲールによる、現代音楽風の無伴奏ヴァイオリンの響きが、この作品に独特の雰囲気をもたらしています。
その個性的な響きは映画音楽としては特異といってよいもので、数あるヌーヴェル・ヴァーグ作品の中でも、そのユニークさは突出しているのではないでしょうか。

撮影監督は、ニコラ・エイエ(メルヴィルの『いぬ』『マンハッタンの二人の男』も担当)で、キャメラマンはピエール・ロムです(メルヴィルの『影の軍隊』の撮影監督)。

キャストでは、あのポール・クローシェ(『影の軍隊』『仁義』『リスボン特急』)がピエールの友人役で出ていますが、この人がヌーヴェル・ヴァーグ作品に出演しているのは珍しい。

また、ジャン=リュック・ゴダールがピエールのホテルでのパーティーでベートーヴェンの弦楽四重奏曲のレコードを同じ箇所だけ何回も繰り返し聴く客として出演。
その寡黙な佇まいも、なんともゴダールらしく、俳優としての妙なオーラも感じさせます。
この映画の製作もクロード・シャブロルですし、このあたりにヌーヴェル・ヴァーグの強烈な仲間意識を感じさせられます。
また、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズの一人であるステファーヌ・オードランが、ホテルの管理人役として出演しています。

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趣味:
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自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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