[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
『海の沈黙』のDVD発売に喜んだ矢先ですが、その映画で姪役を演じたニコル・ステファーヌが3月に亡くなっていたというニュースを知りました。
享年83才。
この二つのサイトが彼女の生涯に関しては比較的詳しく載っています。(英語)
http://news.independent.co.uk/people/obituaries/article2396033.ece
http://film.guardian.co.uk/obituaries/0,,2041140,00.html
いうまでもなく、彼女は『恐るべき子供たち』でも主役のエリザベート役を演じ、鮮烈な印象を残しましたし、一般的には『海の沈黙』よりもこちらの方が有名でしょう。
後に映画監督、製作者になったということはルイ・ノゲイラの『サムライ』にも書かれていますし、上記のサイトにはその詳細が出ていますが、私は彼女については恥ずかしながら『海の沈黙』『恐るべき子供たち』での女優としての顔しか知りません。
驚くべきは、後にマルセル・プルーストの長編小説『失われた時を求めて』の映画化権を取得し、プロデューサーとして、その映画化に熱意を燃やしていたという事実です。
しかも、トリュフォーやヴィスコンティにオファーを出していたとは驚きました。(結果としてはどちらにも断られてしまいます)
ヴィスコンティが『失われた時を求めて』を監督する計画があったという話は結構有名で、『仁義』クライテリオン盤の特典映像でのドロンのインタビューにもその話が登場します。
しかし、そのプロデューサーがニコル・ステファーヌだったとは全く知りませんでした・・・。
結果、83年にジェレミー・アイアンズ、アラン・ドロンらの出演で『スワンの恋』だけをフォルカー・シュレンドルフが監督することになりますが、メルヴィルの弟子ともいえるシュレンドルフが監督し、メルヴィルと関係の深いドロンが出演しているという点に、映画界の不思議な縁を感じますね。
また、上記のサイトにはステファーヌが自動車事故をキッカケで女優を辞めたとあります。
これも『恐るべき子供たち』のストーリーを知っている者にはなんとも不思議な因縁を感じさせます・・・。
ご冥福をお祈りします。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。