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9ee013e2.gifメルヴィルの『サムライ』(67)でナイトクラブのクローク係を演じていた女優カトリーヌ・ジュールダンCatherine Jourdanが今年の2月18日に亡くなっていたことを知りました。
享年62歳。(IMDbへのリンク

1948年生まれですから、『サムライ』の撮影時は若干19歳だったことになります。
70年代にはスターの仲間入りをしたようですが、どういうわけか一風変わった前衛実験映画への出演が多かったとのこと。
また、近年は女優としての活動はしていなかったようです。

ご冥福をお祈りいたします。

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ディスクユニオン新宿中古センターにて『サムライ』の中古DVDを発見しました。
確か価格は9450円(税込)。
廃盤ということで中古価格が異常に高騰しているため、元値よりは高いですが、Amazon等に出品されている中古盤に比べましたらずっと安いです。
気になる方はお早めに!
HPのトップでもお知らせ済みですが、『サムライ』のリメイクをジョン・ウー監督が計画中のようです。
関連記事へのリンク

ジョン・ウー監督といえばジャン=ピエール・メルヴィル監督の信奉者として有名で、メルヴィル作品のリメイクを悲願と考えているようなふしもあり、以前は『仁義』のリメイクを計画したこともありました。
結局、ジョン・ウー監督による『仁義』のリメイクの計画は頓挫し、現在ではジョニー・トー監督が『仁義』のリメイクを計画中(撮影中?)のようです。

このリメイク作品は英語圏での作品となる模様とのことで、誰がアラン・ドロンが演じた殺し屋役を演じるのか、大変興味深いところです。
続報が分かり次第、このブログでもお知らせしたいと思っています。

c6e96f51.jpeg個人的にいつもお世話になっておりますチェイサー様のブログ『LE REGARD D'ALAIN DELON』におきまして「あなたが好きなドロン作品ベスト5」と題しましたアラン・ドロン出演作の人気投票が行われました。
先日結果が発表されましたので拙ブログでも紹介いたします。(結果を掲載した記事へのリンク

私ももちろん投票しましたが、嬉しいことに、なんと我らがジャン=ピエール・メルヴィル監督作品『サムライ』(67)が『太陽がいっぱい』(60)他を抑えて1位に輝きました。
また、同じくメルヴィル監督作品『仁義』(70)が大健闘(?)の5位に入りました。

言うまでもなく、数多いアラン・ドロン出演作品の中からベスト5に入ることだけでも大変なことですが、まさか『サムライ』が1位になるとは思ってもみませんでしたので、これは本当に嬉しい驚きでした。
もちろん、『仁義』の意外な(?)人気の高さも嬉しい限りです。
ファンの一人としてメルヴィル監督作品の人気の高さを改めて思い知った次第です。

ちなみに、拙サイトで昨年行ったメルヴィル作品の人気投票でも『サムライ』が1位でした。(その時の結果はこちら

lesamourai12.jpgHPのBBSにも書いたのですが、現在発売されている雑誌『文藝春秋SPECIAL 映画が人生を教えてくれた』にメルヴィルの『サムライ』の写真が掲載されています。
掲載されているページは、アンケート「海外の男優ベスト10」で1位に選ばれたアラン・ドロンのページ。
雑誌を仕事場に置いてきたので確認はできないんですが、→のような写真です。

それにしても、いまだにこの種のアンケートで1位になるアラン・ドロンの人気たるや凄いものです。
雑誌の性質上、おそらくは投票者は年配の方が多いものとは考えられますが、かれこれ40年以上も1位を保持しているのではないでしょうか。

出演作品としてはやはり『太陽がいっぱい』(ルネ・クレマン!)が一番人気でしょうが、使われている写真が『サムライ』のものだったのでちょっと嬉しかったりしました。
写真のシーンは、自分の雇い主を教えてくれとピアニスト(カティ・ロジェ)に迫るシーンのもの。

まあ、雑誌の内容には、編集方針があまりハッキリしなかったりとか、俳優ベスト10の投票数や11位以下の俳優のリストも載っていなかったりとか、かなり不満もあるんですが・・・。
ちなみに、「海外の男優ベスト10」ではフランス人俳優としては他に10位にジャン・ギャバンが選ばれているのみでした。

image93.gifユニバーサル・フランスから発売されている『サムライ』のサントラCDのブックレットには、STEPHANE LEROUGEによるライナー・ノーツが掲載されておりますが、今回は『サムライ』に関する部分のみを翻訳して紹介します。
例によって、訳出に怪しい部分もありますが、ご了承下さい。


表向き、メルヴィルには若いフランソワ・ド・ルーべをビビらせるに充分な評判があった。
というのも、メルヴィルに関わった作曲家たちにとって、彼はある種、鬼のような存在だったからだ。
ステットソンを被ったこの映画監督は、ポール・ミスラキ(訳注:『いぬ』の作曲者)をほとんどノイローゼ状態にしてしまったし、ジョン・ルイスが『ギャング』のために録音したスコアを、暴力的なまでに拒絶してしまっていた。
メルヴィルという大物に対し、ド・ルーべが小さな子供のような振舞いをしたことは、ド・ルーべとロベール・アンリコ(訳注:『冒険者たち』の監督)の間にあった親しい兄弟のような関係の終わりを意味した。

ド・ルーべ曰く「後に彼も認めていますが、メルヴィルが私に接触してきた時、私はまだまだ無名でした。彼からの仕事の依頼が、私の評価を確立したのです。
ある朝、彼から『サムライ』の音楽の依頼の電話をもらった時、私は“喜んで”と答えました。
彼にとっての自由なコマとなったわけです。
メルヴィルは、誰であっても彼に従う人たちに対しては、とても愉快な人でした。
たとえ彼が私の友人たちと仲が悪くてもね。
彼との仕事はとても上手くいきました。
今日、私は同じことを言える自信はありませんが…。」

サムライ』におけるメルヴィルの仕事の依頼は緊急だった。
ド・ルーべには、スコアを作曲し録音するのに2週間しか時間がなかったのだ。
ベルナール・ジェラール(訳注:『冒険者たち』において、ド・ルーべのオーケストレーションを手伝っていた)は手が塞がっていたが、ミシェル・マーニュの一団からもう1人の裏切り者エリック・ドマルサンを推薦し、彼がオーケストレーションとレコーディング・セッションを引きついだ。

最初から、フランソワ・ド・ルーベは、映画の人工的なまでの美しさに魅了されていた。
その美しさはメルヴィルの明快さの頂点であり、同時にそれは、演じていることをまるで感じさせない、氷のように調和の取れたアラン・ドロンによってもたらされていた。

映画の始めの10分間は全くセリフがなく、それは作曲家にとっての完全なる自由を意味していた。
ド・ルーべ曰く「メルヴィルはごくシンプルな指示しか出しませんでした。音楽は、コステロの心の肖像画のように律動しなければならない。言わば、彼の過去、特に彼の運命によって特徴づけられた人間性のように流れなければならない、とね。
つまり、私は、コステロの運命を表現しなければならなかったのです…。」

よって、この、ミニマリストによる、ごく微細なテーマ音楽は、一つのアルペジオからほとんどが構成され、ジェフ・コステロを追いつめる不可避の出来事の連鎖を表現していたのだ。

image94.gifまた、ハモンドオルガン(エリック・ドマルサンによる提案)によって生み出された音楽が、劇的な効果を挙げていることにも注目しよう。
これは、ヴァレリー(カティ・ロジェ)によって―ローダ・スコットの吹き替え演奏だが―マルテのナイトクラブのオルガンで演奏される。
ヴァレリーは、故意ではないが、コステロの死を促進する破滅的メカニズムの誘因となる。

オープニングタイトルでソロが演奏される(エディ・ルイスによるものだ)オルガンの音色とフレージングは、すでにサムライの死の予兆としても捉えることができよう。
エンド・クレジットにおいて、ド・ルーべは、トランペット―都会の孤独感を表現するのに最も適した楽器だが―で同じテーマを悲痛なまでに繰り返し用いることを避けている。
メルヴィルは後にド・ルーべの音楽に大満足であったと告白した。
しかしながら、それから、メルヴィルはエリック・ドマルサンと共に仕事をしていくことになったのだが。

image92.gifユニバーサル・フランスから発売されている『サムライ』のサウンド・トラックCDを取り上げてみたいと思います。

このCDは、作曲者のフランソワ・ド・ルーベFrancois de Roubaix 1939~1975)が作曲した『冒険者たち』と『サムライ』の音楽を一枚のCDにまとめたものです。
残念ながら、国内盤は発売されておりませんが、輸入盤は比較的容易に入手できます。
フランスAmazonの商品ページへのリンク
日本のAmazonでも購入できます。リンクはこちら。

ロベール・アンリコ監督の『冒険者たち』(67)は、私も個人的に大好きな映画ですので、その素晴らしい音楽も含め、いずれはこのブログでの取り上げてみたいと思いますが、今回は『サムライ』の音楽、曲にしぼって取り上げます。

このCDは、全部で23トラックが収録されており、前半の11トラックが『冒険者たち』の音楽、後半の12トラックから21トラックまでが『サムライ』の音楽となっています。
そして、22、23トラックが、ニコラス・エレーラによる『サムライ』のリミックス(ピアノ演奏も)となっています。

『サムライ』関連の曲目は次のようになっています。

12 Le samourai
13 Valerie
14 Martey's
15 La blessure
16 Hotel sandwich
17 Costello dans la ville
18 Jeff et valerie
19 Fatalite
20 Jeff et jeanne
21 Le destin de costello(final)

22 Le samourai se remixe(partie 1)
23 Le samourai se remixe(partie 2)
Piano et remix par Nicolas Errera(2005)

まず、これらのトラックが、『サムライ』のどの部分に使用されているかを検証してみましょう。

12 『Le samourai』
ハモンドオルガンを用いた映画のテーマといえる音楽で、映画冒頭でジェフ・コステロがベッドから起き上がる場面、その後、通りに出て車を盗む場面に使われている。
警察の尋問から解放され、タクシーに乗る場面にも。

13 『Valerie』
映画のラスト、ナイトクラブでヴァレリーがオルガンで演奏する音楽。
ヴァレリーが黒人であることが影響しているのか、大変ソウルフルな印象が強い。
確信はないが、映画の演奏ヴァージョンとこのCDのヴァージョンは演奏内容が微妙に異なるように感じられる。

14 『Martey's』
タイトルは本編中何度も出てくるナイトクラブの名前。
フルートを用いた穏やかな曲調の音楽。
映画のラストのナイトクラブの場面で、ヴァレリーが登場する前にバンドが演奏する曲に似ているが、このCDヴァージョンは映画本編では使われていないようだ。

15 『La blessure』
“怪我”という名の通り、ジェフが殺し屋に襲われた後、怪我の手当ての場面に使われている、トランペットが印象的な音楽。
眠りから覚め、再び手当てをする場面でも使われている。

16 『Hotel sandwich』
アコーディオンを用いたパリのムードに溢れた音楽。
映画の前半で、ジェフがアリバイ作りのために場末のホテルにポーカーの様子を見に行く場面で使われているが、映画の後半で、ジェフがヴァレリーに電話するために入るカフェの場面にも使われている。

17 『Costello dans la ville』
曲の前半部分(00:25-01:08あたり)が、映画冒頭でジェフがトレンチ・コートを着て帽子を被ってアパートの部屋を出る場面に使われている。
一番最初にジェフがジャーヌのアパートに行く場面でも、この曲の冒頭部分が使われている。
また、曲の後半部分(01:06-01:30あたり)が、車を盗んだ直後のジェフが、車に乗った女性の視線を無視する場面にも使われている。

18 『Jeff et valerie』
映画中盤、ジェフがヴァレリーの様子を見にナイトクラブへと現れる場面で使われる。
ナイトクラブで、ヴァレリーがピアノトリオでこの曲を演奏しているという設定である。
この曲を演奏中のヴァレリーとジェフは見つめ合う。

19 『Fatalite』
“宿命”という意。
曲の冒頭部分のみ(フルート?が使われている)、ジェフがガレージのオヤジから拳銃を受け取る場面に使われている。(2度とも)
曲の前半部分(00:18-01:03あたり)が、ジェフがヴァレリーの元から自分のアパートに帰り、電話をかけようとする場面に使われている。
そこでジェフは、鳥の様子から盗聴器の存在に気づく。
不安げで暗い曲調から、後半快活な曲調と変わるが、その部分(01:03-最後まで)が、ジェフがオリヴィエ・レイの元へ行くため、アパートから街へと出る場面に使われる。
ここから有名な地下鉄狩りが始まる。

20 『Jeff et jeanne』
サムライのテーマのピアノ変奏曲風で、ピアノの響きが印象的。
ジェフとジャーヌが最後に部屋で別れる場面で使われているが、タイトルに反して、ジェフとヴァレリーが一緒に車に乗る場面にも使われている。

21 『Le destin de costello(final)』
エンドクレジットで流れる。
15トラック『La blessure』の双子のような曲だが、こちらは映画のラストに相応しい終わり方をしている。
哀愁に満ちたトランペットがコステロの死を悼んでいるかのよう。

22 Le samourai se remixe(partie 1)
ニコラス・エレーラ
によるリミックス、ピアノ演奏で 『Le samourai』を叙情的にピアノで演奏したようなヴァージョン。

23 Le samourai se remixe(partie 2)
22トラック同様、ニコラス・エレーラによるリミックスで、いくつかのトラックがつなぎ合わされている。
ビートの効いた現代的な印象のリミックス・ヴァージョン。

ちなみに、先日ユニバーサル・フランスから発売された『Jean-Pierre Melville Le Cercle Noir』には『サムライ』から2トラック収録されております。
Le samourai』と『Fatalite/La blessure』ですが、『Fatalite/La blessure』は二つの曲がつなげられたトラックですので、実質3トラック収録されていると考えてよいかと思われます。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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