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00000911642L.jpg本日2月28日紀伊国屋書店よりロベール・ブレッソン監督の『抵抗―死刑囚は逃げた』のDVDが発売されます。
言うまでもなくブレッソン監督の傑作で、個人的にもブレッソン作品中で最も衝撃を受けた作品です。
あらゆるサスペンス映画の中でも最も迫真に満ちた作品の一つではないでしょうか。
以前書いたこの作品のレビュー

ただ、個人的に気になるのがこの邦題で、これではある種のネタバレではないかと思うのは私だけでしょうか。
脱走が本当に成功するのか否か、まさしく手に汗握る映画ですので、この邦題はちょっとないと思うのですが。
それとも、結末が分かっていても、この映画は内容が凄いのだから、問題ないという解釈なんでしょうかね。
実際、私の記憶に間違いがなければ、この作品は本邦公開時、『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』というタイトルで公開されたようです。
こちらのタイトルならば、ネタバレにはならないと思うのですが…。

ところで、Amazonでは発売前だと大抵の場合、割引率が高いので私もよく利用しますが、特にこのDVDのような価格が高めのもの(税込5040円)などは助かります。
このDVDも発売前はずっと26%オフでしたので、予約注文するつもりでしたが、ずっと延び延びになり、昨日ようやく予約、なんとか26%オフには間に合いました。

以前この作品を観た時はレンタルビデオでしたので、画質もどうなっているか気になりますし、とにかく、あの凄みのある大傑作をDVDで観られるというだけでも楽しみです。

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image27.jpgロベール・ブレッソン監督の『たぶん悪魔が』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

LE DIABLE PROBABLEMENT』(77年)
監督:ロベール・ブレッソン
脚本:ロベール・ブレッソン
出演:アンリ・ドゥ・モブラン、アントワーヌ・モニエ、レティシア・カルカーノ

相変わらず素人の俳優を起用したブレッソン後期の作品。
映画の印象はブレッソンらしい暗さで、内容も分かりそうでよく分からない。
ストーリー的には環境問題が大きなテーマとなっているようなのだが、正直なところ、登場人物たちの言わんとすることが分かりにくいのだ。(おそらく私の理解不足でしょう)

製作年代が近いこともあってか、次作『ラルジャン』(83)に映画の印象は近いが、緩そうな流れでいながら、それでいて油断のならない緊張感が映画を支配していると言ったらよいのだろうか。
この流れに身を任せるのは決して不快な感じではなく、むしろ、どこか心地良かったりする。
当然、退屈なシーンもあるが。
もちろん、ストーリー的な面白さを期待すべき映画ではないというのは分かってはいるのだが、映画を観る側の感受性によってもかなり作品の評価が分かれそうな作品ではある。
個人的には、そう何度も観たい作品ではない。

それでも映画の舞台となったパリのカルチェラタンの風景や、美しいカラー映像には救われる。
それと、登場人物たちの容姿が美しいのもブレッソン作品らしい。

ロベール・ブレッソン監督の『ブローニュの森の貴婦人たち』(45年)を紀伊国屋書店から出ているDVDで観ました。
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監督・台本・脚色:ロベール・ブレッソン
原作:ドニ・ディドロ
台詞監修:ジャン・コクトー
撮影: フィリップ・アゴスティーニ
出演:ポール・ベルナール、マリア・カザレス、エリナ・ラブルデット

ブレッソン監督作品としては、先日観た『罪の天使たち』に続く長編第2作となります。
まだプロの俳優が使われており、ポール・ベルナールマリア・カザレスなど著名な俳優が出演しています。
作風としては先日観た『罪の天使たち』に近く、男女の愛憎劇を描いたメロドラマですが、内容は分かりやすい方なので、かなり楽しめました。
登場人物はヘンな人たちばかりですが…。
キャストでは、なんといっても、マリア・カザレスの存在感が他を圧倒しています。
そのせいか、エリナ・ラブルデットの存在感が薄いような気がしました。

気になるDVDの画質について。
仏版PALマスターが使われているとのことですが、紀伊国屋書店のDVDとしては、画質があまり良くないのが残念。

映画祭『フランス映画の秘宝』で観たロベール・ブレッソン監督の長編第1作『罪の天使たち』についてメモを残します。

『罪の天使たち』(1943年)
監督:ロベール・ブレッソン
出演:ルネ・フォール、ジャニー・オルト、シルヴィー

前回観た『曳き船』とは客層が全然違う。
今回は若い観客が多かったです。
あと、意外と空席が目に付いたのは、ブレッソン作品は人気が高いと思っていたので、ちょっと意外。

映画は素晴らしい。
私の想像では、多くの客はこの映画が“あの”ロベール・ブレッソンの作品だからこそ、足を運んだに違いないはず。
つまり、後年のブレッソン作品に何らかの魅力を感じているからこそ、この作品を観に来た客が多かったと思われるわけですが、この作品は、良い意味でブレッソンっぽくない。

修道院が舞台の作品にもかかわらず、ここには後年のブレッソン作品のような難解さや厳格さはほとんど感じられず、ストーリーは極めて明快、テキパキと進む展開の早さに驚かされます。
観ていて眠気を誘うようなところは全くなく、後年とは異なり、職業俳優を使ったキャストも魅力的。
ことに主人公のアンヌ=マリーを演じたルネ・フォールが美しく、修道院長役のシルヴィーも味のある存在感で良かった。
もちろん、ブレッソン作品らしい緊張感、画面構成の確かさ、無駄の無さも感じられましたが、それらも含め、個人的には、この作品、大いに気に入りました。

シネマテーク・フランセーズによって修復された映像もキレイで、とにかく、これは期待を遥かに上回る映画でしたね。

このところ観た映画のメモの続きです。
今回はロベール・ブレッソン監督の2作。

●『抵抗』(56年、監督:ロベール・ブレッソン、出演:フランソワ・ルテリエ、シャルル・ル・クランシュ)

第二次大戦中にドイツ軍に逮捕された若者が、監獄から脱獄を試みるというお話。
私が観たビデオパッケージのタイトルは『抵抗』だけだったが、『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』というタイトルで公開されたようだ。
一言、凄い映画。
あまりの緊張感に観ている方が逃げ出したくなる。
凡百のサスペンス映画が束になっても敵わない本物のスリルがある。
ストーリーも分かりやすく、簡潔な描写が題材によく合っていることもあって、ブレッソンの映画では入りやすい方だと思う。
他の映画だと押し付けがましくなりがちな感情の高まりをバッサリ拒絶したラストも、だからこそ印象的だ。

●『ジャンヌ・ダルク裁判』(62年、監督:ロベール・ブレッソン、出演:フロランス・ドゥレ)

最近発売されたブレッソン監督のDVDボックスから。
この作品に関しては、正直なところ、言葉で表現するのは難しい。
ジャンヌ・ダルクをテーマとした映画ではカール・ドライヤー監督の『裁かるゝジャンヌ』が有名であり、私もそれを一度観ただけで一生残るような強烈なショックを与えられた。
当然のことながら、ブレッソン監督はそれとは全く異なるアプローチで描き、そこにあった感情の異様なまでの高まりとか表現上のグロさは極力廃している。(『裁かるゝ…』で多用されたジャンヌのアップはここには全く無かったのではないか)
ジャンヌ・ダルクを演じたフロランス・ドゥレはいかにも普通の若い女性で、ブレッソン独特の簡潔な演出によって余計な感情身振りがないのは、かえって不自然だと思えなくもない。
裁判長の審問に澱みなく、キツいくらい冷静な口調で答えるジャンヌ像は新鮮と言えば新鮮である。
しかし、ジャンヌ本人よりも裁判そのものを描いたこの作品にはそれが相応しいのかもしれず、観終わった後にまた観直したくなる不思議な味わいを湛えている作品。

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テンプレ作った人:おみそ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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