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Criterion盤DVD『仁義』の特典映像に収録された、助監督ベルナール・ストラのインタビューの翻訳の続きです。


動物の友

メルヴィルは動物愛好家でした。
彼は動物の友人であり、周囲の人々に対するよりずっと丁重に動物を扱いました。
彼の家は猫だらけでした。
動物を愛していたのです。

image106.gif彼は同じく爬虫類も好きで、舞台監督が埠頭から持ち帰って、ジャンセン(訳注:イヴ・モンタンの役名)の家のクローゼットを満たした小動物も皆好きでした。
あのシーンでは、本物の動物と同様、人形使いによって操られた動物も中に混じっています。

もちろん、人形使いによって操られた動物は、常に本物のように動くわけではありませんが、本物の動物は隠れてしまったり、クローゼットから出てこなかったりしましたので、我々はそれらを押したり、こづいたりしなければなりませんでした。
我々が不幸にも小動物の足をつかんで少々強く引っ張ったりした時など、メルヴィルが声を上げたものです、「君は何ということを! 小さな足を引っ張るとは!」

もちろん、これは単なるエピソードに過ぎませんが、このインタビューで期待されている話はこんなことでしょう。
撮影は大変でした、ばかばかしいほど。
こういったタイプの撮影現場ではよくあることですが。
現場は笑いに包まれまていましたが、狙った効果が得られない時には、逆に緊張感が走りました。
ベッドの上で横になっているモンタンの口元に、よだれをたらしながら小動物が迫っていったりしたからです。

この撮影日がとりわけおかしかったことを覚えていますので、映画を観る度に、間に合わせで撮られたこれらのシーンに対する観客の反応を知って、いつも驚かされます。

巴里の屋根の上に

image107.gif私は、ヴァンドーム広場の建物の屋上に上がったメルヴィルが、そこからの素晴らしい眺めを見るために、椅子を所望したことを忘れることができません。(笑)
それは、屋外にいるにもかかわらず、まるで彼がスタジオ撮影時のようにステットソン帽とレイバンのサングラスを着用し、大変穏やかに撮影をした、ちょっとした見ものでした。
まあ、その時の彼は、撮影時には例のないほど穏やかでした。


このインタビューはまだまだ続きます。
次回からは出演俳優のエピソードとなります。

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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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