忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

クロード・ソーテ監督の『墓場なき野郎ども』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。

CLASSE TOUS RISQUES』(60年)
監督:クロード・ソーテ 
原作:ジョゼ・ジョヴァンニ 
脚本:クロード・ソーテ、ジョゼ・ジョヴァンニ、パスカル・ジャルダン 
撮影:ギスラン・クロケ 
音楽:ジョルジュ・ドルリュー 
出演:リノ・ヴァンチュラ、ジャン=ポール・ベルモンド、サンドラ・ミーロ、マルセル・ダリオ、ミシェル・アルダン、クロード・セルヴァル、ジャック・ダクミーヌ、シャルル・ブラヴェット、ジャック・ダクミーヌ、スタン・クロル

再見。
実在のギャング、アベル・ダノスをモデルとしたジョゼ・ジョヴァンニの原作小説を映画化した作品であり、“友情”と“裏切り”を鮮烈に描いた、いかにもフレンチ・ノワールらしい作品である。(映画ではアベル・ダノスの名前がアベル・ダヴォスと変えられています)

それにしても、この映画はいい。
我らがジャン=ピエール・メルヴィル監督が絶賛したことでも知られる作品だが、デビュー間もないクロード・ソーテ監督の見事な演出、それに、キャストの充実ぶりには目を見張る。

とりわけ、かつての仲間に邪険にされ、怒りに震えるアベル・ダヴォス役のリノ・ヴァンチュラが最高。
そして、『勝手にしやがれ』(59)でデビューしたばかりの若きジャン=ポール・ベルモンドが素晴らしい。
ヴァンチュラとベルモンドの友情関係がサラリと、それでいてなんとも義理深く描かれているのがこの映画の大きな魅力であり、この二人以外の脇役陣の層が厚いのもこの映画の優れた点である。

ことにサンドラ・ミーロが色気があって良く、ストーリー全体へのベルモンドとのロマンスの溶け込み具合が絶妙であるし、クロード・セルヴァル(メルヴィルの『賭博師ボブ』にも出演。ロシアのメドベージェフ大統領にそっくりだ!)、エメ・ド・マルシュ(『いぬ』『最後のアドレス』)の出演も個人的に嬉しい。

また、出番は少ないが、刑事役のジャック・ダクミーヌもいい。
この人は『殺られる』(59。エドゥアール・モリナロ監督)でのギャング役も良かったが、どこか30年代風な古風な顔立ちが魅力的な俳優だ。

他に、名優マルセル・ダリオ(『大いなる幻影』『ゲームの規則』)まで出演していることに驚かされるが、この人も出番は多くものの、さすがに上手い。
また、DVDの解説の山田宏一氏によると、ヴァンチュラの妻テレーズ役の女優(シモーヌ・フランス)はジョゼ・ジョヴァンニの実妹だという。
アパートの洗濯女もいい存在感だ。

ギスラン・クロケの撮影も魅力的だし、ジョルジュ・ドルリューの音楽もシンプルながら、効果的。

監督も迷ったというラストがアッサリし過ぎていて微妙と言えば微妙だが、この作品が傑作であるという事実に変わりはないと思う。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[492] [455] [454] [453] [452] [451] [450] [449] [448] [447] [446]
テンプレ作った人:おみそ
今すぐブログ始めるなら:[PR]

PR:忍者ブログ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。
カテゴリー
最新コメント
[04/14 マサヤ@管理人]
[04/10 mon]
[11/07 マサヤ@管理人]
[11/06 mon]
カウンター
忍者AdMax
NINJA TOOLS
アーカイブ