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db0b74e4.jpegこのブログでクラシック音楽について書くのは珍しいが、これはどうしても書き残しておきたい。
ルーマニアの名ピアニスト、ラドゥ・ルプーRadu Lupu)が11月に来日公演を行う。

●2012年11月8日 (木)19:00 開演
東京オペラシティ コンサートホール
-シューベルト・プログラム-
16のドイツ舞曲 D783, op.33
即興曲集 D935, op.142
ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960 (遺作)

●2012年11月13日 (火)19:00 開演
東京オペラシティ コンサートホール
プログラム
フランク:前奏曲、コラールとフーガ
シューベルト:即興曲集 D935, op.142
ドビュッシー:前奏曲集第2巻

ルプーは1945年生まれだから御年66歳、“千人に一人のリリシスト”のキャッチフレーズで70~80年代はデッカレーベルに頻繁に録音を行っていたが、90年代のある時期を境に録音もインタビューも一切拒否、コンサート以外は公の場に出てこなくなった。

実は2010年秋に来日したが、初日の京都公演の後に体調不良のため残りの公演をキャンセル、帰国してしまったという。
クラシック音楽に長らくご無沙汰の私は当時そのことを知る由もなく、後からルプー来日のニュースを知り愕然としたのだが、今秋の来日公演が実現したのはもしかしたらそのキャンセルのお陰なのだろうか。
そういう意味ではラッキーといえばラッキーだが、今度の来日公演も実質11年ぶりで、次回いつあるか分からないし、今回だって本当にあるかどうかまだ分からない(どうも長時間のフライトが苦手な人らしい)。

こんなことを書くのも私が昔からルプーのピアノのファンだったから
学生時代から彼のCDをよく聴いており、特にシューベルト楽興の時と19番ソナタのCD16番と18番ソナタのCD)、ブラームスの小品集のCDがお気に入りだったが、実は11年前の来日時(2001年11月)にもルプーのリサイタルを藤沢市民会館で聴いているのである。

その時は驚くことに2列目ほぼ中央という良席だったので、ルプーの音楽をまさに心行くまで堪能することができた。
プログラムはシューベルトの19番ソナタがメインで、他にベートーヴェンのソナタや同郷のエネスコの曲なども確か演奏されたと記憶しているが、やはりシューベルトの印象が強烈だった。

寡黙な人というイメージが強い割に、一旦演奏を始めるとうなり声を上げながらガンガンピアノを弾いたのには驚かされたが(特にベートーヴェン)、当然のことながらピアノの音の美しさは比類なかった。
メインのシューベルトのソナタはルプーの抒情的な音楽性が作品の本質にピタリと溶け合い実に感動的だったし、アンコールで弾いたシューベルトの楽興の時の第3番、第6番などもまるで時間が止まるかのように一音一音が精妙に紡ぎ出された詩的な演奏だった。
あのリサイタルは忘れられない。

今秋の来日公演のお得意のシューベルト・プログラムでは最高傑作の一つ、ピアノ・ソナタ第21番が演奏される。
この曲のルプーのCD(94年録音)も聴いているが、ルプーとしてはもう一つ踏み込みが浅いというか表現が熟しきっていない憾みがある。
その録音から年月も経っているので、現在のルプーがこの曲をどう演奏するのか興味は尽きないし、同じくシューベルトの即興曲集D935、そしてドビュッシーの前奏曲集第2巻(ルプー未録音)が今回の来日公演で演奏されるのも実に楽しみだ。

 
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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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