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好きなジャズCDということで、マイルス・デイヴィスコンプリート・ブラックホーク』のご紹介。

jacket.jpgDISC[1]①オレオ②ノー・ブルース③バイ・バイ(テーマ)④イフ・アイ・ワー・ア・ベル⑤フラン・ダンス⑥オン・グリーン・ドルフィン・ストリート⑦ザ・テーマ
DISC[2]①オール・オブ・ユー②ネオ③アイ・ソウト・アバウト・ユー④バイ・バイ・ブラックバード⑤ウォーキン⑥ラヴ,アイヴ・ファウンド・ユー
DISC[3]①イフ・アイ・ワー・ア・ベル②ソー・ホワット③ノー・ブルース④オン・グリーン・ドルフィン・ストリート⑤ウォーキン⑥ラウンド・ミッドナイト⑦ウェル・ユー・ニードント⑧ザ・テーマ
DISC[4]①枯葉②ネオ③トゥー・ベース・ヒット④バイ・バイ(テーマ)⑤ラヴ,アイヴ・ファウンド・ユー⑥アイ・ソウト・アバウト・ユー⑦サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム⑧朝日のようにさわやかに

マイルス・デイヴィス(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)
1961年4月21~22日 サンフランシスコのジャズ・クラブ『ブラックホーク』におけるライヴ録音

このライヴ音源は、以前から『ブラックホークのマイルス・デイビス』という名前で2枚のアルバムに分かれて発売されていました。
その2枚は以前から聴いていましたが、正直あまり印象に残らないというか、マイルスのライヴ盤としては地味な印象が強かったように思います。
マイルスには他に刺激的な内容のライヴ盤がいくつもありますし…。

そんな中、数年前にこのライヴ音源を未発表のものまで集大成したコンプリート版が発売されました。
それまでCD2枚で12曲の収録曲だったのが、CD4枚で29曲というボリュームです。
私も一年くらい前にこのコンプリート版の輸入盤を入手し繰り返し聴いているのですが、このライヴってこんなに良かったっけ?と思うほど演奏内容が充実しているんですよね。

内容は極めてオーソドックスなハードバップ。
しかし、意外とマイルスがそういった演奏を繰り広げたライヴ盤は少なく、その意味でも貴重です。
全体的にリラックスした雰囲気の中で音楽が奏でられており、最初から最後まで長時間聴いていても全く疲れず、飽きることがありません。

あるいは内容がオーソドックスな点で好みが分かれるかもしれませんし、もっとマイルスの刺激的な演奏を聴きたい人には物足りなさを感じるかもしれませんが(そんな方々にはそれなりのアルバムがしっかり用意されているのはご存知の通り)、正統派?のモダン・ジャズにじっくりと浸れるという意味でも、このコンプリート版は絶対のおすすめ。

サイドメンも素晴らしい。
まず、テナー・サックスのハンク・モブレー
マイルスのグループにおける彼は概して評判が良くありません。
しかし、ここに記録された彼の演奏を聴く限り、単にリーダーの音楽性との相性が悪かっただけのことではないかと思われます。
このアルバムでも、中には確かに魅力に欠ける演奏も含まれていますが、それは誰にも言えること。
このライヴにおけるモブレーの演奏は彼ならではの実力を発揮したものが多く、私自身は堪能しました。

そして、ここでのウィントン・ケリーの躍動感に溢れたピアノの魅力は言葉にならないほど。
実はこれまでウィントン・ケリーのリーダー作も何枚か聴いてきて、正直あまり面白いと思ったことないんですが…このライヴの彼はホントに素晴らしい。

ポール・チェンバースのベースは言うまでもありませんが、ドラムスのジミー・コブの見事なスイング感、それでいて決して邪魔にならない安定した演奏は個人的に大好きです。
これ以前のリズム・セクション(レッド・ガーランドポール・チェンバースフィリー・ジョー・ジョーンズ)、これ以後のリズム・セクション(ハービー・ハンコックロン・カータートニー・ウィリアムス)よりもこのアルバムの3人のリズム・セクションが私は一番好きかもしれません。

最後に、マイルスのトランペットも全体的にいつになく伸び伸びとした音色を奏でており、その点でも魅力的です。
 

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534570bf.jpeg私が一番好きな現役ジャズ・ピアニストは実はケニー・バロンなのだが、彼のニューアルバム『マイナー・ブルース』(ヴィーナス・レコード)がつい先日発売されたのでご紹介。
参加メンバーは ケニー・バロン(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ベン・ライリー(ds)

ケニー・バロンは現在66歳で、このところアメリカのメジャー・レーベルであるヴァーヴと契約してきたが、この度ヴァーヴとの契約が切れヴィーナス・レコードに移籍、これが移籍後初のアルバムとなる。
ピアノ・トリオに定評のあるヴィーナス・レコードということもあって、今回は全曲ピアノ・トリオ編成というのがミソである。

ケニー・バロンの本領を最大に発揮するのは間違いなくピアノ・トリオだと思うが、近年ヴァーヴから発表されたアルバムは企画ものが多く、純粋なピアノ・トリオ・アルバムは意外と少なかった。
それだけに今回のトリオ・アルバムは嬉しい。

9dec3846.jpegケニー・バロンは晩年のスタン・ゲッツの伴奏を務めたことでも有名だし(ゲッツとのデュオアルバム『ピープル・タイム』は名盤)、海外での評価も高いが、80~90年代にメジャー・レーベルからアルバムを出してこなかったせいか(マイナーレーベルの輸入盤はあり)、来日回数が多い割に日本では知る人ぞ知る存在なのが惜しい。

ケニー・バロンの生演奏は10年ほど前にベースのチャーリー・ヘイデンとのデュオを青山のブルーノートで聴いたことが一度あるのだが、素晴らしい美音にとにかく圧倒された。
どちらかというと音数の多いピアニストであり、黒人のわりには黒っぽさが薄い音だが、感興の趣くままに溢れ出るフレージングは実にセンスが良く、あくまで自然体の演奏が魅力的なピアニストである。

ところで今回のニューアルバムだが、CD1枚2800円と常に思うことだがヴィーナス・レコードのCDは価格が高い。
ケニー・バロンのニューアルバムとあっては話が別なので貧乏覚悟で購入したが、それからは当然のごとくヘヴィー・ローテーション状態。
内容も期待に違わず素晴らしい出来だ。

日本のレコード会社製作のアルバムらしくスタンダードナンバーが多いのはご愛嬌として、個人的に好きな②『ビューティフル・ラブ』などのスタンダードと自作を上手く絡めた選曲も魅力的であるし、メンバー3人の絡みも実に息が合っている。
録音も良く、聞き流しても、一音一音に耳を澄ましても楽しめるピアノ・トリオ・アルバムに仕上がっていると思う。

前回より続く
私がヴィブラフォンの音に親しみ始めた理由は当時よく聴いていたヨーロピアン・ジャズの諸アルバムにヴィブラフォンがよく取り入れられていたこと、また、ボビー・ハッチャーソンヴィクター・フェルドマンなどの演奏が気に入ったことが大きな理由だが、その他にジャン=ピエール・メルヴィルの映画のサウンドトラックの影響もあった。

メルヴィルの『賭博師ボブ』(55)、『いぬ』(62)、『仁義』(70)などのサントラにはヴィブラフォンが印象的に取り入れられているが、事実、メルヴィル監督自身、MJQの音楽の大ファンだったのだという。(メルヴィル監督が『ギャング』の音楽をジョン・ルイスに依頼したことについては以前書いたこちらの記事参照)

そんなこんなでヴィブラフォンの音に対する抵抗感がなくなったこともあって再びMJQを聴き始めたのだが、そこからMJQの音楽にハマるのは早かった。
以前聴いた時は全然面白さが分からなかった『ヨーロピアン・コンサート』があっと言う間に大名盤となってしまったくらいだから…。

先に述べたように、MJQの音楽は管楽器リード奏者が存在しないので印象としてはかなり地味である。
一聴した限りでは音楽のダイナニズムに乏しいせいか、活気のない音楽に聴こえてしまうかもしれない。(一言で言えば大人しいジャズということか)
そのせいか、ビッグ・ネームの割にはあまり日本では人気がないような気がする。
しかし、そのサウンドと演奏の味わい深さ、魅力にハマッたらもう抜け出せないのだ。

MJQの音楽の大きな魅力はメンバー4人の調和の取れたアンサンブルの素晴らしさである。
モダン・ジャズにおいてアンサンブルといえば作曲や編曲された部分というイメージが強く、ジャズの即興演奏の自由さとは正反対と思われるかもしれないが、MJQの場合、即興部分においては個々のメンバーが思う存分演奏を繰り広げられているから、決して窮屈な印象はない。
むしろ、MJQの演奏はその作曲部分と即興部分のバランスが絶妙なのである。

また、その音楽性はかなりセンシティヴな印象もあるが、ビル・エヴァンス等のような洗練された白人ジャズともかなり異なる。
主にミルト・ジャクソンの黒人らしいブルース・フィーリングと、ジョン・ルイスのヨーロッパのクラシック音楽からの影響という二つの要素を融合したアンサンブルの妙は他に求めがたい独自の美しさを持つ。

そして、グループにはソロイストとしてミルト・ジャクソン(vib)とジョン・ルイス(p)の二人が存在し、それぞれのソロの魅力も素晴らしいが、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)の二人のいぶし銀の演奏もまたなんとも味わい深い。
この4人のアンサンブルはジャズの自由さと共にメンバーの深い知性、そして品格の高さを感じさせる。
なにより個々のメンバーの音色が美しい

ところで、彼らのCDはほとんどがプレスティッジレーベル(日本ではビクター)、アトランティックレーベル(日本ではワーナー)から出ているが、何を聴くかは少々注意が必要である。
彼らの素晴らしいサウンドを味わうには、オリジナル・マスターからリマスタリングされたアルバムがベストであり、できるならこれ以外は避けるべきだ。

プレスティッジレーベルなら近年発売されたルディ・ヴァン・ゲルダーがリマスターしたCD、アトランティックレーベルなら2006年リマスターと謳っているオリジナル・マスターを使用したCDが望ましい。
(アトランティックレーベルでは、最近発売されたSHM-CDもそのようなのでお奨め。話は変わるが、ブルーノートのCDは国内盤、輸入盤ともにルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスターRVG)と謳ったCDを絶対に買うべきだ。最近1100円でブルーノートの国内盤CDが数多く発売されているが、これらは日本のメーカーがリマスターしたものであり音質が全く違う。値段の安さに騙されてはいけない。)

なぜオリジナル・マスターかといえば、音の質感が全然違うからで、MJQのサウンドの魅力が生々しい音質によってダイレクトに伝わるからである。
ラスト・コンサート』、『ジャンゴ』、『コンコルド』、『フォンテッサ』、『モダン・ジャズ・カルテット』、『ピラミッド』など個人的に好きなアルバムは数多くあるが、第一のお勧めはやはり『ヨーロピアン・コンサート』である。
この項終わり
 

7_46153.jpgモダン・ジャズ・カルテットMJQ)のライヴ・アルバム『ヨーロピアン・コンサート』(60)について書いてみる。
このライヴ盤は、MJQの1960年4月の欧州ツアー時に、スウェーデンのストックホルムとイエテボリで収録されたもの。

これはジャズ史上でも名盤の誉れ高いアルバムであるが、私にとっても無人島に一枚的な存在のCDである。
MJQはスタジオ録音のものにも良いものはたくさんあるが、とりわけライヴがいい。
そして、MJQのライヴ盤といえば、これと『ラスト・コンサート』(76)が双璧である。

演奏に漲る底力や、一期一会的な特別な雰囲気という意味では『ラスト・コンサート』の方が上であるが、『ヨーロピアン・コンサート』は正に全盛期にあったMJQの余裕溢れる卓越した演奏力がじっくり味わえる作品となっている。
この優れた二種のライヴの優劣を決めることは難しく、聞き手の好みの問題でしかないと思う。

『ヨーロピアン・コンサート』の利点は選曲と並び順である。
代表曲が大方含まれている上、個人的に好きな『ヴァンドーム』や『ピラミッド』などが含まれているのもポイントが高いし、2枚組ながら収録時間も長すぎないので聴き通すのが全く苦にならない。
ちなみにメンバーのジョン・ルイスが音楽を担当し、ジャン=ピエール・メルヴィルがこよなく愛したことでも知られる映画『拳銃の報酬』(59年。ロバート・ワイズ監督)のテーマ音楽『ODDS AGAINST TOMORROW』(邦題『明日に賭ける』)もこれに収録されている。

ところで、この『ヨーロピアン・コンサート』というライヴ・アルバムは昔から名盤として有名であるから、私も初めて聴いたのはかれこれ15年以上は前のことである。
しかし、その時は全くと言ってよいほど良さが分からなかった。

まず、MJQのサウンドが当時の私の耳には異質に響いた。
当時私が馴染んでいたジャズは、管楽器奏者がソロイストを務める50~60年代のジャズ、つまりはハードバップが主であったが(今もさして変わらないが…)、ご承知のようにMJQにはそれとは対照的に管楽器リード奏者が存在しないし、またヴィブラフォンが加わったカルテット編成ということもあり、通常のピアノトリオともサウンドの印象が大きく異なる。
なにより当時はミルト・ジャクソンのヴィブラフォンの音色がどうにも耳に馴染めなかったのだ。

それに加えて、彼らのオリジナル楽曲もさして良いとも思えなかった。
例えば、代表曲である『ジャンゴ』なんてひどく退屈に聞こえてしようがなかった。(今では超名曲にしか聴こえないのが不思議…)

実のところ、MJQの良さが本当に分かり始めたのはこの5年くらいのことである。
そのキッカケは、MJQそれ自体を聴いて良さが分かったというよりは、他のジャズを聴いてヴィブラフォンという楽器の魅力に気づいたことが大きかったように思う。
この項続く
 

中山 康樹『超ジャズ入門』(集英社新書)をブックオフにて購入、読む。

ジャズを分かりやすく解説し、初心者をその世界に導くというよりは、レコード会社や評論家など、ジャズの周囲の事柄に対する不平不満を延々と書き連ねている印象が強い本。
“入門”というわりには、ハッキリ言って、初心者には向かない本である。
だからこそ“”なのかもしれないが。

ただ、個人的には、だからこそ面白かったともいえる。
ある意味、ジャズファンの日頃抱いている不満を代弁してくれている本だからだ。
第一、初心者向けのジャズCD紹介本など、もう掃いて捨てるほどあるから、それと変わらない内容なら、この本の存在意義などないだろう。

この著者の本は何種類も出ている『マイルスを聴け!』がなかなか面白いのだが(私が持っているのは随分前に出たヴァーションのもの)、『エヴァンスを聴け!』、『ディランを聴け!!』もなかなか面白い。
なかなか選り好みの激しい人なのだが、読み物としてはそれくらいの方が面白い。
特に、楽曲ごとの解説が読める『ディランを聴け!!』は良かった。
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テンプレ作った人:おみそ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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