忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

いよいよ『モラン神父』の国内盤DVDの発売まであと10日となりましたが、最近発売元のIVCの商品ページAmazonの商品ページには次のような文言が追加されたことに気づかれた方もおられるでしょう。

【※1時間20分40秒~1時間21分54秒間に、オリジナルマスターに起因する帯状の映像処理の痕跡がございます。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。】

もしや今回のIVC盤に欠陥が?と少々心配になりましたので、所有する『モラン神父』のイギリス盤DVDとフランス盤DVDを調べてみました。

5a36b3f9.gifどちらのDVDでもこの時間帯はエマニュエル・リヴァ演じるバルニーが連合国軍兵士に誘惑されるシーンとなっています。
ここでバルニーと兵士との間で英語によるやり取りがあるのですが、その会話の字幕部分(画面中央の下部)に“帯状の映像処理の痕跡”が見られるのです。
おそらくはフランス本国での公開時に、英語の会話に対するフランス語字幕が画面にプリントされた跡なのではないでしょうか。
実際、フランス盤DVDではこの部分(だけ)にフランス語字幕が表示されます。(右画像はフランス盤DVDからフランス語字幕を消したもの。左:エマニュエル・リヴァ、右:パトリシア・ゴッジ)

つまり、これは今回のIVC盤DVD特有の欠陥ではなく、この映画のプリントに常に存在しうるものであり、特に大きな欠陥とは考えられないといってよいでしょう。

ちなみに、2009年の東京フィルメックスでのメルヴィル特集で『モラン神父』が上映された際、このシーンはなぜかカットされていました。
このことからも、今回のDVDにはそれとは異なるマスターが使われていることは間違いないと考えられますが、フィルメックスの時のプリント状態はあまり良くありませんでしたから、これは歓迎すべき点だと思われます。

PR
5月27日に発売される『モラン神父』の国内盤DVD(IVC)のサンプル映像です。
これを見る限り、DVDの画質にも大いに期待できそうです。



INAで公開されている、『モラン神父』についてのジャン=ピエール・メルヴィル監督ジャン=ポール・ベルモンドのインタビュー映像です。(3分36秒)

日時は1961年9月20日。
『モラン神父』のフランスでの公開日は1961年9月22日ですから、公開直前の映画の宣伝を兼ねてのインタビューでしょうか。
このインタビューは、おそらく今度クライテリオンから発売されるDVD、ブルーレイに収録されるのではないかと思われます。



モラン神父』の国内盤DVDが5月27日にIVCより発売されることはこのブログでもお知らせ済みですが、今度はなんとBlu-rayが7月26日に米クライテリオンより発売されるという情報をHPのBBSにいただきました。(DVDも同時発売)(クライテリオンの商品紹介のページへのリンク

ご承知の通り、クライテリオンからはこれまで7作品のメルヴィル映画がDVD化されておりますが、Blu-ray化されるのは『影の軍隊』『仁義』に続いて3作品目となります。(ちなみにフランスでは『海の沈黙』もBlu-ray化されています)

モラン神父』については数年前にクライテリオンからDVD化されるらしいという情報をいただいたことがあるのですが、その噂は立ち消え、ここにきて突如としてBlu-ray化されるということで驚きました。
あのクライテリオンからBlu-rayが発売されるというだけでも作品の質の高さは保証されたようなものですが、もともとアンリ・ドカによるモノクロ映像が大変に美しい作品ですので、Blu-ray化によってより優れた画質で楽しめるのはとても嬉しいですね。

『モラン神父』予告編(英語字幕入り)


拙HPのBBSにいただいた素晴らしい情報です。
メルヴィルの『モラン神父』(61)の待望の国内盤DVDが5月27日にIVCより発売されることになりました!

これはもうずっと国内盤DVDを熱望していた作品なので、とても嬉しいですね。
海外盤でこれまで観てきましたが、英語字幕では内容を理解することはかなり困難でしたから、日本語字幕で作品を鑑賞できる喜びは何にも代えられません。

問題は発売元のメーカーさんで、メルヴィルとは何かと因縁深いIVCからの発売という点は正直複雑な思いもあるのですが(笑)、昨今は画質等の評判も良いようなので、大いに期待するとしましょう。
先日お伝えした『太陽がいっぱい』のブルーレイの発売といい、5月が来るのが非常に楽しみです。

11月22日に東京フィルメックス(会場:有楽町朝日ホール)で上映された『モラン神父』。
この作品を私は英BFI盤DVDで何度か観ていますが、それは英語字幕でした。
今回初めて日本語字幕版を観たことになります。

そのため、今回この作品を観て、初めて理解できた部分も多々ありました。
なにより、ここまで女性の欲望をあからさまに描いた映画だと気づいたのは初めてかもしれません。
確かメルヴィルは、『映画ではセックスを描くのがなによりも一番難しい』というような発言をどこかでしていたように思いますが、裸やベッドシーンを描かずに(夢想のキスシーンはあり)ここまでエロイ映画を撮っていたことに驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
スクリーンで観るエマニュエル・リヴァは美しく、素晴らしかったですね。
神父役のジャン=ポール・ベルモンドも、あの若さであの演技の隙の無さは凄いと思います。

それと同時に、想像以上にユーモラスなシーンも多かったという印象です。
たとえば、解放後、バルニーの娘を預かっていた老婆2人がわざわざ娘を返しに現れて、実はここまで来たのはドイツ兵と密通していた女たちの丸刈りを見に来たのだ、というシーンがあります。
これなどエマニュエル・リヴァが出演したアラン・レネ監督の『二十四時間の情事』(59)を知っていればニヤリとするシーンです。

それと、観ていて気づいたのですが、実は今回上映されなかったカット部分がありました。
ドイツ軍が去った後、バルニーと娘が連合国軍兵士2人と連れ立って歩くシーンがあります。
今回の上映ではこの後のシーンがカットされていましたが、BFI盤DVDにはこの後に兵士の一人にバルニーが誘惑されるシーンがあります。
バルニーを英語で誘う兵士に対して、バルニーは娘がいることを理由に断ります。
なおも兵士はしつこくバルニーを誘いますが、バルニーは首にかけた十字架を見せて誘いを拒絶するというシーンがあるのです。
この部分(2~3分ほど)が今回の上映ではどういうわけかカットされていました。

なお、上映プリントの状態はまずまず。
これまで観ていたDVDに比べるとかなり暗めで、決して良いとはいえません。
あと、気になる客入りですが、終演後に見た感じですと、客席は午前10時50分スタートにしては驚くほどよく埋まっていたと思いました。

image66.jpgモラン神父』(61年)はジャン=ピエール・メルヴィル監督の傑作の一つですが、日本ではいまだ劇場未公開。
もちろん、ビデオ化、DVD化もされておりません。
メルヴィル監督というと、“男性映画”というイメージがあり、もちろんそれは間違いではありませんが、この『モラン神父』はジャン=ポール・ベルモンド主演作ではあるものの、内容を観ますと、女優エマニュエル・リヴァ(代表作に『二十四時間の情事』)が主演の作品と言ってよく、事実上“女性映画”と言ってもおかしくない作品なのです。

内容的にはメルヴィル監督作品らしく、いかにも地味なのですが、エマニュエル・リヴァのキメ細かな演技が実に素晴らしく、それを引き出したメルヴィル監督の演出能力を実感できる作品となっています。
また、アンリ・ドカの陰影深いモノクロ映像もまた実に見事です。(ドカの傑作の一つだと思います)

もちろん、あのジャン=ポール・ベルモンド神父役を演じているという異色作でもあり、内容的に宗教をテーマとした映画という側面もあることはあるのですが、当のメルヴィル監督は信仰心の問題にはさほど関心がなく、むしろ全く立場の異なる男女の関係性を描きたかった作品のようなのです。

昨今のメルヴィル作品の国内DVD化事情を鑑みますに、そろそろDVD化されてもおかしくない状況ではあると思います。
可能性としては、このところメルヴィル作品やジャン=ポール・ベルモンド主演作が続々とDVD化されているユニバーサルが最も高いでしょう。
もちろん、最近頑張っている紀伊国屋書店あたりから発売されるとしたら、これはこれでとても嬉しいですが。

個人的に、この作品のDVDは、フランス盤、BFI盤(イギリス盤)のDVDを所有しておりますが、鑑賞上フランス盤は字幕がないので問題外、イギリス盤も私の語学に問題ありでなかなか充分にこの作品を楽しめない状態です。
是非とも、国内盤の字幕で、この作品を心行くまで楽しみたいと思っているのですが。

ところで、現在YouTubeには何点かの『モラン神父』の映像がアップされています。(削除される可能性もあり)

予告編
ベルモンドとリヴァの対話のシーン』(実際の映画とは無関係な音楽入り)
女同士のケンカのシーン
後半の抜粋
ベルモンドの説教シーン』(実際の映画とは無関係な音楽入り)

[1] [2]
テンプレ作った人:おみそ
今すぐブログ始めるなら:[PR]

PR:忍者ブログ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。
カテゴリー
最新コメント
[04/14 マサヤ@管理人]
[04/10 mon]
[11/07 マサヤ@管理人]
[11/06 mon]
カウンター
忍者AdMax
NINJA TOOLS
アーカイブ