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エリック・ロメール監督の『シュザンヌの生き方』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

a92ffe91.jpegLA CARRIERE DE SUZANNE』(63年)
監督:エリック・ロメール
脚本:エリック・ロメール
撮影:ダニエル・ラカンブル
出演:カトリーヌ・セー、フィリップ・ブーゼン、クリスチャン・シャリエール

52分という中篇作品です。
ロメール監督の『六つの教訓物語』の第二話で、製作はバルベ・シュレデールの『レ・フィルム・デュ・ロザンシュ』。
名作然としたところのないシンプルな作品ですが、個人的にもとても好きな作品です。

ストーリーは、先日紹介したクロード・シャブロル監督の『いとこ同志』を心なしか思い起こさせる内容で、若い男二人の友情関係と、シュザンヌという女性の微妙な関係が描かれています。
タイトルとなっているシュザンヌが主役ではなく、ベルトランという男性が事実上の主人公です。

出演者たちも、出演作はほとんどこの作品のみ、という素人同然の俳優たちですが、かえって、そこがヌーヴェル・ヴァーグ的な新鮮さを感じさせます。
内容的には、あまり深い作品というわけではありませんが、シュザンヌ役のカトリーヌ・セーが妙に魅力的ですし、男優二人もいい。
モンソーのパン屋の女の子』同様のパリのロケ撮影も大変魅力的。

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エリック・ロメール監督の『モンソーのパン屋の女の子』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

61ee1d4e.jpegLA BOULANGERE DE MONCEAU』(63年)
監督:エリック・ロメール
脚本:エリック・ロメール
撮影:ジャン・ミシェル・ムリス
出演:バルベ・シュローデル、ミシェル・ジラルドン、クローディーヌ・スブリエ

再見。
エリック・ロメール監督の連作『六つの教訓物語』の第一作に当たる作品で、上映時間26分という短編映画。
時間は短い分、ストーリーもシンプルな作品ですが、いかにも若い頃にありがちな恋愛模様が面白く、観る度に楽しめる作品です。
パリのロケ撮影もいかにもヌーヴェル・ヴァーグを思わせるもので魅力的。

1aa5d3ad.jpegキャストでは、シルヴィ役のミシェル・ジラルドンも美しいですが、パン屋の娘ジャクリーヌ役のクローディーヌ・スブリエの存在感がなかなか強烈ですね。

主演のバルベ・シュレデールは、ロメールの年下の友人(21歳差!)で、62年に共に映画製作会社『レ・フィルム・デュ・ロザンジュ』を創立。
DVDの解説書によれば、この作品の最終的な製作も『レ・フィルム・デュ・ロザンジュ』、つまりシュレデールがプロデューサーです。

シュレデールは後にはプロデューサー以外に、映画監督としても活躍します。(監督作にピンク・フロイドを音楽に起用した『モア』『ラ・ヴァレ』など)
なお、どういうわけか、この作品では、バルベ・シュレデールの声の吹替えをベルトラン・タヴェルニエが担当しています。

エリック・ロメール監督の『獅子座』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

b5d5e5c4.jpegLE SIGNE DU LION』(59年、公開は62年)
監督・脚本・台詞:エリック・ロメール
製作:クロード・シャブロル
撮影:ニコラ・エイエ
音楽:ルイ・サゲール
出演:ジェス・ハーン、ヴァン・ドード、ミシェル・ジラルドン、ステファーヌ・オードラン、ポール・クローシェ、マーシャ・メリル、ジャン=リュック・ゴダール

再見。
これもまたヌーヴェル・ヴァーグを代表する作品の一つで、今回が3回目ぐらいの鑑賞になりますが、前々から再見したいと思っていました。
この作品は一度観ても、しばらくすると、つい観直したくなる不思議な魅力があります。
以前も紹介しましたが、ジャン=ピエール・メルヴィルも、この作品をカイエ・デュ・シネマ誌の62年の映画ベスト10に選出しています。

エリック・ロメールの作品はこのところしばらく観ていませんでしたので、このブログでも紹介していませんが、紀伊国屋書店から出ているDVD・BOXも5つ持っているくらい好きです。
とりわけ、初期のモノクロ作品(『獅子座』『モンソーのパン屋の女の子』『シュザンヌの生き方』『モード家の一夜』)に個人的に愛着があります。

ここで紹介する『獅子座』の主人公ピエール(ジェス・ハーン)は、風采の上がらない中年の売れない作曲家。
ルックス、性格も含め、役柄として、こんなに主人公に魅力のない映画も珍しいと思うのですが、それでもこの映画が驚くほどの魅力を放っている理由の一つは、バカンス期のパリの街の表情が実に魅力的に記録されている映画だからでしょう。
映画の中盤あたりからは、主人公のピエールがセーヌ川沿いを一人で延々と歩くシーンが続きますが、朝、昼、夜と、パリの街の表情の変化が映像に見事に記録されており、この光景を観るだけでも充分に魅力的な作品です。
ピエールのうなだれた表情と正反対の屈託のないパリジャンたちの表情もまた一興。

また、ルイ・サゲールによる、現代音楽風の無伴奏ヴァイオリンの響きが、この作品に独特の雰囲気をもたらしています。
その個性的な響きは映画音楽としては特異といってよいもので、数あるヌーヴェル・ヴァーグ作品の中でも、そのユニークさは突出しているのではないでしょうか。

撮影監督は、ニコラ・エイエ(メルヴィルの『いぬ』『マンハッタンの二人の男』も担当)で、キャメラマンはピエール・ロムです(メルヴィルの『影の軍隊』の撮影監督)。

キャストでは、あのポール・クローシェ(『影の軍隊』『仁義』『リスボン特急』)がピエールの友人役で出ていますが、この人がヌーヴェル・ヴァーグ作品に出演しているのは珍しい。

また、ジャン=リュック・ゴダールがピエールのホテルでのパーティーでベートーヴェンの弦楽四重奏曲のレコードを同じ箇所だけ何回も繰り返し聴く客として出演。
その寡黙な佇まいも、なんともゴダールらしく、俳優としての妙なオーラも感じさせます。
この映画の製作もクロード・シャブロルですし、このあたりにヌーヴェル・ヴァーグの強烈な仲間意識を感じさせられます。
また、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズの一人であるステファーヌ・オードランが、ホテルの管理人役として出演しています。

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テンプレ作った人:おみそ
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プロフィール
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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