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ポピュラー音楽界において個人的に最も敬愛するソロ・アーティストは、男性ではカーティス・メイフィールド、女性ではフランソワーズ・アルディである。
敬愛という言葉は単に“好き”ということとは異なる。
もちろん、その音楽自体好きなことは好きなのだが、それと同等、もしくはそれ以上に“尊敬”というニュアンスが強い。
当然のことながら、若いアーティストに対してはなかなか持ちにくい感情だ。
とりあえず、これから何回かに渡ってカーティス・メイフィールド(CURTIS MAYFIELD)に対する思いを綴ってみたいと思う。
男性ソロ・アーティストで私がこれまでの人生で一番よく聴いてきたのはおそらくボブ・ディランだろう。
膨大な数のアルバムが世に出ているが、これまでそのほとんどのアルバムを聴いてきたし、所有しているCDもおそらく一番多いと思う。
10年ほど前には来日公演にも行った。(今年は忙しくて無理だった)
しかし、業界的にもあまりにポピュラー過ぎるというか偉大過ぎて、敬愛という感じではない。
その点、カーティス・メイフィールドとの比較でちょっと迷ったのがブルー・アイド・ソウルの大物ヴァン・モリソンで、楽曲の素晴らしさ、ヴォーカルの魅力でもディラン、カーティスに引けをとらない存在だ。
この人も60年代から息の長い活動を続けており、近年精力的に発表しているアルバムが全盛時に劣らぬ充実ぶりなのもディラン並みである。
日本ではいまだ来日公演をしていないこともあってか、一般的には相変わらず無名に等しい存在だが、欧米では“リヴィング・レジェンド”としてしかるべき評価を受けているようで、近年のアルバムもよく売れているらしい。(もし、ヴァン・モリソンのことを知らなかったらザ・バンドのライヴ・ドキュメンタリー映画『ラスト・ワルツ』(76年。マーティン・スコセッシ監督)に出演した時の『キャラバン』を是非観て欲しい。ちなみに私はザ・バンドの大ファンでもある…)
しかし、個人的にはやはりカーティスの方が“敬愛度”は上だ。
もちろん、カーティスの音楽そのものが好きだということが大きいが、上記2人が現在もキャリアと実力に見合った音楽的、社会的評価を受け、充実した余生?を送っているのに比べ、カーティスの場合、野外コンサート会場での照明機材の落下による頚椎損傷という悲劇的な事故(90年)、そして、57歳という若すぎる死(99年)に対する個人的なやりきれなさが彼に対する一方ならぬ思いの強さにつながっていないといったら嘘になるかもしれない。
(この項続く)
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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