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エリック・ロメール監督の『恋の秋』を国内盤DVDで観た感想。

CONTE D'AUTOMNE』(98年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ディアーヌ・バラチエ
音楽:クロード・マルティ
出演:マリー・リヴィエール、ベアトリス・ロマン、アラン・リボル、ディディエ・サンドル

再見。
四季の物語』の中の一篇。
以前一度だけ観たが、その時も名人芸ともいうべき見事なストーリー展開に感服した覚えがある。
今回久々に観直して再び魅了され、つい“最高傑作”という言葉が口から出かかってしまった。
よく考えればあざといくらいの仕上がりなのだが、嫌らしさが全くないのだ。
“最高”かどうかは別として、これもロメール監督の大傑作であることは間違いない。

もちろん脚本の出来栄えの良さがこの作品の成功の要因だが、なんといっても二人のロメール女優、マリー・リヴィエールベアトリス・ロマンの共演の魅力が大きい。
よく見れば、二人とも容貌的にはさすがに老けた感はあるのだが、若いころとはまた別の魅力が加味されているように見える。
ある意味では若い頃より魅力的に見えるくらいだから不思議だ。

libolt.gif新聞広告でマリー・リヴィエールと知り合うジェラール役の中年俳優アラン・リボルはこれがロメール作品初出演だという。
この俳優、メルヴィル映画のファンならどこかで観たことがあるはず。
それもそのはず、『影の軍隊』で組織を裏切ったためにリノ・ヴァンチュラ、ポール・クローシェらに処刑される若者ポール・ドゥナを演じていたのが彼なのだ!
『影の軍隊』から約30年後の姿がこれなのだが、ロメールは彼の演技、とりわけ表情の演技に大変満足し、編集でカットするのが惜しかったと語っていたほどだという。(HPのCASTに彼の記事を書きました

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エリック・ロメール監督の『パリのランデブー』を国内盤DVDで観た感想。

LES RENDEZ-VOUZ DE PARIS』(94年)
監督・脚本:エリック・ロメール 
撮影:ディアーヌ・バラティエ 
音楽:パスカル・リビエ 
出演:クララ・ベラール、アントワーヌ・バズラー、セルジュ・レンコ、オーロール・ローシェル、ミカエル・クラフト、ベネディクト・ロワイアン 
 
再見。
第一話「7時のランデブー」、第二話「パリのベンチ」、第三話「母と子 1907年」という3作品から成るオムニバス作品
いかにもロメールらしい瑞々しい映像の魅力を十分に堪能できる作品となっている。

実際、3作ともどれもホントによく出来ている。
男が情けないという点ではどれも共通しているが、それはロメール作品では常のこと(笑)。
ほとんど素人同然の俳優たちからこれほどまでに自然な演技を引き出す手腕に感服。
中でも、第三話のヒロイン役のベネディクト・ロワイアンが特に魅力的だったが、それに加えて、16ミリの手持ちカメラで写し取った90年代のパリの表情が大変魅力的な映画だった。

エリック・ロメール監督の『緑の光線』を国内盤DVDで観た感想。

LE RAYON VERT』(85年)
監督・脚本: エリック・ロメール 
撮影:ソフィー・マンティニュー 
音楽:ジャン=ルイ・ヴァレロ 
出演:マリー・リヴィエール、リサ・エレディア、ヴァンサン・ゴーティエ、ベアトリス・ロマン 
 
再見。
ロメール映画の中では人気のある作品だが、私は以前観た時にはさほど面白い映画とは思わなかった。
ストーリーの起伏があまりないのと、主役の女性が我がままでメソメソしているだけの映画という印象が強かったからである。
ただ、この映画、観る側が男性と女性でかなり好みが分かれるようだ。
今回また観直そうという気になったのは主演がマリー・リヴィエールだから。

結果、印象としては以前観た時とあまり変わらない。
ベアトリス・ロマンとの口論のシーンは面白かったけど。
マリー・リヴィエールってもともとが老け顔のせいなのかな、ずっと後の出演作観ても印象がほとんど変わらない(良い意味で)。

ちなみに、VHSでは見えないという評判の緑の光線ですが、DVDではそれ用の加工がされているようで、しっかり見えます。

エリック・ロメール監督が1月11日に亡くなっていたことを知りました。 個人的にも大好きな監督でしたし、近年まで新作を撮っていただけに、とても残念です。 私は紀伊国屋書店から出ているDVDボックスのお陰でいわゆるコスチュームものを除くほとんどの作品を観ており、『獅子座』等の初期作品、『海辺のポーリーヌ』や『夏物語』といったバカンスもの、『友だちの恋人』、『レネットとミラベル/四つの冒険』といった作品が大好きなのですが、一番好きな作品はやはり『モード家の一夜』ですね。 心からご冥福をお祈りいたします。

エリック・ロメール監督の『美しき結婚』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。 

LE BEAU MARIAGE』(81年)
監督:エリック・ロメール
撮影:ベルナール・リュティック 
音楽:ロナン・ジール、シモン・デジノサン 
出演:ベアトリス・ロマン、アンドレ・デュソリエ、アリエル・ドンバール、フェオドール・アトキン、ユゲット・ファジェ、ヴァンサン・ゴーティエ

初見。
主演女優のベアトリス・ロマン(Beatrice Romand)はアルジェリア出身。
古くは『クレールの膝』(70)から『緑の光線』(85)『レネットとミラベル』(86)『恋の秋』(98)に出ているロメールのファンにはお馴染みの常連である。

この映画の簡単なストーリーは、妻子ある中年男性との不倫に飽き飽きしたヒロインがいわゆる今で言うところの“婚活”を始める…というものだが、私が男だからかもしれないが、ヒロインの強引さや思い込みの強さには思わずヒイてしまう。
それにしても、ヒロインの性格がベアトリス・ロマンその人だと思えてしまうほど、役柄にピッタリである。
相手役のアンドレ・デュソリエはなかなか巧く男の複雑な心理を表現していたと思う。
ヒロインの友人役のアリエル・ドンバールがやはり魅力的。

エリック・ロメール監督の『飛行士の妻』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

LA FEMME DE L'AVIATEUR』(80年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ベルナール・リュティック
音楽:ジャン=ルイ・ヴァレロ
出演:フィリップ・マルロー、マリー・リヴィエール、アンヌ・ロール・ムーリー、マチュー・カリエール、ファブリス・ルキーニ

初見。
DVDに収録された特典のロメール監督のインタビューによれば、この作品はパリへの愛、そして、マルセル・カルネ監督へのオマージュだという。
その言葉の通り、パリの街角や公園などでのロケ撮影が魅力的な作品。
また、一つ一つの偶然の出来事が物語を進行させてゆくストーリー展開が見事で、いかにもロメールらしい恋愛劇である。

恋愛の行方にミステリーの要素が加味された内容も実に面白い。
キャストも、これがロメール作品初登場であり、後にロメール作品の常連となるマリー・リヴィエールがやはり魅力的だが、どう見てもフランソワ役のフィリップ・マルローとはお似合いには見えない。
そこがこの映画のポイントなのかもしれないが。

一方で、リシュー役のアンヌ・ロール・ムーリーがまた良いのだが、この役が15才というのがちょっと理解しがたい頭の回転の早さ。
それにしても、リシューが物語に登場してくることで、作品に楽しさや明るさが加わっていると思う。

なんにせよ、また一つお気に入りのロメール作品が見つかったという思いだ。

エリック・ロメール監督の『木と市長と文化会館』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

L'arbre Le Maire Et La Mediatheque Ou Les Sept Hasards』(93年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ディアーヌ・バラティエ
音楽:セバスチャン・エルムス
出演:パスカル・グレゴリー、ファブリス・ルキーニ、アリエル・ドンバール、クレマンティーヌ・アムルー

初見。
おしゃべりロメール”の面目役如というところか、この作品も会話、会話、会話の渦で、実にロメールらしい作品といえる。
正直なところ、退屈な部分も少なくないが(特に前半)、観終えてみると知らず知らずのうちに魅了されたという感がある作品。
政治的な話題も多く登場するが、説教臭かったり気難しい印象がほとんどないのは不思議なくらい。
キャストも皆はまり役だが、市長の愛人役でしゃべりまくるアリエル・ドンバールが一番印象が強いかもしれない。
子供の使い方もいい。
 

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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